過去30年間に延べ140数回、海外の老人ホームを視察して回りましたが、我が国ほど高齢者の施設や
住宅ほど種類が異常に多く、その定義や機能が複雑な国はありませんでした。
私が訪れた21カ国では、精々4~6種類で簡単明瞭です。 国内で900以上のホームをみた今でも
不可解、不思議なことで、なぜこれほどに複雑なのか不明です。
施設の定義も、入居・利用の条件も、説明するのも、説明されるのも大仕事で、日本語の言葉は理解でき
ても意味はわからず、選択の助けにもならないのが実情でしょう。
加えて、元気なうちから入居できる施設やホームは限られている上に、最期の看取りまで住めるホームは
介護付き有料老人ホームの一部と、サービス付き高齢者向け住宅の経営者次第という何とも中途半端の
極みです。
特に介護保険の開始と前後して認可された介護専用と呼ばれる利用者にとっては使い勝手の悪い施設が
2000年以降10年間で数千もオープンしました。 最近では終の棲家とは死語に近い感じです。
優良で手頃な料金のホームがご自宅の近くにあるとは限りませんが、自宅に勝る終の棲家と呼べるホーム
は必ずありますのでご安心下さい。
今年になって、千葉県の市川にて24時間看護付で入居一時金230万円、月々の費用20万円前後の
ホームを見つけました。背中に赤ちゃんをおんぶした看護師さんの勤務している光景は微笑ましく、大いに
癒されるひと時であり、発見でした。
品川では、昔からのお風呂やさんが始めたホームが、近隣の高齢者に慣れ親しんだ環境のもとに安心を
提供し、満室の盛況?でした。 今もその銭湯は昼間のデイサービスが終わり次第夕方からは常連の入浴
客で賑わい、下町の社交の場として健在なのも羨ましい限りです。 但し、入居の条件は品川区に2年間
以上住んだという証明が必要、60歳以上、住宅困難者ということです。
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お詫びと訂正
昨年11月11日出版の拙著にある毎日新聞の全面広告の日付は、2013年 5月23日は間違いでして
2013年 3月23日に訂正致します。ご迷惑をおかけしました事をお詫びいたします。