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ウイスキーをそれ程好きではない人にこの味を説明するなら、正露丸を焼酎にとかして飲む感じと言うのがわかりやすいかもしれない。

かく言う私も以前はそうだった。

くさっ!
まずっ!

その二言と真夜中のトイレ礼拝が私にとってウイスキーの全てだった。

それがどうしたことか、その正露丸焼酎を好んで飲むようになった。

良薬口に苦しと言うが、
もはや、薬ではどうしよもない程、体が蝕まれているか、
ウイスキーは薬ではないのどちらかだろう。


さて、本日は
フィンラガン。

先日飲んだ、アイラストームと同様、蒸溜所は明かされていない。
こんなにも正露丸臭いならアードベック位しか思い当たらないが実際はわからない。

日本一ウイスキーが置いてあると言う、リカーズハセガワでは試飲が出来る。
バーで飲むと値段はするが、ここでなら一杯100円~。
だが、5杯までの制限がある。
ラベルを見、説明文を読み、そういえばと、数少ない知っている銘柄を探したりしていると、正直何を飲んだら良いかわからなくなる。

煙くさい。
そんなキーワードを探して、その合間に三杯飲み、ようやく、これだ!と当たったのが、このフィンラガン。

マニアックなものがより好きな私としてはこの聞いたこともない語感に惹かれ、そして、味に惹かれた。

その時はあいにく売り切れていたが、時間を見つけ、二回目のリカーズハセガワ。
残念ながら、その後仕事だったため、試飲はなし。

が、その後、仕事になったかといえば、それは私には判断できない。

さて、本題。

まずは、
香り。

この際、正露丸はNGワードにしておこう。

甘い。と言っても粘つくような甘さではない。

柔らかい。浅いといってもいいかもしれない。まだ、主張しない。

塩っけ。

樽、煙っぽさ。この種のピートと樽の種類はそのうち調べよう。



ガツンとくる。
アルコール度数と言うよりも、ピート臭が爆発する。

穀物の甘さ。ここが面白い。
この匂いで、この甘さ。
さとうきびの様にすっとなくなる甘さ。

海藻っぽさ。潮っけを感じる。
ハイボールにすると潮っけは感じなくなり甘さが際立つが、ストレートだと海の独特な匂いがする。

スモーキーさはいわずもがな。
これでもかと言う位、ピートを炊き上げている気がする。

ウイスキーにつかった樽を噛み締めてる感じ。
そこまでひどくはないけれどえぐみを感じる
そのエグミが液体よりも個体を想像させる。
あまり味わい過ぎるとこのエグミが主張してくる。
舌の両脇が苦々しくなる。


思い返せば、試飲したのは10年ものだったような気がする。
思ってた以上に味があっさりしていた。

どんなにスモーキーだろうが、
潮っけを感じようが、そこに深みはない。
体に染み入る程ではなく、味わうにはまだ早いとすら思える。
けれど、ここまでスモーキーなウイスキーが2200円程度で味わえるのなら必要十分。

かなり人を選んでお勧めしたいウイスキー。


要約すれば、
すっごい変わりもの爺さんって感じ。


これはハイボールが良く似合う。
ストレートだと香りがまだほどけていないが、ハイボールだと香りが開く。

もちろん水割りでもそうだろう。

が、この位スモーキーで、ストレートにしてはいささか物足りないのなら、やはりハイボールでグイッとが良いと思う。

こういうスモーキーなものには、生牡蠣が良く合う。

付き合ってくれる人はいないが、
今度の週末はオイスターバーでガツンと一杯と言うのもそそる。
と言うか、さっきからそのことしか考えていない。

というか、もう、生牡蠣の事しか考えられないので今夜はこのへんにしておこう。








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