騙される快感。

推理小説と違う点は、なんだろう?

恐らく、信念。

トリックでもなく、スパイであると言う事に対するプライド。

過酷、孤独、無死、徹底。

その様がことごとく垣間見れる快感。
モラルを排除する憧れ。

自分に出来ないはずがない。
自分の他にこの任務をこなせる人間などいない。
そんな自尊心に裏付けされた孤独な戦い。
そこには焦燥もなければ愛惜もない。

ただ、ひたすらにスパイである事。

では、スパイである事とは何だろうか?

それは、このシリーズを読めばわかる。

それが本当のスパイの姿かどうかはわからない。
だが、その孤高の姿に胸打つものがあるのだけは確かだ。

劇画ではあるが、誰にも知られることのなかった男の人生。
本人にしてみれば不本意極まりないが、その貫徹した姿が本能のどこかしらに語りかけてくるのは事実だ。

自分には出来ないはずがない。
自分にしか出来ない。
自分だからできる。

私に最も?足りないものだからこそ響くのかもしれない。


iPhoneからの投稿