これ読むと、前にNHKでやっていた、「外事警察」を見たくなりますね。
今年、映画化されるようなので、今から楽しみでなりません。

さて、本作。

戦時中、編成されたスパイ部隊の活躍を描いた作品。

スパイ、活躍、とくれば美女が出てきて、派手な爆破が起こりと目を離している暇がない程の展開が待っています。
が、ここで描かれるのは、本物のスパイ。
誰にも悟られることなく、任務を遂行するだけ。

ここで見せつけられるのは彼らの能力の高さも、ですが、何より、その自身に対する絶対的な自信。
どんなに難しい注文であっても、「自分ならできる」「この位のことわけない」と涼しい顔をして難なくこなして行く。
そこに難があったとしてもそれは誰にも見せない。
スパイになったからには全てのベクトルは任務遂行の為だけに行われなければならない。
その自慢の鼻は決して折れない。
折れたらもうスパイではなくなってしまう。

真正のナルシスト。
がその柔な語感が持つイメージとは裏腹にその行動全ては鋼の様に硬質です。

あとがきを読むと現実では中野学校と言うところがスパイの養成所だったらしく、そこでも似たような人々が日本の為でなく、自身の自信が故に任務を全うしていたのでしょうか。

続編のダブルジョーカーも楽しみですが、ぜひとも新作で長編を読んで見たいものです。


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