本書は向田邦子の恋文とNさんの日記と手紙を中心にまとめられたものになる。
恋文と言っても読んでいて恥ずかしくなるような事はない。
むしろ、これが恋文?と訝るかもしれない。
けれど、間違い無く恋文である。
人の恋文を覗いて良いのだろうかという良心は本になってるしいいだろうという好奇心で覆われた。
でも、良心は素直らしく、読んでも読み切れない。
その背景を、彼らの関係を推し量る事まで想像は膨らまさない。
言葉を追い、意味だけを捉える。
ふと、亡き姉の事を思う。
隣の部屋に眠るかもしれない姉の恋文。もしも、見つけたら読むだろうかと自問する。
きっと、読まない。
そこにいる姉をみようとは思わない。
それは男女の違いもあるだろう。
だから、これを公表した妹である著者の気持ちは分からない。
ただ読むだけだからあっという間に読み終える。
添えられたNさんが撮った彼女のポートレイトが恋文に『色』を添える。
第二章は著者である妹が語る向田邦子の思い出話。とても、読み易い文章で軽快に読み進められるが、それよりも太田光の寄稿文が何よりだった。
私にしてみれば、始めにここだけ読んで終わりでも良かった。けれど、あんな風に書かれたら読まずにはいられない。
だから、きっと読む順番はこのままで良いのだろう。
最後に。
太田光はこう言う。
『こんなに短い言葉でこれほど多くの事を表現出来ただろう。それはまるで魔法だ』と。
つまり、私は自分の想像力を働かせないように読んでいたものの、『恋文』から漂う2人の生活を嗅ぎ取り、微笑ましさすら感じていたこと自体、向田邦子の持つ文章力の前では無力であった事に他ならない。
iPhoneからの投稿向田邦子の恋文 (新潮文庫)/向田 和子

¥380
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むしろ、これが恋文?と訝るかもしれない。
けれど、間違い無く恋文である。
人の恋文を覗いて良いのだろうかという良心は本になってるしいいだろうという好奇心で覆われた。
でも、良心は素直らしく、読んでも読み切れない。
その背景を、彼らの関係を推し量る事まで想像は膨らまさない。
言葉を追い、意味だけを捉える。
ふと、亡き姉の事を思う。
隣の部屋に眠るかもしれない姉の恋文。もしも、見つけたら読むだろうかと自問する。
きっと、読まない。
そこにいる姉をみようとは思わない。
それは男女の違いもあるだろう。
だから、これを公表した妹である著者の気持ちは分からない。
ただ読むだけだからあっという間に読み終える。
添えられたNさんが撮った彼女のポートレイトが恋文に『色』を添える。
第二章は著者である妹が語る向田邦子の思い出話。とても、読み易い文章で軽快に読み進められるが、それよりも太田光の寄稿文が何よりだった。
私にしてみれば、始めにここだけ読んで終わりでも良かった。けれど、あんな風に書かれたら読まずにはいられない。
だから、きっと読む順番はこのままで良いのだろう。
最後に。
太田光はこう言う。
『こんなに短い言葉でこれほど多くの事を表現出来ただろう。それはまるで魔法だ』と。
つまり、私は自分の想像力を働かせないように読んでいたものの、『恋文』から漂う2人の生活を嗅ぎ取り、微笑ましさすら感じていたこと自体、向田邦子の持つ文章力の前では無力であった事に他ならない。
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