サイゴンからきた妻と娘を読んで早数年。
ベトナムへ行き、直に彼らに触れる事であの国が好きになり、その途中で出会ったバックパッカーに教えてもらった本が、それであり、気になりながらも読むタイミングを逃していたのが、本書。
ベトナム戦争の直前から直後までのベトナム人の視点から当時を綴ったものになる。
ベトナムで出会った年齢不詳の女性を妻に貰った著者だからこそ、地元に密着し、冷静に目撃出来た当時の様子は、私のイメージするベトナム戦争よりも逞しく、私の知っているベトナムに近かった。
原発の事故が起こってから、チェルノブイリで産まれた奇形児や奇形植物などを再び目にする事が多くなったが、中には、奇形そのものを取り扱ったものもある。
その中に枯れ葉剤の影響を受けた者達がいる。
その局部だけを見る事で受ける後世に残る甚大な被害は当然当時には見受けられない。
戦時下、生きること、生活する事に精一杯の日々を送るものもいれば、そういった危機感から生来の鈍感さで周りから守られるものもいる。
話は変わるが、
ここ最近呼ばれている場所がある。
北から北海道、南は沖縄、そして、ベトナム。
ハノイの郷土料理、ブンチャが恋しくなってと言うのもあるし、やはり、格別に好きなんだろう。
インドの混沌も好きだし、毎日が180度目まぐるしく変わる様等は生きる活力をもらえるというか、
生きる活力がわき出てくる。
ベトナムもそれに近いけれど、
もっと身近で、矛盾しているけれど、洗練された野暮ったさみたいなものもある。
日本だって築地に行けば、ASIAという言葉が浮かんでくるのを押し込めておく事は出来ないし、そういった部分部分では活力は負けていないと思う。
けれど、ベトナムはもちろん場所にもよるけれど、街全体が市場のようなものだ。
あれほどに凄惨な戦争があったとは思えないほどに、
日々を生き、先を見越している。
本書の中で、流石と思ったのは華僑の存在。
彼らは常に順応する。
善悪の区別なく、繁栄のために、己の主張を腹にしまい込む。
中国ではがなり声が飛び交い、不快なうるささを感じる事もあったが、
その中国人が己を押し込めると言うのは想像しにくいが、
その強かさはもの凄くらしいと思う。
詳しい事は本書を読んでもらえばいいとして、
これからベトナムに行く人、
ベトナムから帰ってきた人には
是非とも読んでもらいたい本である事は間違いない。
iPhoneからの投稿サイゴンのいちばん長い日 (文春文庫 (269‐3))/近藤 紘一

¥530
Amazon.co.jp
ベトナムへ行き、直に彼らに触れる事であの国が好きになり、その途中で出会ったバックパッカーに教えてもらった本が、それであり、気になりながらも読むタイミングを逃していたのが、本書。
ベトナム戦争の直前から直後までのベトナム人の視点から当時を綴ったものになる。
ベトナムで出会った年齢不詳の女性を妻に貰った著者だからこそ、地元に密着し、冷静に目撃出来た当時の様子は、私のイメージするベトナム戦争よりも逞しく、私の知っているベトナムに近かった。
原発の事故が起こってから、チェルノブイリで産まれた奇形児や奇形植物などを再び目にする事が多くなったが、中には、奇形そのものを取り扱ったものもある。
その中に枯れ葉剤の影響を受けた者達がいる。
その局部だけを見る事で受ける後世に残る甚大な被害は当然当時には見受けられない。
戦時下、生きること、生活する事に精一杯の日々を送るものもいれば、そういった危機感から生来の鈍感さで周りから守られるものもいる。
話は変わるが、
ここ最近呼ばれている場所がある。
北から北海道、南は沖縄、そして、ベトナム。
ハノイの郷土料理、ブンチャが恋しくなってと言うのもあるし、やはり、格別に好きなんだろう。
インドの混沌も好きだし、毎日が180度目まぐるしく変わる様等は生きる活力をもらえるというか、
生きる活力がわき出てくる。
ベトナムもそれに近いけれど、
もっと身近で、矛盾しているけれど、洗練された野暮ったさみたいなものもある。
日本だって築地に行けば、ASIAという言葉が浮かんでくるのを押し込めておく事は出来ないし、そういった部分部分では活力は負けていないと思う。
けれど、ベトナムはもちろん場所にもよるけれど、街全体が市場のようなものだ。
あれほどに凄惨な戦争があったとは思えないほどに、
日々を生き、先を見越している。
本書の中で、流石と思ったのは華僑の存在。
彼らは常に順応する。
善悪の区別なく、繁栄のために、己の主張を腹にしまい込む。
中国ではがなり声が飛び交い、不快なうるささを感じる事もあったが、
その中国人が己を押し込めると言うのは想像しにくいが、
その強かさはもの凄くらしいと思う。
詳しい事は本書を読んでもらえばいいとして、
これからベトナムに行く人、
ベトナムから帰ってきた人には
是非とも読んでもらいたい本である事は間違いない。
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