やはり試験が終わると、気持ちが軽い。
そのせいか、物語にすっと入っていける気がする。

聞いた事のある題名だったのと、妖怪が出てくるので、借りている水木しげるのDVDを観る前哨戦として読んでみる事に。

ちょっと読みにくいかなっと読み始めて数分で、背景に色がついて、登場人物が滑らかに動き出す。

事あるごとに寝込んでしまう若だんなの小太郎とその度に過度な心配をする取り巻きの妖怪や二親に呆れを通り越して微笑ましさを感じてしまう。

しまいにはこちらまで、そんなことしたらまた…と心配してしまう。病弱な小太郎はもちろん、それを裏切らない。

途中まで読むとちょっと不安になる。もしかしたら、拡げられた伏線の全ては明かされないかもしれないと。

幼馴染の行く末、その妹が寄せる恋心しかり、腹違いの兄しかり…

調べてみると、最近最新刊が出たようで、述べ9作出ているらしい。

そのあらすじを読むとまだまだ話は続きそうだ。

最終巻は読んでみたいとは思うけれど、その間はそれほど気にならない。

物語としての型が決まっている気がしてしまうのだ。

明晰だけど、病弱な小太郎とその度に心配する取り巻きと妖が起こす事件。
散りばめられて、明かされてハッとする小さな物語。

その繰り返しにそれ程魅力を感じないし、その上、登場人物の行く末を追いたいという気にもならない。


それは、ファンタジーを忘れた寂しい大人になってしまったということだろうか?

物語は面白い。
けれど、ここから先は箱庭にリアルを追求するようなものだろう。

と、ここでトトロが流れてきたので、思いつきで締めるが、ようはトトロの続編が10続いたらトトロはトトロではなくなってしまう。

だって、物語の見えない部分にある読者が介入出来る余地こそが物語の第二の心臓なのだから。






iPhoneからの投稿しゃばけ (新潮文庫)/畠中 恵

¥540
Amazon.co.jp


にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
にほんブログ村