ここ一年で随分と心臓の動きが気持ち悪くなった。

時折、ぐにゃりと鼓動する。

トクトクトクトク…くにゃっ。
ってな具合に。

心臓が捩れるようなそんな感覚。

まあ、そんなに大した病気では無いのだけれど、少し凹んだ事もあった。
でも、まぁ、仕方ないかなと割り切りもした。

でも、最近このくにゃりが少し愛おしい。
生きてるんだなって。

嫌な汗もかくし、長く続くと少し焦る。
それもこれもあの女が
「それ治らないよ。ペースメーカーいれるしか」
幾らと聞き返し、
「一千万。でも、いれた方がいいよ」
とか言うから気になってしまったからだ。
入れられるか!

文字にすると冷たい印象を受けるかもしれないが、そうでもない。優しい人間だ。笑。

別に日々の生活が退屈だとかそういう意味から翻る生命感でなく、ただ、ひたすら、黙々と鼓動を刻むこの心臓という存在が自分の中にある事が愛おしい。

この自分という存在が成り立っている奇跡を実感できる。

目が悪い事で、目の良い人には見えない景色が見える。
心臓がほんの少し自分から離れて行く事で、命が近く感じる。

けれど、これが本当にブルガタ型波形のせいなのかはわからない。むしろ、不摂生がたたっているだけなのでは無いだろうか?
いや、それはそれで問題か。

ならば、誰かに恋でもしている事にしようか。









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