本居宣長といえば『もののあわれ』と一緒に使われるように

秋口と言えば、キンモクセイの香り。

六本木という一見華やかな街で、香水と酒の匂いが充満してそうな場所でも、

会社のベランダで一服をしているとプンッと鼻をくすぐります。

この匂いのあいまいさが私はとても好きで、

どこに咲いているのか姿も見えず、

でも、心地よい空気の冷感と共にそこかしこに漂っている。

だからと言って匂いのもとが凄く強いかと言ったらそうでも無くて、

そこはそこで強い生命を感じる事ができます。


この匂いがない秋というのは少しさびしい気もしますが。、

意外と無くても気がつかないかもしれません。


こういう心の動きを『もののあわれ』と言うみたいです。

そして、その心の振りくが大きくなって短歌や俳句となる。

本居宣長はそう考えていたのでしょう。


彼の仕事の本懐とも言える古事記の大和言葉による読み下し。

これは漢語読みが一般的であった当時にしてみれば嘘みたいな話であった事でしょう。


この本の最後の章は彼の死についてです。

さて、どんな生き様を見せてくれるのでしょうか。

明日の朝が楽しみです。

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