全く考えた事がなかったんですが、

赤外線とか紫外線って不可視光線なんですよね。

知ってはいましたが、考えた事はなかった。

それを認識できる生物は沢山いる。

でも、人間には調べて、ある事が証明できるけれど、

見る事は出来ないんですよね。

つまり、

今見ている色だけが色じゃないって事なんです。

それって、全く想像が出来なくて、

だからと言って、昆虫とかの眼がうらやましいわけでもなく、

色の幅の先なんて考えた事もなかったと言うだけ。

著者はその時その時の世界観を『イリュージョン』と呼び、

これから先も新しい事が証明されていくだろうと述べています。

確かにそれは間違いないでしょう。

そして、その度に驚きと興奮をもたらしてくれるでしょう。

では、終わりはあるのだろうか?

常識に縛られるなとは良く聞きますが、

一体どこからどこまでが常識なのでしょうか?

一見不規則な動きをしているモンシロチョウも

実はあるルールに従って動いているなんて、

思いもよりませんでした。

しかも、モンシロチョウとアゲハの

視覚も違っているなんて!

そう考えてみると『鳥瞰』っておかしな言葉です。

鳥はあんな風には見えていないはずなのに。

鳥になって自由に空を飛びたい。

そんなフレーズを聞いた事があります。

ここからは想像ですが、

青い空が見えなくなっても飛ぶ事に魅力を感じるでしょうか?

モノクロの世界で動くものを察知することに長けた眼は

急に鳥になった人間が使いこなせるものでしょうか?

鳥は決して自由ではない。

でも、不自由を感じる事もない。

ならば、人間は飛ぶ事で自由になれるだろうか?





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