唸る。



なんだかもう度を超えている。

日本建築と言うか数寄屋というか。

深入りすると抜け出せなくなりそうな世界がここにはありました。

利休の待庵、桂離宮と自分に言わせればすでに完成しているように思える世界。

でも、解体し復旧する事で見えていない納まりや美的意識の高さを目の当たりにしてしまう。

そんな世界に身を置いてきた著者がとても親しみやすい語り口で

もろもろの文化的価値のある数寄屋の魅力を学術的と言うよりも

技術的、精神的に教えてくれる。

桂離宮や伊勢神宮をもっと知りたくなってきた今日この頃。

一般的素養として身につけておくものと

そこから見出せる自分の考え。

その二つを自分のものにしたらひとまずここからは身を引こうと

思わせるに至った、ある意味底なし沼ような書でした。

伝統建築と日本人の知恵/安井 清

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