『死んで何が悪い。祭りだろ』


まるで灼熱。

読んでいるそばから体温が上がって、こみ上げてくるものがある。

岡本太郎がリアルタイムで批判非難されていた時代を知らない。
今現在では皆が皆知っているし、周りでも好きだと言う人は多い。

それは彼が今になって受け入れられたという事なのか、それとも現代の持つ不安定な空気がそうさせるのだろうか。

うつ病患者が多くなり、それに対しての世間の了見も広がってきた。
だが、それは、人間が弱くなっているからではないか。

もちろん、つらい。苦しい。明日すら来ないよう祈ってしまう。このまま、消えてしまえば良いのに。

こういった考えを思いをただ『弱さ』だけで片付けてしまえるほど頭も知識もないのだが、日本人は疲れてきてしまっている気がする。

それは誰のせいだとわからないところがこの問題の根深いところではないだろうか。

ちょっとずつ誰もが『狂ってる』。そのコンマ何mmのズレが国民が持ち合わせてしまったのではないだろうか。

と、横道にそれてしまったが、彼の文章をやさしいまなざしで解説を添える岡本敏子の文章は砂漠のオアシスのような優しさみ満ち溢れている。

こうして出来上がり、選りすぐった語録が面白くないわけはない。

一番最初に書いた言葉に打ち抜かれ、そして、自分の内部をえぐりだされたような気分にさせられた言葉で〆ることにしよう。
反省したり、悔いたり、謝ったりする行為を嫌った岡本太郎らしく、強い言葉である。


『今がすべてだ。いずれあるものなら、今、必ずある。
今無いものなら将来にも絶対に無い』


芸術は爆発だ!―岡本太郎痛快語録 (小学館文庫)/岡本 敏子

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