さてはて、どーしても気づくと読んでしまっているので、これからは一日一冊を義務付けたいと思います。

どーしても速読を身につけたいので修練と割り切っていきます。

どこまで続くのかはわかりませんが、どうぞお付き合いください。

めっきりBOOKOFFネタを書かなくなってしまいましたが、そのうちまた書いていくつもりです。



さて、かの有名な新渡戸稲造『武士道』を読んでみました。

これが一読では済まないくらい面白かった。

前回読んだ『春宵十話』に通じるものもあり、またまた、『王陽明』にも通じるところがあり、非常に読みやすかったとともに、自分の持っている日本人としての魂を大切に磨いていかなければならないと思いました。
これほどわかりやすく、優しい文体にもかかわらず激しい内容の込められた本にここ最近であっていませんでした。
刷り込まれたのか、安易に飛び込んだのか、あるいはその両方なのか、とにかくアメリカナイズドされている今の日本に対し危機感と共に持ち上げていかなければならないのだと感じた。

確かに住みやすく、暮らしやすくなり、大半のモノはちょっと我慢すれば手に入り、時間を持て余すことなく没頭できる何かも見つけやすい昨今とは状況が違いすぎるし、また、武士道で言われていることの全てwぽ実践しなければならないと感じたわけではない。

ただ、桜を愛でる習慣がどことなく無粋なものになり替わり、シルバーシートなどと言う下にも恐ろしい言葉が発明されて、私のよく使う路線では座席に座れる人数までアナウンスをしてしまっている。

自分が自分が、個性を大事に、その言葉に酔い、正当化出来てしまう今の風習は実は腐りかけた肉の悪臭に惑わされているだけなのではないだろうか?

これから先どんどんと自分自身も環境も物も削り取り、簡素化していく中で日本的な精神を取り戻したいものだ。

だからと言って、今の全てがダメダメなのかといったらそうでもない。

でも、あえて今の状況を褒めたとしても誰も得なんてしない。

ならばいっそ、すべてを捨てて、すべてを否定して、自分自身も殺して、何者でもない自分と向き合う勇気を。

目上の人間に対して払える礼儀の作法すらままならず、それが自由と力の象徴なのだとしても、武士道が読み継がれていく限り、決して日本は錆びないと信じたい。


余談だが、これを読み、桜の大木にまとわりつく建築を考えてみたいと思った。

日本人の誰もが好きな桜に手を出すとは我ながら恐れ多いが、建築と桜の作り上げる空間に今まで視たことのない、または始めて感じるがものすごく懐かしい、そんな空間が出来上がるのではないかと夢想してしまう。

武士道 (PHP文庫)/新渡戸 稲造

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さぁさ、次は何読もうか。

とりあえず、『チャイルド44上下』と『グラーク57上下』は今月中に。

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)/トム・ロブ スミス

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グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)/トム・ロブ スミス

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構造の勉強を始めたので、『インフォーマル』で。
インフォーマル/セシル バルモンド

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