私とBOOKOFFとの出会いはもう10年近く前の事になる。

今ほど自転車熱が高くなかった当時、私は安くそれほど性能も良くはないが大々的なサスペンションがつけられたマウンテンバイクもどきで近所から離れた場所へ行くのが好きだった。

その時も『この道をもっと先へ進んでみるとどこへ行くんだろう』といった単純な理由で先のわからない道を選び、自転車を漕いでいた。

ちょっと進んだだけで、聞いたこともない町名が電信柱に張り付けられ、バスの行き先でしか見たことのない土地がそこにあった。

長く緩やかな坂を全力で駆け降り、十字路に差し掛かる。

どの道を進もうか考えていると、派手な看板が目に付いた。
聞いたこともないその店名が気になり、そちらへ向うことにした。

入るや否や感じた開放感。古本屋と本屋が一緒になっているのかと思いきや、すべて古本。
古本屋にはあるまじき解放感と清潔さ。その初めての体験に私は興奮した。

『え?これも古本?』『え?立ち読み自由?』『こんな古い本まで?』

と店内を歩き回り、棚の角を曲がるたびに驚いていた。

読みたかった本を探し、堂々と立ち読みする。
隣の本も気になり、手に取る。
そういえば、と頭をよぎった漫画を探す。

これを快感と言わずして何と言えばいいのか私にはわからない。

その快感は今となってはあたり前のものになってしまったが、その体験が今だに私をBOOKOFFに引き付けるのだろう。



このテーマはまだまだ書くことがあるので小出しにしていくとしよう。