「田中さんへ
局部または陰部の臭いが薔薇の臭いになるらしい、泡石鹸を使ってみませんか?
山本より」
私なりにやんわりオブラートに包んで、発送委託会社のエリート販売員にも勧めてみた。
私のささやかな抵抗とでもいおうか
反応次第では、私のデリケートゾーンの印象が悪くなるからだ!
女性は、面と向かってそういう類の話しは抵抗がある。
自分自身の小さなプライドってやつが邪魔しちゃうのだろうか?
ネットで調べた所によると、男性の8割は女性のアソコの匂いに落胆するらしい。
見ず知らずの間柄ならまだしも、会った事はないにしろ
毎日、チャットで業務連絡をしているので話しやすい。
自分自身で使う事も思いついてはみたものの、どうも
人に知られるのは恥ずかしい。
もしかして、山本さんは男性からアソコが臭いとか言われたんじゃ無いだろうか?
とか、
もしかして、山本さんはアソコの匂いに夜も眠れない程悩んでいるんじゃないだろうか?
とか…
もしかして、山本さんは□×▼×~∂〆××〇〆
しまいには私自身が
猛毒のガス散布者アルプスの少々ナチス
などと、色で例えるならば黒そのものの受け入れる事が出来そうにない
名前で呼ばれるのではないだろうか?
なんか怖い。
これではまるで、平成の時代に生きる昭和生まれの
平安美人ブルースのメンタル的破壊力抜群の妄想と一緒じゃないかっ!?
プルリンッパッ♪
控えめな当たり障りの無いメッセージ音
「山本様へ
私!アソコ臭くなんかありませんっ!
田中より」
やはり、話しやすい間柄でも
積み木を崩す様にいとも簡単に思いは崩れていくのだ…
つづく→