ようやく外壁工事が始まり、メニューも決まった6月の半ば頃、

友人のMちゃんと旦那さまが『私たちが当日のジャッジの予行をしてあげるわよ』

そう言いながら我が家にご飯を食べにきてくれた。

 

Mちゃんと旦那さまの食に対する美意識はかなり高く、

多分友人の中でもトップだと私は思っている。

ソムリエでもあるMちゃん、ワインのアドバイスももちろんしてくれた。

 

Mちゃんが遊びにきてくれた時、

当時はまだ前菜がフィンガーフード3種ということになっていたので(のちに2種に変更を余儀なくされる)、この3種は当日と同じように作っていた。

 

ひとつ目は、家庭菜園の野菜を使った和風ピンツィモーニオ。

ソースは夏らしいきれいなライトグリーンに仕上げるため、枝豆を使用。

その他すべて和食材を使用していた。

 

Mちゃんも旦那さんも絶賛してくれたが、私の中では豆腐の臭みが気になり、

結果的に本番前日まで豆腐を変えて試作を重ね、確か豆腐4個目?でようやく自分の思い通りの味になっていたと思う。

普段は大好きな『大谷豆腐』にこだわっていたのだが、最終的にはBioショップの違うもので完璧に仕上げることができた。

 

そしてふたつ目が、ポテトサラダとれんこんチップを使ったフィンガーフード 。

れんこんのあの可愛らしさに惹かれ、これに合わせて日本から器を購入してしまったほど!

ポテトサラダの柔らかな食感にサッと揚げたれんこんのカリカリ感がコントラストをなして、個人的には大好きだった一品。

当日は糸唐辛子と食用金箔で華やかさをアップさせた。

 

そしてMちゃんと旦那様が絶賛してくれたのが、

ホタテフライ&白トリュフ塩。

トリュフが苦手な夫からもこちらは絶賛された。

ただ、見た目の華やかさに欠けたのと、タイトルとの関連性が見出せなかったため、

最終的には泣く泣くこちらを取り下げた。

味は間違いなく3種の中ではトップだったから、最後の最後まで悩み、担当プロデューサーにも3種でやらせて!と懇願していたのだけど、数日前に監督から時間の関係で許可が出なかったと言われていた。

 

味的には

ホタテフライ>ポテトサラダ>ピンツィモーニオ

だった。

ただ、ピンツィモーニオを却下してしまうと、夏らしさに欠け、

色が白と黄色、茶という味気なさになり、

かつどちらも揚げ物ということが真夏にはネックになるのではと考え、

最終的には

ポテトサラダ&れんこんチップ

和風ピンツィモーニオ

に落ち着いた。

 

Mちゃんと旦那さまは、以前から私のちらし寿司を絶賛してくれていたので、

その日は省略。

 

 

代わりに手打ちパスタ、ブジアーテを作った。

もちろんトラーパニ産のソースと合わせて。

オンラインで最も好評だったパスタである。

 

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そしてセコンドの和風ローストビーフ。

和食=魚(しかも生魚)と思っている人がいまだに多いイタリア人に、

和食にも美味しい肉料理がたくさんあるということを説明しようと思っていた。

ただ、唐揚げなどのあまりに月並みなものは作りたくなく、

冷しゃぶとかなり悩んだのだが、

帯を使って作ったランチョンマットをソースで汚して欲しくなかったので(笑)

最終的には和風ローストビーフに決定。

これも教室のクリスマスメニューで大絶賛されているメニューである。

ソースも自家製。

とはいえ、しゃぶしゃぶのようにじゃぶじゃぶになるほどはかけず、あくまで肉を湿らす程度。

これを食べると普通のローストビーフが食べれなくなる!笑

 

付け合わせにはジャガイモのピュレ、ズッキーニのグリル、そしてラディッシュを。

Mちゃんの誕生日祝いだったこともあり、実は33年もののオーブリオンと合わせたのだが、びっくりするくらいにマッチしていた。

ワインは当日はグラブナーを考えていた。

ちらし寿司にはもちろん白だから、白から赤に変えるのを嫌がるイタリア人の趣向を考慮し、オレンジワインと称されるグラブナーにしていたのだ。

 

それにしても、我が家、ワインだけであちらからの材料代が飛んでしまった!笑

でも大好きな女優さんのため、そんなふうに思ったら全然苦ではなかった。

 

最後まで悩んだのがドルチェ。

女優さんが抹茶好きなのを知っていたので、

抹茶のチーズケーキやら抹茶のカステラ、抹茶ジェラートといろいろ試作していたが、料理の流れを考えるとどれも最後に重くなってしまい、最終的に抹茶は却下。

7月の暑さを考慮し、喉越しを最優先にし、自家製金柑ジャムと自家製ハチミツを使ったセミフレッドと自家製梅酒にした。

 

これもMちゃんや旦那さま、イタリア人家族から大絶賛されていたし、

金柑ジャムこそ入れてないが、ハチミツのセミフレッドはオンラインレッスンでもかなり好評だったので、味に自信はあった。

ただ一点、covidのため、キッチンチェック担当の人の前で当日に作り始めなくてはならず、3時間で固めなくてはいけないという難題があった。(続)