カレー記念日

担当している自閉症のＨ君は、
冷えたご飯、牛乳、炒り卵しか食べない偏食さん。

まずは食べ物を触るところから…と、春から関わってきました。
自分が食べるもの以外は触りもしないので…

給食に味付きゆで玉子が出れば、大好きなたまごおうじの絵を描いてやり、
ペリペリと殻むきをしてもらったり、
キャンディチーズを粘土みたいにしているのも、
大切な一歩と見守ったり…

そんなこんなのここ数ヶ月、
カレーやシチュー、豚汁などに興味を持ち始めました。
お母さんも、家で興味を持ったときにはお玉を渡し、
かき回させてみたり、お椀によそってもらったりしているとのこと。
学校でも、カチャカチャしてもらっていました。
何度も匂いをかぎにくるし、
いつかペロッとする日がくるんじゃないかと、
心待ちにしていました。


そして先日、給食にハッシュドビーフが。
やはり匂いかぎまくりのＨ君。
器を鼻に近づけてみると、自分から顔を寄せてｸﾝｸﾝ。
チャーンス！とばかりに、器の縁にハッシュドビーフが垂れているところを、
Ｈ君の唇にペタリ☆

特に怒るでもなく、神妙な面持ちで味わうＨ君。
さあ、来るか奇跡！
と、構えていましたが残念ながら無し。


そして今日はカレー！
今回もあの作戦でいこうと、わざと器の縁にたっぷりとカレーを(笑)
あとでまたくっつけちゃおー♪
と、企んでいたのに…


自分の指で、垂れているカレーをすくい、ペロリ…

またペロリ…


驚きと喜びで声も出ないあたしをよそに、
だんだんと大胆になっていくＨ君。
ついには、器の縁からではなく、器の中のカレーに指を入れ、なめ始めました。
あたしは、涙があふれてきて、止められませんでした。

あんなに高かったハードルを、今こうして越えた彼の成長っぷり！
背中をぐんと押してもらった気分です。

今日はカレー記念日！

どう受け取るか

今日は久々のイベントへ。
二次試験のためにしばらく練習を休んでいて、
やっと行けるようになったのに、
イベント直前の先週、まさかの知恵熱…

今日は病み上がりよさこいでした。


やっぱりみんなに会うと嬉しくて、楽しくて、
テンション上がる上がる♪
みんなで会場に向かいました。

着くとすぐ、見覚えのある看板…


まさか


まさか



視線の先に、前に勤めていた施設の売店が



すごく、ものすごくお世話になったお二人の姿が



あちらの方が先に気づいていて、
以前のままの笑顔でした。
近くまで行って話をしてきました。
でも、作品を見ることはとてもできませんでした。

なんと言っていいかわからない、複雑な心境でした。
大好きな人たちなのに、
できれば会いたくなかった
でも、会いたい、話がしたいと何度も願っていた


久々の動悸発作の前触れ


パニックになりそうになりながらも、
ふと、

神様から
『もういいよ』
って言われたような気がしました。

もう苦しまなくていい
罰だと思わなくていい

そんな気がしてきました。


一緒に笑い、悩み、そして泣いてくれた、
大切な大切なお二人でした。
変わらない笑顔に、救われた思いでした。



踊るのがやっとで、声は全然出せませんでしたが、
元気な姿見てもらえたかなって思います。



落ちてるときって、なんでも不幸に思えてしまって、
また新たに、わざわざ不幸を探しては泣いてしまったりしました。

でも今は、違う。
今日のことも、ちゃんと意味があると思える。

あたしは幸せですって、
胸をはって言えます。

以前の自分より、今の自分の方が、
ずっとずっと好きだから。

来年の今頃はもっと大丈夫。