さて、
今回は
多くの方もご存知の
「シンデレラ」を
ナナメヨミしてみようと思います。
まずは、
シンデレラのストーリーを
振り返ってみましょう。
むかしむかしあるところに、
シンデレラという名の
美しく優しい娘がいました。
幼い頃に母親を亡くしたシンデレラは、
父親が再婚した継母と
その連れ後である2人の姉に
まるで召使いのように扱われていました。
ある時、
この国の王子様が舞踏会を開くことになり、
姉たちはきれいに着飾って出かけていきました。
だけど
ドレスを持っておらず
ボロボロの服を着たシンデレラは
舞踏会には行けず
家中の掃除や片づけをさせられました。
そして
シンデレラが悲しみに暮れ泣いていると、
そこに魔法使いが現れ
かぼちゃとねずみをそれぞれ
豪華な馬車と、立派な白馬に変え、
きらきらと美しいガラスの靴を用意し、
さらに美しいドレス着せて
シンデレラを舞踏会へ行けるようにしてくれました。
だけど、
その魔法のリミットは午前零時。
王子に見初められ
一緒に踊りを踊るものの
タイムリミットは刻一刻と迫り
日清埋めようとする王子様を振り切って
シンデレラは姿を消したのです。
残念がる王子様の目の前には、
シンデレラが履いていたガラスの靴が
片一方だけ残されており、
それを頼りに
王子様は
「舞踏会に来ていた
ガラスの靴を履いた女性を自分の妻にする」
と宣言し、
ガラスの靴にぴったり足が入る女性を探し出しました。
それがシンデレラで、
王子様は宣言通り
シンデレラと結婚しました。
チャンチャン、おしまい。
これが、
一般的なストーリーですよね。
さあ、
ナナメヨミのスタートです。
シンデレラは、
色々なことがあったけれど
王子様から求婚され結婚しましたね。
こういう展開だと、
「今までの苦労が報われたのね。」
とか
「いじめに耐え抜く精神力で勝ち得たもの」
とか
「やっぱり成功を得るには
苦労しないとダメなんだな」
という意見も聞こえてくるけれども
そもそも
王子様は
『苦労しているシンデレラ』に
惚れたのではないですよね。
物語の中では
シンデレラの苦労している姿を
王子様が見ているシーンは
どこにもないですから。
単純に！
見た目に惚れただけ！
ということは、
成功するために
必要以上の苦労を
自分に課す必要は無い！
というわけです。
では、
なぜシンデレラは最高の結果を
得ることが出来たのでしょうか？
これには
2つの要素があります。
1. 魔法使いのサポートがあった
ボロボロの服しか持っていなかった
シンデレラが舞踏会に行けたのは、
魔法使いの魔法があってこそ。
ボロボロの服で行ったところで
門前払いをされるのは
火を見るよりも明らかです。
2. 王子様にヒントを残しながら去って行った
ガラスの靴をわざと脱いだか
それとも
自然と脱げたのかはさておき、
このヒントがあったからこそ
王子様と再会出来たわけです。
この2つの要素を挙げてみると、
シンデレラは
運のいい人
なにか持っている人
と思いがちだけれど
どう見ても戦略的だなと
私は思ってしまいます。
なぜなら、
ガラスの靴が脱げてしまうシーン。
これが最たるものです。
足にピッタリのサイズで
しかも
ガラス製のもの。
慣れない靴で夜遅くまで
踊っているということは
むくみが起きている可能性もある。
なのに！
ガラスの靴が脱げてしまう…。
シンデレラは、
きっと
セルフブランディングや
セルフプロデュースに長けていたのでしょう。
かわいそうな人を見つけては
サポートする魔法使いがいる
というのを知っていて、
その魔法使いの目に留まるように
かわいそうな女子をテーマに
セルフプロデュースしていき
毎日アピールを欠かさず
過ごしていたのでしょう。
そうでもしなければ、
あんなタイミングよく
魔法使いが現れるわけがない。
舞踏会の会場に到着後も、
初めての経験であるはずなのに
しっかりと王子様の目に留まるような
ポジション取りをしていて
周囲のキャーキャー騒ぐ女子を横目に
さりげなくアピールしていたんだろう。
それほど
自分の美貌に
自信があったからかもしれないが、
周囲の女子とは違った
どこかミステリアスな雰囲氣を醸し出すことで
相手から声を掛けてくれるようなシーンを
創り出していたのだと思います。
そして。
タイムリミットの午前零時になると
全ての魔法が消えてしまうから
その場を立ち去ろうとするシンデレラは、
「このままじゃ、素敵な人がいたってだけで
王子様に何もアピール出来ないわ。
私のことを王子様の脳裏に焼き付けるような
何かヒントになるものはないかしら。」
と考えていて、
そこでひとつの賭けに出た。
おそらく、
ガラスの靴だけは零時になっても
そのまま消えないだろう
と。
階段を下りながら
瞬時にこんな戦略を立てて
さりげなくガラスの靴を脱いで
去って行く…。
結果として、
この戦略が大成功し
王子様と結婚することに。
こう見てみると、
シンデレラは
相当頭が切れる人だったのでは？
と思います。
余談ですが、
Charles Perraultの原作において
シンデレラは、
王子様の家来の持ってきたガラスの靴を
するりと履いたあと、
もう片方の靴を取り出して、
自ら履いている。
と、あります。
片方のガラスの靴を持っているならば
王子様がガラスの靴の持ち主を探している
という情報が流れてきたときに
自ら名乗り出してもいいはずなのに、
あえて！
先方に探させて感動のシーンを演出。
そりゃあ、
男のほうも
ようやく見つけ出した運命の人！
ってなって、舞い上がってしまいますよね。
シンデレラをナナメヨミして
学べることがあるとすれば、
さりげなく
洗練されたアピール
です。
商品を販売するとき
誰かにアピールしたいとき
やたらめったら
アピールしていたら
引いてしまいます。
それよりも
「あれ、良いらしいぞ。」
と興味を抱かせて
先方に
「これは、私が自ら選んだ！」
と思わせるような
さりげなく洗練されたアピールが
お互いに上手くいくために
大切なことじゃないかなと思います。
これは、
あくまでも私がナナメヨミしたシンデレラ。
あなたなら
どんなナナメヨミをしますか？
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