実は力加減の問題?
「本人は叩いたつもりはないのに、相手を叩いたことになってしまった」
「おもちゃを投げているつもりはなく、片付けているつもりなのに、壊してしまった」
「他の子の作品を見たくて手に取っただけなのに、壊してしまった」
こうした子どもの行動、身に覚えがある方も多いのではないでしょうか?
これらは決して“わざと”ではなく、「力の加減」がうまくできていないために起きていることが多いのです。
力加減は「経験」で育つ感覚
子どもが力を調整できるようになるためには、「自分がどれくらいの力を出せるのか」を知ることが大切です。
それには、思いっきり体を動かす経験が欠かせません。
たとえば──
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公園で全力で走る
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思い切りジャンプする
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ぶら下がる、登る
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ボールを思いっきり投げる
こうした「粗大運動(大きな動き)」を通して、自分の“最大の力”を体で知ることができます。
そして、「最大」を知ることで「これくらいなら優しくできる」「このくらいで持てば壊れない」といった適切な力加減=力のコントロールが身についていくのです。
これは一度で身につくものではありません。何度も繰り返す中で、徐々に育つ感覚です。
座っていられない子も、実は同じ感覚の問題かも?
力の調整が苦手な子は、座って活動するのが難しいこともよくあります。
これは、「固有受容感覚」=筋肉や関節の動き・力を感じる感覚が未発達だったり、十分に刺激されていないために起きることがあります。
この感覚が満たされていないと、体が落ち着かず、ソワソワしてしまったり、集中しづらかったりします。
そんなときは、いきなり「座って!」と指示するのではなく、まず体をしっかり動かす時間を作ってから座るようにしてみてください。
走る・跳ぶ・押す・引っ張るなど、全身を使う動きを通して筋肉や関節に刺激が入ることで、自然と「座る準備」が整い、集中力も高まりやすくなります。
「そんなつもりじゃなかったのに」を受け止めて
子どもが物を壊したり、人を叩いたりしたとき、大人はつい「ダメ!」「どうしてそんなことをするの!」と叱ってしまいがちです。
でも、子どもの行動の裏には、必ず理由があります。
その行動が「わざと」ではなく、「力の調整がうまくいかなかった」ことによる結果だとしたら、どうでしょうか。
まずは、たっぷり体を動かせる環境を意識すること。
そして、少しずつ「ちょうどいい力加減」を学ぶ機会を日々の中に作ってあげることが、子どもにとって大きな助けになります。
おわりに
「そんなつもりじゃなかったのに…」という子どもの言葉。
それは、自分の体の感覚をまだうまく扱えない、発達の途中であることのサインかもしれません。
思いっきり遊ぶ経験を通して「ちょうどいい」を知っていくことで、子どもは自分の体をコントロールできるようになっていきます。
力加減の難しさに困っているお子さんがいたら、ぜひたっぷり体を動かす時間を生活の中に取り入れてみてください。
その積み重ねが、やがて「自分の力を調整できる」という自信と成長につながっていきます。
少しでも悩んだことがあったらぜひ相談してください。
いつでもあなたの悩みを聞きますよ!
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