言葉の響きで訪れた方、残念ですがあなたの期待している美女は一切出てきません。
今回のお話、かく言う私も「美人投票」という言葉に引き寄せられて見た事がキッカケだったんですけどね・・・(笑)
私の下心とは裏腹にこの「美人投票」ってのは、20世紀最大の経済学者、ジョン・メイナード・ケインズ氏が発表した理論らしいのです。
0r, to change the metaphor slightly, professional investment may be likened to those newspaper
competitions in which the competitors have to pick out the six prettiest faces from a hundred photographs,
the prize being awarded to the competitor whose choice most nearly corresponds to the average preferences of the competitors as a whole; so that each competitor has to pick, not those faces which he himself finds
prettiest,but those which he thinks likeliest to catch the fancy of the other competitors, all of whom are
looking at the problem from the same point of view.
It is not a case of choosing those which, to the best of one's judgment, are really the prettiest, nor even
those which average opinion genuinely thinks the prettiest.
We have reached the third degree where we devote our intelligences to anticipating what average opinion
expects the average opinion to be. And there are some, l believe,who practise the fourth, fifth and higher
degrees.
訳:
比喩を少し変えていえば、玄人筋の行う投資は、投票者が100枚の写真の中から最も容貌の美しい6人を選び、その選択が投票者全体の平均的な好みに最も近かった者に賞品が与えられるという新聞投票に見立てることができよう。この場合、各投票者は彼自身が最も美しいと思う容貌を選ぶのではなく、他の投票者の好みに最もよく合うと思う容貌を選択しなければならず、しかも投票者のすべてが問題を同じ観点から眺めているのである。ここで問題なのは、自分の最善の判断に照らして真に美しい容貌を選ぶことでもなければ、いわんや平均的な意見が最も美しいと本当に考える容貌を選ぶことでもないのである。われわれが、平均的な意見はなにが平均的な意見になると期待しているかを予測することに知恵をしぼる場合、われわれは三次元の領域に到達している。さらに四次元、五次元、それ以上の高次元を実践する人もあると私は信じている
※かっこよく原文と訳を載せてますが、丸々引用なので「訳が合ってないよ」って文句は言わないように(笑)
で、この訳文を読んで思うのです。
「これっておかしくね?」と・・・
20世紀の偉大なる経済学者の発言に、一個人のバカが挑むんですからまあ無謀ではありますが・・・
要するに「自分が美人と思う人に投票するのでは無く、参加者の多数が選ぶであろう美人に投票すべき」という事ですよね。
現に、「ケインズの美人投票」で調べると、「自分が美人と思う人に投票するのでは無く、参加者の多数が選ぶであろう美人に投票」、この部分だけがクローズアップされてます。
でも、
ケインズさんはこう指摘してます。
>>自分の最善の判断に照らして真に美しい容貌を選ぶことでもなければ、いわんや平均的な意見が最も美しいと本当に考える容貌を選ぶことでもないのである。われわれが、平均的な意見はなにが平均的な意見になると期待しているかを予測することに知恵をしぼる場合、われわれは三次元の領域に到達している。
つまり、「自分が美人と思う人に投票するのでは無く、参加者の多数が選ぶであろう美人に投票」という結果を導き出した時点では、三次元的解釈で止まってしまうよと言ってるんです。
自分の最善の判断で選ぶ美人、みんなの意見で選ばれるだろう美人、みんなの選ぶであろう美人の判断基準は何かと考える行為、これら全ては平均的な意見であり、そのために知恵を絞る行為は単に三次元の領域でしかない。
じゃあ三次元の領域とは「辿りつくべき正しい答えであり判断」なのでしょうか?
これについてケインズさんはこう話します。
>>さらに四次元、五次元、それ以上の高次元を実践する人もあると私は信じている
少なくとも四次元、五次元もしくはそれ以上の実践者がいる訳ですから、4段階評価で分けてみると、
それ以上・・・100点
五次元・・・・・75点
四次元・・・・・50点
三次元・・・・・25点
つまり、
「自分が美人と思う人に投票するのでは無く、参加者の多数が選ぶであろう美人に投票」という部分だけで終わったら、まあ大多数の平均レベル・・・!?
って・・・25点しかないから、平均より下になってしまいますね・・・
大多数の参加者の「平均レベル」と思われる考えや実践は、市場においては25点。
この点数は明らかに市場での勝者と敗者を分ける点数でしょうから、結果としては敗者確定になりそうです。
だとすれば、「自分が美人と思う人に投票するのでは無く、参加者の多数が選ぶであろう美人に投票」だけでは駄目、平均的な考えの三次元では無く、四次元、五次元、もしくはそれ以上の実践が必要になるということになりそうです。
断っておきますが、ここから先のお話は、私個人の解釈ですから文句をつけないで下さいよ。
四次元、五次元もしくはそれ以上の実践とは、「ケインズさんが例えた美人投票とその仕組み」から「こうも考えられる」という合理的解釈を導き出す者全てに与えられるのですから。
私はこの文章を読んで真っ先に思ったのは、「美人投票の投票期間と一票の重み」を無視している事に驚いたんです。
調べてみるとケインズさん、世界恐慌で資産をフッ飛ばしてるものの、その後ちゃ~んとリターンを叩き出している。
だから、その言葉の重みは経験上の重みなんです。
だとすれば、なおさら「美人投票」に例える事がおかしいのです。
それは先に書いた「美人投票の投票期間と一票の重み」が考慮されていないから。
一見公平に見える美人投票は、実は特殊な事情があるのです。
①投票期間
単純な事です。
「その美人投票における勝者はいつ発表されるのですか?」
1ヶ月後ですか?それとも1年後?それとも100年後でしょうか?

上記画像は1896年から続くダウ平均です。
少なくとも美人投票は、2014年の今現在で118年目を迎えています。
(当然エントリーする美人女性は、途中参加(上場)と途中棄権(倒産)も含まれるので単純に118年とはいきませんが・・・)
「じゃあ、結果発表はいつなのさ?」となりませんか?
そうなんです。
投票期間は参加者全てが同じではないという事実が存在します。
1年という期間で勝者を決める場合、10年という期間で勝者を決める場合、この期間設定で自ずと結果が変わることになるのです。
その投票期間の設定は、参加者の自由意志で決められるということになるのです。
だから日々の投票は、常に同じ投票期間で票をいれている参加者だけで動いている訳ではない分、思惑が入り乱れてしまう事になるわけです。
そうまさに、
「今は冴えないけど、1年後は・・・」→挽回チャンスはありそうかも。
「今は冴えないけど、1週間後は・・・」→挽回するには絶望的かも。
こんな状況も考えられるわけです。
②一票の重み
単純な美人投票では、参加者の一票は皆公平になります。
「あなたの一票は他の人と違って×100票の重みにします」
なんてことになったら公平さが失われるでしょう?
でも実際は、「この不公平さ」の存在する美人投票になってるのです。
投票期間が同じ参加者の8割が、Aさんに票を入れ、残りの2割がBさんに票をいれました。
結果はどうなりますか?
単純に考えればAさんの圧勝に終わるのですが、実際のところ8割の票を獲得したAさんが落選し、Bさんがグランプリに輝くという可能性があり得るのです。
これは投票参加者の自由意志で、一票の重みを変える事が出来る自由があるからに他なりません。
この一票の重みの違いで有名なのが、ジョージソロスのポンド売りでしょう。
彼は100億ドルのポンド売りで、イングランド銀行を潰した男として異名をとりましたが、まさに一票の重みの違いを巧みに利用し、投票期間の短い他の参加者の票を上乗せさせるという方法で莫大な利益を手に入れたということです。
まあ、他にも色々と考えられる事もありますよね。
例えば、美人投票は単純に美人にだけ票を入れてその得票数で結果の出るものですが、実際はその票を押し下げる票を入れることも出来るとか。
他に実際の美人投票と違い、複数回の票入れも許されているなど・・・
まあ、これ以上は面倒くさいので辞めます。
今回の美人投票のお話は「雇用・利子および貨幣の一般理論」に出てくるらしいのですが、私は超読む気がしません。
どうせ判らないし・・・
でも、美人投票のくだりの四次元、五次元、それ以上の高次元を実践についてのヒントは、この本の他の部分にに書かれているのでしょうかね?
まあ、美人投票に例えるくらいですから、ケインズさんは真実は一切喋らずだと思うのですけどね・・・
もくじへ戻る(クリック)
