女子大生怪奇倶楽部の記憶3
7月16日(月・祝)
「非情!野球拳女」倖田李梨、梅野渚、藤田浩
監督宅近所の公民館がロケ地。この日は初の一日で1ネタの日。だから多少気持ち的には、楽なのだが撮影内容が相当ヘビーな「非情!野球拳女」の撮影。
野球拳女に扮するのは倖田李梨。倖田李梨さんは、ピンク映画のスターでピンク映画大賞女優賞2年連続受賞した実力派。2011年の秋ごろに撮った「血まみれ風呂屋」(「女子高生のはらわた」の同時収録作品として撮影、好評販売中)に主演して下さったのだが、その時の役名は「フンドシ女」、今回の役名が「野球拳女」。両作ともご覧頂いた方はお分かり頂けると思うが、完全に同一人物だ。
「血まみれ風呂屋」という映画はメーカーからビックリするくらいの少ない予算(親戚が多い高校生のお年玉総額程度!)で「エロい映画撮って」と言われて、時間もお金も人脈もない(「血まみれ風呂屋」で初めておっぱいを撮った)中で撮った映画なのだが、意外にも好評で、下手したら「女子高生のはらわた」よりも評判がいい。その中でやはり多いのが倖田李梨の天真爛漫な殺人鬼への高評価だ。2匹目のドジョウではないが、またあのキャラクターに会いたかったのでプロットでは8話の中で一番最初にプロットを書いた作品だ。特に最後に野球拳女が発する台詞は倖田さん自身の普段のキャラクターから着想した台詞で、このカットを撮りたい為に「女子大生怪奇倶楽部」を撮影したと言っても過言ではない!
野球拳というからには当然対戦相手が必要な訳で、被害者役を演じて下さったのが梅野渚さん。被害者役と書いたがこの役柄も癖のある人物で、パチンコで借金を作ったが返そうとしないクズみたいな性格をしている。知り合いの演出家や監督に見せると「あの子(梅野さん)の演技がいいね」と言われる。やる気が無い(もちろんそういう芝居)の不思議な演技は、キャラクターの裏打ちになっており厚みが出ている。
ヤクザ役を演じて下さったのは、藤田浩さん。藤田さんはVシネやピンク映画に出演されている俳優さんでヤクザ役が非常に似合っていた。普段は優しい方なのだが、現場でスイッチがONになった途端にヤクザになりきっていて見事だった。
ちなみにチンピラ役で登場するのは、特殊メイクのお手伝いに来た大森君だ。チンピラ役は当日まで誰がやるか決めてなかったのだが、副監督セッキーが当日朝に現場に来てた大森君を見つけて「彼でいんじゃね?」と言い出したので、チンピラ役に抜擢された。特殊メイク関係者は一瞬の彼の出番を是非見逃さないようにして頂きたい。
撮影は翌週の土日に入る。ちなみに、この合間の7月18日は監督の誕生日だが、ケーキどころが誰からも誕生日メールすら届かなかった。低予算映画監督の現実とは、なんとさみしいものか。いや低予算がどうのじゃなくて、俺の人徳が無いだけか。
7月21日(土)
この日は最後の2本立てDAY、吉祥寺での撮影だった。
「怪奇!ストーカー幽霊」村田唯、紅井ユキヒデ、江沢英利、曽根浩貴
前半戦は「怪奇!ストーカー幽霊」は「女子大生怪奇倶楽部」の最初のエピソードだ。アイドル役を演じたのは、村田唯さん。井口昇監督の「ロボゲイシャ」公開時に「ロボゲイシャ―ガール」オーディションで選ばれ、その後、井口監督作品などで活躍されている女優さんだ。空気を読めないアイドルゆいぷる役(もちろん本人は凄く空気の読めておしとやかな女性)なのだが、この難しい役どころを自分の経験(実は高校生時代地元でローカルアイドルをやられてたそうだ)を生かして熱演してくれた。あんなアイドルどうやっても人気出ないだろうなぁー(笑)
ゆいぷるのマネージャー役は紅井ユキヒデさん。紅井さんはジャンル映画俳優で、何と言っても代表作は西村喜廣監督の「東京残酷警察」だ。実は紅井さんはある映画祭で「血まみれ風呂屋」を上映した際にお客さんでいらしてくれて大恐縮したのが出会いだった。普段はエキセントリックな役ばかりなのだが、ゆいぷるに対するツッコミ役みたいな部分が強いので、珍しく常識人の役で「俺にこんな配役する人珍しいよ」とご本人からツッコミを頂いた。
幽霊ストーカー役は江沢英利さん。世界の映画祭で爆笑をさらっている山口雄大監督の超面白い映画「TEBANA SANKICHI」(雄大さんのライフワークあの「手鼻三吉」の長編映画版!)で坂口拓さんに次ぐ2番手(!)のトゥワイス志郎に選ばれたシンデレラボーイだ。ビジュアルのインパクト抜群で強烈な印象を残してくれた。ちなみにアイドルファンのライブでの動きを指導してくれた。香り立つ”本物臭”がたまらない。
試写で作家の中沢健さん(a.k.a.動く待ち合わせ場所)にご覧頂いた所「実は自分の知り合いに本当に幽霊のストーカーがいるアイドルがいるんですよ」と言われてビックリした。実際の世の中は俺の貧困な発想力よりも奇天烈なのかもしれない。
「地獄!体育会系けいおん」文月、池知佐子、一紗晴
まず、ご注意頂きたいのが「体育会系けいおん」であって「体育会系けいおん!」ではない「!」マークを付けると商標的に怪しくなってきてしまうのだ。別に何かを言いたい訳ではないが「!」マークがついてなければ、日常的に使う日本語を平仮名表記しているだけでなんら問題はない!だから京アニさん、並びに某アニメの熱狂的ファンの皆様、どうか怒らないでね★
被害者役の文月さんは「ラーメン女優」という日本で唯一の新しいカデゴリーの発案者!笑 いじめられる役だったが、実際には男前でサバサバしていて、むしろいじめる側なんじゃないかぐらいだ(気配りしてくれて優しいですが…)。文月さんがされる被害の特殊メイクは特殊メイク土肥さんが珍しく自画自賛しちゃうくらい良い出来なので、是非じっくりご鑑賞頂きたい。先ほど俺の誕生日にはお祝いメールが誰からも来なかったと書いたが、そうツイッターでぼやいたところ「じゃあ働いてるバーに来てよー」と返信が来て、キッチリお代を払ってお客さんになってしまった…商売上手だ。
いじめる側は池知佐子さん。池さんは大学の後輩で、俺の卒業制作でもあった「女子高生のはらわた」のエキストラ募集のチラシをキャンパスで受け取り連絡して来たのが出会いで「女子高生のはらわた」ではわざわざアクションチームの稽古に参加して熱心に演じてくれた。その熱演は「女子高生のはらわた」DVDがアマゾン等々で発売中なので是非、ご購入いただきご確認頂いたい、是非!大学の後輩と言えど、在学中はほぼ面識はなかったのだが「女子高生のはらわた」でのインパクトから、2本目の自主制作映画を撮る時に「池知佐子を主演で撮りたいなぁ」と思い撮ったのが「人喰いメイドと殺人ナース」だ。殺人ナース役で図太い演技を披露している。その熱演はアマゾ・・・おっと「人喰いメイドと殺人ナース」はまだソフト化していなかった・・・。「人喰いメイドと殺人ナース」は映画祭等々で上映するかもしれないので、俺のツイッターや映画の宣伝アカウント「@HitoguiM」をこまめにチェックして頂けたら幸いです。そんなこんなで俺の最新作「裸の修道女」にいたるまで最多出演の女優だが、特にこの「体育会系けいおん」での池さんは爆発している。その熱演は「女子大生怪奇倶楽部」DVDがアマゾン等々で発売中なので是非、ご購入いただきご確認頂いたい、是非!!
7月22日(日)
「恐怖!人喰い巨大ザリガニ」緒沢あかり、浜尾京介、若林美保、石下ゆか、新垣優衣
撮影もいよいよ最終日。にして、外ロケが一番長くシンドイ「恐怖!人喰い巨大ザリガニ」の撮影だ。ロケ地は多摩川の奥の方、俺だけ制作車で行ったが遠かったし、電車で来たスタッフキャストも遠いって言っていた。総合的に判断すると、ロケ地が遠かった。いや、遠かった。
朝一で河原でのリポーターのシーンの撮影。実は諸般の事情(遠いし!)でこの瞬間までロケハンが自分の目で出来ていなかったので、このシーンのリハーサルを持って本編のロケハンにするという無茶苦茶な行動に出た。まぁ河原で暗いし、どこでも大した差はないですよ…。このシーンで、ある映画のタイトルにひっかけたギャグを入れてるのだが、いまいち伝わっていない気がする。
ベース兼控室兼ロケ場所の公民館に戻る。妙に施設が整っていて快適な和室だった。ここでインタビューシーンの撮影。インタビューされるのは、緒沢あかりさんと浜尾京介さん。緒沢さんは大畑創監督の「ハカイジュウ」PVとかに出てる美人な女優で、浜尾京介さんは元戦隊モノの俳優で最近では「タクミくん」シリーズというBLっぽい映画に主演している。
浜尾君に演じて貰った完全に間違ってるイケメンは、実は俺のツイッターでの「#エア口説き」という謎の遊びが元ネタになっている。エア口説きとは、たまにいる女性を臭すぎる口説き文句で口説く男は、実はその女性に対しての好意を表しているのではなく、臭い事言ってる自分に酔っているナルチシズムなんではないか?いわゆる「君の瞳に映る俺に乾杯」なんではないか?という思想のもと、だったら相手すらいらないんじゃない、エアでいいじゃんエアで!という遊びだ。彼が相手の女性の反応が素っ気なくても、空気を読まずに臭い台詞を連発しているのは、実は口説いているのではなく「エア口説き」をしているからだ。この配役について後に打ち上げで泥酔した監督の俺自身「イケメンの無駄遣い」と称したそうだ…。いや面白いから無駄遣いじゃないと思うよ!笑
このインタビューシーンをもって岸田姉妹はクランクアップ。唯一全日程参加した訳だが、実はリポーター自身は怪奇現象を目撃するチャンスが少ないので、奇人変人にインタビューばかりするという謎の仕事だっただろう。彼女たちにとって、この仕事はどういうい記憶になったのだろうか?良い記憶であって欲しいと切に願う。
インタビューシーンを撮り終えて丁度お昼時から夕方、日没まで次の撮影が出来ない。という不合理な撮影スケジュールを組んだのは、実はこの日このタイミングで監督自身が車で機材を返却しないといけなかったのだ。ほぼ神奈川県の多摩川から埼玉県の川口まで、撮影と撮影の合間にひと往復し、更に土肥さんのアトリエにダミーやら土肥さんやらをピックアップしなくてはいけなかった。そのせいで、緒沢さんと浜尾くんには4時間以上の待ち時間があった訳だが、更に申し訳ない事に渋滞で到着が遅れて待ち時間が伸びてしまった。
監督が往復から現場に戻ると「実際の映像」の撮影だ。
ザリガニに襲われるコーチ役は若林美保さん(通称ワカミホさん)、実力派のストリッパーさんで舞台やVシネに多数出演する売れっ子だ。ちなみに衣裳で着てる浴衣は、スタッフの女の子の私物だ(なのに汚してごめんねKさん)。和服の似合うワカミホさんのお姿は「女子大生怪奇倶楽部」DVDがアマゾン等々で発売中なので是非、ご購入いただきご確認頂いたい、是非!(いい加減しつこいですか?)。コーチに恋心を抱く同性愛者の女性約役は石下ゆかさん、「ショートカット・ファンクラブ」という学生残酷映画祭の作品に出てた女性、現在はOLをしながら演技をなさっている。友人役で中学の同級生が出てくれた。新垣優衣さんだ。あの!新垣優衣さんだ!詐欺ではない、間違いなく新垣優衣さんだ!まぎれもなくご本人の本名なので、どうしてもギャグにしたくて、全員の名前テロップの後に(仮名)と入れているのだが、新垣優衣さんだけ(本名)にしてある。これこそ、誰にも指摘されてないネタなので皆見逃していると思う。このひとギャグの為にわざわざ遠くの多摩川まで来てくれた中学の同級生新垣さんと更に新垣さんのご友人に厚く御礼申し上げます。
「恐怖!人喰い巨大ザリガニ」がどういう内容かは説明しないでもご理解頂けると思う。
わずか5日間で撮りきれたのは、役者さんたちが台詞を覚えてきてくれたのでNGが少なかったからと、スタッフが優秀でテキパキ動いてくれたからだ。監督はと言えば、いかに現場でボケるかしか考えていないのでむしろ現場のスピードを下げていたのかもしれない。
映画を撮るのは一大イベントだが、そこで満足してはいけない。多くの人を巻き込んだ以上、より良いものにするべく編集し完成させ、観客に届けなければ、それは映画ではない。集団戦は終え、ここからは監督個人戦へとシフトしていく。
気づいたら5000文字にもなっているので、個人戦の模様はまた次回。
【告知】
「女子大生怪奇倶楽部」&「裸の修道女」
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013にて公開決定!!
2013年2月24日(日)夕張商工会議所にて!
西村映造プレゼンツ 復活フォーラムシアター!内で。
ゆうばりで俺と握手!!!