先日、母に誘われて映画「レ・ミゼラブル」を見て来ました。
以下、個人の感想です。
消化不良気味の偏った感想をだらだらと書いています。
ネタバレに配慮していません。
原作未読、ミュージカルも見ていません。
暗い映画だった‥。影響されて2,3日鬱鬱としました。古典の名作のロングランミュージカルの映画化ということで、内容知っておこうかなという軽い気持ちで見に行ったのに…。
後半にぽっと出のマリウスとコゼット以外、大体の人は不幸に死んでしまう。そして幸せになる2人は特に感情移入するところがなかったので、何というか、カタルシスが得られない映画…。ジャン・バルジャンの魂は救済されたのかもしれないけど、でも、悲惨な人生で見ていて辛い。
そもそもパンを盗んだだけで服役20年だなんて意味がわからない。そんな軽微な犯罪で一体どういうこと…。脱獄で罪が重くなってるようだけど、でも、パンを盗んだだけでしょう~。フランス史や時代背景、よく知りません。この時代はパンを盗むというのがそんな重罪だったんでしょうか?あまりにも理不尽で、うーん…。
コゼットの母親のファンティーヌが工場を解雇された後、身を持ち崩して病気になって悲惨な最期を迎える前半のクライマックスは、見ていて本当に気分が暗くなりました。髪を売って歯を売って身を売って身体を壊して死んでいく。暗い画面で暗い描写。アン・ハサウェイがいい女優さんになったなーとは思ったけど、悲惨すぎて衝撃を受けた。
ジャベール役のラッセル・クロウはかっこ良かった…。
人生を選べなかったという点でジャベールが一番気の毒に感じます。ジャン・バルジャン、ファンティーヌは追い詰められたにせよ、自分で足を踏み外す一歩を選んでいると思うので。彼は選べない出生から悲惨だし、信じていた世界が崩壊して自殺するしかなかった最期まで悲惨だし、一番不幸なんじゃなかろうか。
後半は可愛いガブローシュから始まって、若い学生たちがたくさん出てきて明るい雰囲気と見せかけて、話としてはどんどん追い詰められていって息苦しい。だってマリウスに思いをよせるエポニーヌも、小さなガブローシュも、学生たちも、悲劇的に死んでいく…。
エンドクレジットで好きな女優さんのヘレナ・ボナム・カーターが出ているのに気づきました。
それにしても、レ・ミゼラブルは何故こんなに一般に受けているのでしょうか。私は人生はじゅうぶんにハードだと思っているので、せめて余暇は楽しみたく、けれどもレ・ミゼラブルを見ても考えさせられるけれど楽しいという気分にはならず。
ミュージカルがロングランということは、これを観劇することが楽しい、何度も見る価値があると思っている人がたくさんいるということで‥。時代に翻弄されつつ懸命に生きた人々の姿に感動するということ?
映画を一緒に見た母は、「フランスが素敵だった。フランスがますます好きになった。学生たちカッコ良かったね!」って言っていました‥。
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「レ・ミゼラブル」
2012年 イギリス
監督 トム・フーバー