先月、森美術館のフレンチ・ウィンドウ展 デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線
を見てきました。(8月28日で会期終了)
フランスの現代アートの賞、「マルセル・デュシャン賞」10周年記念とのことで、デュシャンと、デュシャン賞受賞作家、デュシャン賞最終選考作家の作品が展示されてました。
デュシャンの有名な作品?である「泉」(既製品の便器)は、芸術って何のこと?と考えさせられ。それが狙いなのだろうけど。これが初出品されたときの美術館の人たちは困っただろうなぁ、と気の毒に思います…。
気になったのは,
ディディエ・マルセル
「無題(メゾン・ルージュ)」
「無題(キャンバス)」
期間中、六本木ヒルズのエントランスの植込みに展示されていた馬車も彼の作品です。
うまく言えないけど、影を立体化したみたいで面白い。
サーダン・アフィフ
「どくろ」
フロアに置かれたどくろが鏡のようにメッキ加工されていて、天井のモザイクを写し込むのだけど、それがまたどくろの形に見えます。
フィリップ・ラメット
「非合理的熟考」
「海底の合理的探求(昼寝)」
「合理的浮上」
「海の合理的探検(到着)」
カラー写真ですが、空中に人が浮いていたり、海の上を歩いていたり、“合成でしょう…”というような構図を、合成じゃなく大がかりな仕掛けで作っているんだそう。
気球で釣られて浮いたように見せたり、海にアクリルを沈めてその上を歩いたり。でも、作品には仕掛けは写ってないから、単に見るとやっぱり“合成じゃないの?”っていう。労力がかかってるけど、そうは見えないという、バカバカしい情熱が素晴らしい。
セレステ・ブルシエ=ムージュノ
「フロム・ヒヤー・トゥーイヤー」(記録映像)
ぶつかると音がなるようにしたハンガーだらけのスペースに、鳥と餌皿を入れた記録映像。鳥が羽ばたくとハンガーが動いて音が出て、ハンガー同士もぶつかり合って反響して…という作品。これ、生で見たらもっと面白いはず。実際の展示を見たかったなぁ!
現代アートはよくわからないものも多いけれど、見ると面白いです。