tshellのブログ

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「鉄道」特に「撮り鉄」と「乗り鉄」を紹介します。

500系新幹線は、時速300キロ運転の実現を目指してJR西日本が1997年(平成9年)に投入した斬新なデザインの新幹線車両です。



なんと言っても目を引くのが15メートルの尖った先頭形状で、キャノピーの様な運転室、円形断面の車体、それまでとは全く違ったカラーリング と相まって、新時代の新幹線を強烈にアピールする衝撃的なスタイルでした。



見た目だけでなく技術的ににも数々の新機軸が採用されて乗り心地も向上し、東京—博多間の「のぞみ」で初めて5時間を切る4時間49分運転を実現しました。


【博多駅に到着する500系】


しかし東海道新幹線で花形として活躍した期間は案外 短く、1999年には700系の登場で次第に主役の座の移行が始まり、2007年にN700系が登場すると「のぞみ」運用は急速に減ってゆき、2010年にはついに東海道新幹線から姿を消し山陽新幹線内のみの運用となりました。


【新大阪駅に到着する500系】



あれだけの新技術を満載し「のぞみ」で東京—博多間の所要時間を大幅に短縮し、新幹線車両の中でも人気がダントツなのに、何故わずか10年強で東海道新幹線の主役の座を譲らねばならなかったのでしょうか?


【博多南駅で乗客を下ろし博多総合車両所へ引きあげる500系】



その最大の理由は、先頭車の客室が狭く( 短く) 700系やN700系と座席配置が違うため、指定席券販売上と車両運用上の制約があったことです。また500系は新造コストが高いため、より価格を下げ且つ性能は落とさない,  そして騒音を下げた新形式の開発をJR東海は選んだのです。

【先頭車の客室が狭く(短く) 運転席側に客用乗降ドアが無い】



こうして「のぞみ」は700系とそれに続くN700系で統一することになり、500系は東海道新幹線を去ったのです。


【新下関駅に停車中のエヴァンゲリオン500系】



山陽新幹線区間に閉じ込められた500系は、8両編成に短縮されて「こだま」にて運用されていますが、人気は相変わらずで 一部は「エヴァンゲリオン」カラー (2018年終了) や「ハローキティ」カラーにに塗り替えられて山陽路を駆けています。


【新大阪駅でドクターイエローと並んだ500系】


しかし登場からすでに25年経過し、そろそろ引退も取りざたされているので、撮り鉄、乗り鉄は早めの方が良さそうです。