坂本龍馬(野球、ラグビー、映画、筋肉)ブログ -86ページ目

坂本龍馬(野球、ラグビー、映画、筋肉)ブログ

メインテーマは野球、ラグビーを中心としたスポーツと映画です。

サブテーマとして、トレーニング、筋肉、書籍。ドラマ。料理のことを記事として掲載しております。


作家黒木涼氏といえば、邦銀、証券会社、総合商社で長く国内外のファイナンスビジネスに携わった後、国際協調融資をめぐる攻防を描いた「トップ・レフト」でデビュー、「巨大投資銀行」「エネルギー」「排出権商人」「アジアの隼」「鉄のあけぼの」「法服の王国」「ザ・原発所長」「トリプルA」等々、ビジネス小説の著書が多数ある私が好きな小説家の1人です。

同氏の著書は殆ど読みましたが、「排出権商人」は代表的著作で、とても面白い本でした。

〜書籍概要〜

《あらすじ》
空気が大金に化ける。これが「排出権ビジネス」の実態だ!

温室効果ガス削減か、排出権の購入か。
温暖化防止の美名の下で生まれた、まったく新しい国際ビジネス。

利権に群がるしたたかな商人たちの、ターゲットは日本──。世界11ヵ国に及ぶ徹底した取材で描く、緊迫のリアルフィクション!

排出権(カーボンクレジット)。それは温室効果ガスを「排出する権利」。京都会議で、実現不可能な排出削減目標を負った日本は、莫大な金額で外国から「排出権」を買わなくてはならない。国民負担は、5年間で1兆円──。

新日本エンジニアリングの松川冴子は、地球環境室長として排出権ビジネスの開拓を命じられる。
巨大排出権市場・中国を奔走する冴子が、見たものはなにか。
(Amazon 内容紹介より)

《著者》
黒木 亮

《初版》
20019年11月


〜所感〜

排出権取引について、言葉としては聞いたことがあっても、全く知らない世界でよく分かっていませんでしたが、この本で状況を・整理でき、更に同時に問題意識を持つようになりました。

環境保護の美名の下に群がる巨大利権が生まれている実態、日本がいかに諸外国から不利な条件を飲まされているか...日本はこんな所でも不利な立場を背負わされているんですね。

 この小説で頻出される言葉、「排出権」のキーワードである「CDM(Clean Development Mechanism=クリーン開発メカニズム)」は以下の定義となります。

……………………………… 

国連気候変動枠組条約の第3回締約国会(COP3)において採択された「京都議定書」で規定された市場メカニズムを活用する柔軟措置の一つです。

非付属書Ⅰ国(途上国)で温暖化対策のプロジェクトを行い、当該プロジェクトを実施しなかった場合と比較して、追加的な排出削減があった場合、その排出削減量に対してCER(クレジット)が発行されます。

プロジェクトの実施によって得られたCERを付属書I国(先進国)の排出削減目標達成に用いることができます。

CDMプロジェクトの実施は、温室効果ガスを削減(又は吸収)するとともに、途上国に対し、先進国の進んだ環境対策技術・省エネルギー技術等の移転促進を目指しています。

………………………………

温室効果ガスの削減目標が高いし日本や日本企業は、削減目標を達成できる可能性は低く、その穴埋のために多くのCERを購入しなければならないのです。

1997年12月京都会議(第3回締約国〈COP3〉)において、日本は、1990年比で第1約束期間(1998年~2012年)で6%削減義務を負うことになりました。

日本には著しく不利な約定でした。日本は「排出権商人」出版時、2009年で1990年比プラス7%位て、結果。2012年どうなったかというと多額の排出権を購入せざるを得なかったようです。胚珠権が足らない場合、第2約束期間でペナルティを負い更に不利な約定をしなければならなくなる事もあったようです。

当時の会議で決められたことの問題点は、

①ニ度の石油ショックと円高不況で1980年代から省エネを進めた日本にとって、米国やEUと比べて削減余地は限りなく少なくなっていた。

②EUでの排出量1位のドイツでは1990年は東西ドイツ統一直後で東ドイツの省エネレベルが低く、第2位イギリスでは1990年代に発電用燃料を天然ガスに切り替えていた(EU全体の削減義務は8%)。基準年を1995年と主張した日本に対して、EU諸国は1990年を押し通した。

③自分たちは7%の削減をするから日本に6%削減の飲ませたアメリカは、土壇場で議定書の枠組から外れ、日本は梯子を外された。

④ロシアとウクライナの削減目標は1990年比でプラスマイナス0%等、削減目標設定が不公平。

⑤今や温室効果ガス排出量世界第2位の中国と上位のインドの削減義務が無いので、実効性が薄い(削減義務がある国の温室効果ガス排出量は全体の30%。

⑥地球温暖化対策はアメリカとロシアが言いだしっぺだが、「石油」から自国の保有資源でもある「石炭」と「天然ガス」に切り替えさせよういう思惑もあったのではないかと囁かれている。

⑦中国、インド、中南米等の「排出権」に群がる巨大利権がたくさん生み出されている。

⑧そもそも「地球温暖化説」は本当なのか?世界は壮大なペテンに踊らされているのか?
 
このような状況の中で、事もあろうに2009年9月22日ニューヨークで開かれた国連気候変動サミットで、当時就任間もない鳩山由紀夫首相が民主党の公約でもあった「2020年までに1990年比25%削減」を国際公約してしまいました。
「全ての主要排出国による公平な枠組の構築」「意欲的な目標の合意」が前提ではあります。

更に日本を襲った2011年3月11日東日本大震災と福島第1原発の事故で、反原発の動きが世界に広まり、地球温暖化対策どころではなくなった事情があった事に加えて、「再生可能エネルギー」を大々的に普及させようとする環境マフィアが台頭し始めました。
 
「原発」をどうしていくかと地球温暖化対策との兼ね合いは、よく考えられなければいけないことではある一方で、自然エネルギーの普及が環境ビジネスに絡む利権や金儲けに繋がってはいけない事です。

勿論地球温暖化対策に掛かる利権も同じことです。エネルギー問題は私たち地球に住む人間が向き合っていかなけれないけないことですが、日本はいつでもこの手のきな臭い事案では、いつも不利な条件を飲まされているイメージです。

今回のマスコミの過剰報道を中心にしたコロナ騒動も、トランプ大統領あたりから何か飲まされてるとか....ありもしない事を疑ってしまいます。

小説“排出権商人”は、それらが絡む問題点を考える契機にもなる本、内容でしたね。