夢の中の夢の中のそのまた夢の中の世界!〜インセプション | 坂本龍馬(野球、ラグビー、映画、筋肉)ブログ

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2010年夏、ニコラス・ケイジ主演“魔法使いの弟子”と並んで話題になったSF超大作“インセプション”(主演:レオナルド・ディカプリオ主演、共演:渡辺謙、等)についてです。

【作品概要】

 人がもっとも無防備になる眠っている(夢を見ている)間に、潜在意識の奥深くに入り込み、貴重な情報である他人のアイデアを盗む“エクストラクト”。この危険な技術において世界最高の腕を持つスペシャリストである産業スパイのコブ(レオナルド・ディカプリオ)は、その才能ゆえに最愛の者を失い、国際指名手配犯となってしまう。そんな彼に、人生を取り戻す唯一のチャンスとして“インセプション”というミッションが与えられる。
 大企業会長の斉藤(渡辺謙)の“インセプション”に失敗したコブは、逆に斉藤よりライバル会社新会長ロバートへの“インセプション”依頼を受ける。
 インセプション”は“エクストラクト”とは反対に、アイデアの芽を潜在意識に植え付けるという最高難度のミッション。このほぼ不可能とされる任務を成功させるため、コブは世界中からメンバーを厳選し、最強のプロフェッショナル集団を結成する。だが彼らがいくら周到に計画を立てようが、どれだけ優れていようが、計画を根底から揺さぶる“敵”の存在を、コブはひそかに感じ取っていた…。






原題:Inception
監督・脚本:クリストファー・ノーラン(代表作「ダークナイト」等)
製作:エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン
製作総指揮:クリス・ブリガム

キャスト:
レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョセフ・ゴードン=レビット、マリオン・コティヤール、エレン・ペイジ、トム・ハーディ、ディリープ・ラオ、キリアン・マーフィ、トム・ベレンジャー、マイケル・ケイン、ピート・ポスルスウェイト、ルーカス・ハース

配給:ワーナー・ブラザーズ映画
(アメリカ2010年 日本7月23日公開 148分)












【所感】

 映像は素晴らしいですし、ストーリー展開もスリル満点です。しかしながら、この映画は非常に難解ですね。難しい映画が好きかどうか、それと“潜在意識への働きかけ・植え込み”というテーマへの知識もしくは知識が無くても興味次第で、この映画は大絶賛されるか、敬遠されるかという評価が変わるのだと思います。という意味からすれば、難しい映画はわりと好きな方で、潜在意識にも興味があり実際に取り組みをしている小生にとっては、この映画はとても秀逸だったということになります。この作品は何度も見ることで理解できる事が多そうなので、実際2回目・3回目を見たときに、より強く本作品の良さを実感することになると思います。
 共演者は皆、過去揃って話題作に出演しており、結構豪華です。“山猫は眠らない”シリーズのトム・ベレンジャーは存在感ありました。あと“JUNO(2008)”でスターになったエレン・ペイジはコブのパートナーとして頼もしさの中に可愛さがありましたし(“JUNO”はDVDで前に見ました)、コブの元妻であるモル役のマリオン・コティヤールは“パブリック・エネミーズ”でのジョニーデップの相手役の印象が記憶に新しいです。渡辺謙は言うまでもありませんが、格好良かったです!


 諸種の仕掛けにより、コブら“インセプション”実行部隊は、斉藤のライバル会社の新会長ロバート搭乗の飛行機と同席になることに成功し、その後、①ロバートの“夢の中”⇒②“その奥の夢の中”⇒③“更にその奥の夢の中”⇒④“コブの夢の中”で、話は進んでいきます。
 なお作品中の解説によれば、夢の奥の階層に行けば行くほど、時間の流れは遅くなるとのこと(現実の数秒は1段階奥の夢で数分、更にその奥の夢では数十分~数時間、という具合)。

①現実:B747のファーストクラスのシート
②1段目:コブたちはロバートの(インセプション対策プログラムによる)護衛の強烈な攻撃を受け、斉藤が負傷。
③2段目:ホテルの中にいるロバートにコブが近づき、ロバートの夢のインセプション対策プログラムの護衛である旨を伝え、インセプション成功。
③3段目:白銀の世界、山麓にある要塞にロバートの父(元会長)の秘密が隠されており、ロバートはコブたちの力を借りて得ようとする。ここでも斉藤が負傷。また死んだはずのロバートの妻モルが現れ、想定外の展開に・・・。そのためコブは4段目の夢の中へ。
④4段目:朽ち果てた高層ビルが海辺突き出している場所の海岸から、コブはロバートを探しに行く。

 こんな感じで4層を行ったり来たりで、集中して見ないと、今どこの階層にいるかも時系列も分からなくなってしまいます。また映画冒頭からいきなり、コブの斉藤への“インセプション”があるので、最初から集中する必要があります。

 終わり方については、観る方により色々な受け取り方ができそうです。受け取り方によっては(ロバート、コブ、斉藤全てにとって)良い終わり方です。また、終わり方が微妙に続編ありそうな匂いを感じさせます。個人的には、2010年度の数ある大作・話題作の中では最も続編を期待したい作品です。

 例えば“ハリーポッター”のように、万人が絶賛する作品ではないかもしれませんが、好きな方(特に細かい設定に拘るSF好きな方)はとことんはまると思います。また繰り返し見る事でより面白い発見があり、逆に言えば、何度見ても楽しめる作品ではないかとも思っています。というより、何度も見て楽しむべき作品だと思います。夢に関する専門用語や独自のルール設定等、映画を一度見ただけでは理解しきれない奥の深さや精緻な設定があり、これを一度見ただけで終わらすのも、評価するのも勿体ない位の作品であることは間違いありません。