第85回選抜高校野球大会総括 前編【浦和学院初制覇!】 | 坂本龍馬(野球、ラグビー、映画、筋肉)ブログ

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第85回選抜高校野球大会は、4月3日水曜日、浦和学院の初優勝で終了しました。
少し遅くなりましたが、大会総括をしたいと思います。まずは前編として、
浦和学院優勝までの浦学目線での軌跡と個人的な所感について記載致します。


2回戦 対土佐 4対0
3回戦 対山形南 11対1
準々決勝 対北照 10対0
準決勝 対敦賀気比
決勝 対済美 17対1


対土佐戦、
相手チームの大声援、初戦の緊張感、ちぐはぐな攻撃で苦戦しました。ビッグプレーとなった2度に渡る二塁手贄君の好捕と遊撃手竹村君の落ち着いたフライ処理がなかったら、どうなっていたか分かりません。まだ2点差だった8回裏、山根君の中前打も大きかったと思います。左腕の小島君は投げづらい雰囲気の中、良く投げていました。

対山形南戦、
5回までは拮抗した試合でしたが、6回表4番高田君のフルスイングによる2点本塁打は、相手に対して及び味方を勇気付けたという意味で大きかったと思います。大会中、浦学打線が勢い付いたのは思い起こせばここから•••。この試合も小島君はよく投げていました。

対北照戦、
攻守に力のあるチーム同士で接戦を予想しましたが、初回、高田君が北照大串投手のインサイドの球を完璧なスイングでレフトスタンドに放り込んだのには驚きました。3回表、浦和学院の西川捕手の強肩、捕球~送球動作の早さ、送球の正確さ により盗塁刺殺したことは、その後の北照の攻撃を制限したという意味では大きなプレーだったと思います。また5回裏、スクイズ失敗後の贄君の三塁打はこの試合のキーポイント、強打者吉田君他、強力打線の北照を1安打完封した小島君はこの試合のMVPでしょうね。
7回裏、遊撃手と左翼手のエラーを絡めての失点に大串君が吠えていた場面がありました。気持ちは分かりますが、あれは良くなかったと思います。大串君、今大会屈指の好左腕として打ちづらい投手だと思っていましたが、この試合はストライクから ボールになる変化球を浦学各打者に完璧に見極められていたのと、ストライクを取りにいった球が高かったです。調子が悪かったんでしょうね。そんな中、7回裏、浦和学院の山根君の難しいインサイド低目をすくい上げての長打、木暮君の相手外野のエラーを誘った強烈な打球、にも印象が残りました。
北照の強打者、吉田君、打席に立っている時だけでなく、守っている時にもオーラを感じましたが、この試合、味方の劣勢時にテレビで映し出された時の表情が何とも言えなかったですね。

対敦賀気比戦
やはり大きかったのは、初回、高田君の逆転弾でしょう。敦賀気比の岸本君は変化球から入ってきましたが、高田君はしっかり変化球を狙っていたかのようなスイングでした。5回裏、浦和学院打線の集中打がありましたが、岸本君は粘り強く良く投げていたと思います。逆に、浦学の小島君が今大会屈指の強力打線と思われた敦賀気比打線を5安打1失点に抑えた事は、予想以上でした。もっと打ち合いになると思っていましたので•••この試合もMVPは小島君でしょうね。

決勝 対済美戦
済美の安楽君、疲労困憊ながらよく投げていたと思います。中盤までは、いつもの球威は無いながらも、インサイドの直球を積極的に使い浦学の強打者をよく抑えていました。
5回裏、走塁ミス(サインミス?)の後、二死から済美のミスにつけこみ逆転できたことがキーポイントだったと思います。これが無かったら、好機をつぶしたという浦学側の精神的ダメージ、済美2番手山口君もそう悪くなかった事、小島君も決して調子は良くなかった事を考えると、もう少し接戦になっていたかもしれません。初戦の土佐戦もそうでしたが、こういったプレッシャーがかかる場面での山根君の打撃における球際の強さは秀逸だと思います。
夏は万全な状態かつ成長した安楽君と浦和学院打線の対決をみてみたいと思います。


浦和学院、かの横浜高校の渡辺監督が解説者の席から「高校生のレベルではない。」と絶賛したように、振りの鋭さ、打球の速さ、ミートの技術だけでなく、何より選球眼の良さと甘い球をミスショットしない打撃における球際の強さが際立っていたと思います。それらは、前年度チーム佐藤君、笹川君の置き土産なんだと思われます。
小島君を見ていると、投手はスピードだけではないんだと改めて思ってしまいます。制球、緩急、球のキレ、素晴らしかったと思いますが、何よりインサイドへのコントロールが秀逸でした。
今大会のMVPは小島投手ですが、それを支えたのは鉄壁な内外野(バッテリー守備も含めた)守備です。失策数の少なさはもとより、記録にあらわれない部分も含めて球際に強い堅実な守備だったと思います。野球にミスはつきもののスポーツと言われる中で、無駄な失点が無かったことが大きかったと思います。守備でのミスが勝敗に繋がった試合は今大会も散見されました。3連覇を目指した大阪桐蔭もそうでしたね。
浦和学院の優勝に対して、「籤運が良かった」「日程が有利だった」と一部揶揄する声もあり、それらの要素があったのは事実としても、攻守に渡り完成度が高く、レベルが高いチームだったと思います。ここ数年、春夏の優勝チームとして、興南、東海大相模、日大三、大阪桐蔭等の完成度が高いチームがありましたが、それらと比較しても遜色は無いと思いました。
2番手3番手投手、本来は力のある山口君と湧本君の復調次第で、春夏連覇を十分狙える戦力だと思います。また今大会は致命的なことにならず、むしろ結果的に良い方に作用しましたが、采配、ベンチワークの改善は、夏、際どい試合を勝ち抜くために必要だと思います。

今回前編ではは浦和学院のことに終始しましたが、次回、他のチームについても記載致します。宜しくお願い致します。