元々日本にキネシオロジーを導入した一人である伊東聖鎬(いとうせいこう)先生は、独自にキネシオロジーの筋肉反射テストを進化させた読脳法(専門家向けには脳反射テストという呼称も使っています)を用いて様々な症状を持つ患者さんについてその人だけのための治療法(あなた療法)を探り当てるのを得意とされており、西洋医学的には難治・難病とされている症状を抱えている患者さんに直接この読脳法を教え、またその効果を体験してもらうことで、読脳法の有効性を実証しようとされています。

 

遺伝性パーキンソン病は、家族性パーキンソン病とも呼ばれ、幾つかの遺伝子の変異(αシヌクレインやParkinが有名)が原因として同定されています。多くのパーキンソン病患者が孤発性といい、遺伝と無縁であるのに対して、血縁者に同じ症状を持つ人が多く出るのが特徴です。

 

西洋医学の常識的に考えれば、遺伝性パーキンソン病の患者さんは何らかの遺伝子の異常を抱えておられるので、対症療法を行うか、遺伝子治療を考えることになりますが、後者についてはまだまだ研究段階です。


ところが、そのような遺伝性パーキンソン病の患者さんに対しても、伊藤先生は短時間で症状を改善するための治療ポイントを読脳法で弾き出して、患者さんはニコニコしながら手を振って歩き出してしまいます。

 

これは神経内科の先生や大学教授、また医学生にとっては目を疑うような動画だと思いますが、実際に患者さんの表情や肉声が出ているので、臨床家であれば実際に変化が起きているというのがよく分かるでしょう。伊藤先生のYouTube読脳チャンネルにはこのような動画がゴロゴロあります。

 

 

この動画では、残念ながら、実際に伊東先生がどのような質問を読脳法で行って情報を得たのか、また得た情報がどのようなものなのか、その詳細部分が明らかにされていません。

 

勝手に推測するならば、「パーキンソン病の症状の原因となっている体の部分は何処か」「触れることでパーキンソン病の症状を良くする体の部分は何処か」というような質問を設定しておき、読脳法では答えがYES/NOで得られるので、具体的にたとえば「頭」から絞り込んで「左のこめかみ」へとたどり着き、また「甲状腺」「副腎」などへたどり着いたのでしょう。

 

更にその後では、より根本原因を調べていき、重力バランス軸調整骨と呼ぶ距骨、また立位の支持骨と彼が呼んでいる、中足骨、楔状骨、立方骨、舟状骨、踵骨の位置異常へとたどり着き、それぞれの骨について刺激を加える方向を同定して、ドロップベッドという器具の助けを借りながら、骨に刺激(特定の骨の特定の部位を特定の方向へぐいと押す)を加えているようです。

 

読脳法で瞬時に答えが得られるのは私も実践してみてもはや驚きではありませんが、その速度を有効利用するほど高速に質問を繰り出すほうが難しいと感じます。パーキンソン病の症状改善の方法を調べる時に、こめかみや、甲状腺や副腎について質問を思いつくかどうか、なかなか難しいところです。

 

もし、私や私の家族が家族性パーキンソン病を患っていた場合、いつになるとも知れぬ遺伝子治療の実用化を指を咥えてただ待つよりは、読脳法を学んで自らの症状の改善方法を研究する道を選ぶでしょう。