去年(2022年)の夏、うちの猫さんが異様に大きな声で鳴き始めるようになった。
夜にその傾向が顕著に見られた。
うちの猫さんは、19才である。
夜中に何回も起こされ、私は寝不足気味になっていった。
年だから仕方がないのかなー、と最初は思っていた。
でもネットで色々調べたりして、もしかしたら甲状腺機能亢進症にかかっているかもしれないと思い始めた。
1ヶ月くらいその症状が続いたのち、病院に連れて行こうと決心した。
血液検査をして一週間後、その結果が出た。
やはり甲状腺の機能がおかしくなっているとのことだった。
薬をもらい、朝晩と、投薬の日々が始まった。
最初はイヤイヤながらも、うちの猫さんは大人しく薬を飲んでくれた。
でも何回か繰り返していくうちに、薬を吐き出すことを覚えるようになった。
飲み込んだと思って安心しても、しばらくして吐き出した薬を床の隅の方で見つけることも多々あった。
どうやらその薬はとても苦いらしい。
獣医さんに相談したら、うちの猫さんは状態も安定しているし、吐き出したら吐き出したで、とりあえずは放っておいても大丈夫とのことだった。
甲状腺機能亢進症と診断されてから半年後、また血液検査を行なった。
今度は数値が正常に戻っているらしい。
それでも投薬は続けるようにと、獣医さんに言われた。
でもうちの猫さんはますます薬の吐き出し方が上手になってきているようで、投薬が難しくなってきた。
それに加えて、私の心の中で、うちの猫さんに対する可哀想な気持ちが湧いてきた。
そんなに苦い薬を朝晩飲まなきゃいけないなんて、うちの猫さんは辛い思いをしているのではないかと思い始めた。
血液検査も正常に戻ってきているし、投薬をやめようかと悩んだ。
そもそもなぜうちの猫さんは突然、大きな声で鳴き始めたのかを考えた。
もしかしたら、甲状腺機能亢進症という診断が間違っていたのではないか。
どうやら耳が遠くなっていることに気づいた。
突然、鳴き声が大きくなったことにも説明がつく。
それに鳴くタイミングが決まっていることに気づいた。
トイレに行きたいとき、お腹が空いているとき以外はうちの猫さんは鳴かない。
投薬をやめることについてはものすごく悩んだ。
薬をあげても、うちの猫さんの状態が悪化するわけではないから、このまま投薬を続けてもいいのではないかとも思った。
でもうちの猫さんは薬をいやがっている。
だったらいっそのことやめてしまおうと思った。
最初はビクビクだった。
うちの猫さんの様子を注意深く観察し、状態が悪化しないか見守っている。
投薬をやめてから3ヶ月経つが、うちの猫さんはとりあえずは落ち着いている。
夜中に何度か起こされるが、おやつをあげればとりあえずは落ち着いてくれる。
甲状腺機能亢進症になると、急にやせると言われるが、うちの猫さんは19才にしては丸々としているように見える。
好きなものをいっぱい食べているからだろう。
せっかく猫に生まれてきたのだから、好きなものをいっぱい食べて、気持ちよく過ごさせてあげたいと考えている。
うちの猫さんは水をいっぱい飲むので、腎臓は健康らしい。
耳はほとんど聞こえないみたいだし、白内障も進んできているようだ。
それでもうちの猫さんの寝顔は幸せそうに見える。
今は投薬をやめてよかったと思っている。
自分の判断が正しかったのかはまだ分からない。
でもうちの猫さんが幸せに過ごせるように、精一杯努力しようと思っている。
私は2年前まで、看護助手として大手病院で働いていた。
いろんな患者さんを見てきて、あることに気づいた。
治療を受けて、完治した患者さんは一人もいないことに。
特にガン患者さんは、放射線治療、抗がん剤投与後、ガンが小さくなることはあったが、完治した患者さんは一人もいなかった。
辛い治療を受けて、精神的に参っていく患者さんを見るのはとても苦しかった。
頑張ればよくなるよ、という医者や看護師からの言葉は、薄っぺらく聞こえた。
頑張ってもよくなるわけではない、ということに気づき、薬や病院に対する不信感が芽生えた。
裏で医者が患者さんをバカにしているのをよく耳にした。
放射線技師さんは、患者さんに放射線を照射しながら、裏で合コンの話をしていた。
いいお医者さんもいるとは思うが、その病院ではイヤな光景を目にすることが多かった。
そういった経緯も、うちの猫さんへの投薬をやめるきっかけとなった。
これは私の個人的な日記です。
投薬をやめるべきだとか、病院に行ってはいけないとか、そういったことを書いているのではありません。
ただ末期のガン患者さんでも、病院へ行くのをやめたり、治療をやめた患者さんが、完治した例を知っています。
海外でもそういった症例がたくさん出ています。
病気と診断された猫さんに投薬をやめようか悩んでいる飼い主さんに参考になれば幸いです。
あくまでも私の猫さんの例なので、甲状腺機能亢進症と診断された全ての猫さんに当てはまるわけではないと思います。