一夫一妻制における心のバグ




「現代人の心は時代に対応出来ていない。」

多く科学者が口を揃えて言う事である。


人類は何千年、何万年前という長い歴史の中で少しづつ進化を重ね時代の変化に適応してきた。それは身体的な側面にとどまらず、恋愛感情のような精神的な進化をももたらしてきた。


しかしながら生物の進化というものは悠久の時の中でカタツムリの様に進むものである。現代社会の急速な社会構造の変化は人類の適応速度を遥かに上回っている。実際の所、変化に追いつけない人の心は旧石器時代の頃とあまり変わっていないとも言われている。


遅すぎる進化は時代とのミスマッチングを引き起こす。食生活の変化に伴う腸内環境の乱れや、不規則な生活に起因する生活習慣病などが最たる例である。


恋愛感情についても、時代感情間の不一致は発生していると私は考えている。


現在、日本では一夫一妻制の文化が普遍的地位を確立している。お父さんとお母さんが対等に結ばれる制度は当然の如く世間に浸透している。

しかし人類の長い歴史から見れば、この生殖様式は非常に歴史の浅い慣習なのである。


人類は長い間、乱婚制を採用してきたという仮説が男性器の特徴的な形状から推測されている。



~中略~



一夫一妻制の現代社会と比較すれば、乱婚制の社会は無法地帯である。婚約者が確定せず男女は子孫繁栄の為の恋愛活動に躍起になる。見込みのある配偶者とより多く性交渉を行う個体が社会で主導権を握ることになる。


この乱婚制であった旧石器時代に獲得した恋愛依存感情は深く現代人の遺伝子にも刻まれている。恋愛をテーマにした娯楽が蔓延っている現状を見れば明らかであろう。


しかしこれは現代の生活モデルには不適合であると私は考える。恋愛とは人間の精神と肉体を蝕み日常生活を狂わせるからである。

恋愛一辺倒の生活では身体も心もボロボロに侵食されてゆく。痛む心に耐えきれず自らの命を絶つ者すら現れるほどである。


一夫一妻制を採用する限り最終的な配偶者は一人に絞られる。そうであるならば、それ以外の恋愛は全て空振りという事になる。

無駄打ちの恋愛に、有限の資源を投入し続ける事は本当に賢明な判断なのだろうか……



個人的な意見としては、現代人はもっと一途な恋愛をするべきなのである。

生殖に直結しない交際活動を取るという、生物的に見て不自然な活動にはピリオドを打つべきなのである。



私も高校生の頃、浮ついた好奇心から彼女を作った事がある。相手は部活の同級生であったが、結局1ヶ月で別れる事となった。


あの頃の様な、浮気な男女の仮初めの恋心は悲劇的に粉砕するべきであり、興味本位で接近して直ぐに別れるような奴等の恋愛は痛々しく終わればいいのである。好色な男女にはそれが一番似合っているのだ。






その代わり、



一生を捧げる覚悟のある恋愛だけは成就させてくれないだろうか