「私の目指す安心社会」-平成21年6月25日

平成21年6月25日、麻生総理は、都内の日本記者クラブで、「私の目指す安心社会」と題して講演を行いました。

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真実の報道-29


平成21年6月25日、麻生総理は都内の日本記者クラブで、「私の目指す安心社会」と題して講演を行いました。この講演では、6月15日にまとめた「安心社会実現会議報告」を、日本が目指すべき安心社会の「見取り図」と「道筋」を描いたものとして、説明を行いながら、目指すべき安心社会について述べました。

 麻生総理は講演の中で、「これからの安心社会は、これまでの延長線では実現できないと考えております。これから日本が目指すべき安心社会は、私たちみんなでつくりあげていくものです。安心は、決して『いたれり、つくせり』の受け身の安心社会ではありません。国民一人ひとりが、役割と責任を分かち合う。そして、家族や地域で、また、世代を超えて、共に支え、信頼し合える社会をつくりあげることです。4月に発表した『未来開拓戦略』と、6月にまとめた『安心社会実現会議報告書』が、安心社会への地図です。これに沿って、安心社会を実現してまいります。」と述べました。

 そして結びに、「多くの国民が日本の政治に不満を持っています。それは『国民の期待に、政治が応えていない』ということです。私は、このことについて真剣に反省しなければならないと考えています。国民の政治への信頼を回復するためには魔法も即効薬もありません。国民の不満と要求に対し、一つひとつに応え、信頼を回復するしかありません。私は日本の政治を変えます。『日本を守るために変える』それが、日本を再び強く明るい国に変えるのです。次なる発展に、私は責任を持ちます。」と締めくくりました。

麻生内閣総理大臣講演
「私の目指す安心社会」



(はじめに)
 昨年の9月24日に、首班指名を受けて以来、9か月が経ったことになります。今日は、私が目指しております安心社会について、是非、皆さんにお話をさせていただければと存じております。

 今日ここで何をお話ししたところで、この後の1番目の質問というのは、解散についてですね。大体そういうところだと思っております。そこで先に申し上げておいた方がよろしいと思います。今日、解散の時期を申し上げることはありません。しかし、そう遠くない日だと思います。

 そして、解散・総選挙の前にどうしてもやっておかなければならないことがあります。それが、日本の安心社会への道筋を国民の皆さんにお示しすることだと思っております。

 私はこの間、かつてない経済危機から国民の生活を守ることに全力を挙げてきました。後ほど詳しく申し上げますが、期待どおりの成果は上がりつつあると存じます。
 しかし、それだけで国民の皆さんに安心を持っていただくことはできないと存じます。未来の安心社会の姿と、その道筋をお示しすることが必要なのだと思っております。それを今日お話しさせていただければと存じます。


1 経済危機から国民生活を守る
 (1) かつてない不況と異例の対策
 まず、これまでの9か月間を振り返ります。
 私は就任以来、経済対策・景気対策、この1点に全力を挙げて取り組んできました。経済危機から脱出することこそが国民の皆様に安心を提供する最大の政策と思うからです。
 「百年に一度」という国際的な金融・経済危機、そして、世界同時不況。昨年の9月15日に、リーマン・ブラザーズというアメリカの大証券会社が倒産しました。いわゆるサブプライムローンの問題が世界中に蔓延していく始まりで、金融不安が拡大しました。その後、実体経済への影響が深刻化し、今度はGM、クライスラーといった世界有数の企業が破綻しました。その結果、日本も戦後経験したことがない不況に落ち込んでおります。実体経済の底割れの防止が最重要課題となったと思います。
 この経済災害から国民生活を守る。そのためにあらゆる対策を打ちました。9か月間の間に、予算編成は4度ということであります。かつてない異例なことです。その際には、国民の生活や雇用を守ることに特に重点を置きました。従来の公共事業中心ではなく、国民の暮らしを守る経済対策にしました。できるだけ多くの方々の意見に耳を傾け、迅速に実施する。それが私の基本姿勢です。

 (2) 世界をリードする
 また、今回の金融・経済危機はアメリカ発世界同時のものです。この危機は日本一国で克服できるものではありません。そこで、昨年11月のワシントンでの緊急サミット及び今年4月のロンドンサミットにおいて、私から世界各国が協調してこの危機に立ち向かうべきであることを主張しました。
 ・不良債権の処理に、場合によっては公的資本の注入が必要なこと。
 ・金融対策だけでなく、思い切った財政出動が必要なこと。
 ・IMF、国際通貨基金の資金基盤というものを強化するために1,000億ドル、約10兆円の融資をすること。
 ・1930年代の大恐慌の教訓というものを踏まえて、各国は保護主義には走ってはいけないこと 
 などであります。これを主張したのですが、その結果、各国とも主張に同意をしていただいて、それぞれの国で対策を打っておられます。

 (3) 明るいきざし
 こうした懸命な経済対策の取組によって、景気に明るい兆しというものが見え始めつつあります。定額給付金も全国で支給されており、多くの御家庭にお届けいたしました。いろいろ御批判もいただきましたが、大変喜んでいただいている声も多く届いております。
 エコポイントやエコカーへの補助というものも、大きな反響を呼んでおります。先日、大型電気店に伺いました。そこでは、エコポイントの対象となった省エネ型の大型テレビや冷蔵庫の売れ行きが昨年に比べて倍、200%、倍増しているとのことでした。
 企業の生産の水準など、幾つかの先行指標が反転、上昇に転じております。また、倒産も指数を見ますと減少に転じております。見えやすいところで、一時 7,000円まで下がっておりました株価、7,050円だったと思いますが、1万円近くまで、約40%上昇しております。この9か月間の成果です。
 しかし、まだ景気が回復したとは言えません。失業率も4月に5%になるなど、雇用情勢はまだまだ厳しいものがあります。手を緩めることなく、引き続き景気対策、国民の生活を守る取組に全力を注ぎたいと思っております。
 

2 目指す安心社会
 さて、次に私が目指す安心社会についてお話をしたいと存じます。
 国民の不安は、短期的な景気だけではありません。多くの国民がさまざまな不安を抱いていると存じます。

 敗戦後の日本は、目覚ましい経済成長によって豊かで平等な社会を実現しました。豊かさと安心は我々日本人の誇りでした。しかし、この自信の陰でほころびが生じていたのだと存じます。例えばワーキングプア、ニート、最近では子どもの貧困、医師不足。政府がこれらの問題に十分対応できてきていなかったことは率直に認めなければなりません。これが不安と閉塞感を生んでいるのだと存じます。
 最もよくないことは、これらの問題に対して目をつぶることです。問題から逃げることです。ビジョンと道筋を示し、実現すること。それが政治の役割だと存じます。
 
 (1) 安心
 先日、6月15日でしたか、安心社会実現会議の報告書をまとめました。この報告書は、日本が目指すべき安心社会の見取り図と道筋を描いたものです。

 私は、これからの安心社会は、これまでの延長線では実現できないと考えております。これまでの豊かな社会は、基本的には
 ・どのようにして経済成長するか。
 ・そして、その成長の果実をどう再配分するか
 という考え方でとらえられてきました。そこでは、稼ぐ人ともらう人、簡単には二分論になっていたのだと存じます。
 これから日本が目指すべき安心社会は、私たちみんなでつくり上げていくものです。安心は与えられるものではありません。自らつくり出すもの。安心は決して至れり尽くせりの受け身の安心社会ではありません。国民一人ひとりが役割と責任を分かち合う。そして、家族や地域で、また世代を超えて、ともに支え、信頼し合える社会をつくり上げることだと存じます。

 報告書をお手元に配付してあると存じますが、報告書のポイントは次のとおりです。

 i 雇用を軸とした安心
 安心と活力の起点は雇用、働くことにあります。働く場がないことや、また不安定な雇用は暮らしを不安に陥れます。これまでは、低い失業率と終身雇用慣行でこれらの問題が顕在化していませんでした。しかし、近年の失業率の上昇や雇用格差を通じて、安心の基本というものは実は雇用だということが明らかになったのではないでしょうか。
 そして、もう一つ、安心のために重要なのは教育です。教育の格差は暮らしの格差を生んでおります。どんな家庭に生まれてもきちんとした教育を受けられるようにする。雇用の安定は教育から始まります。報告書では安心の領域として、従来、主要とされてきた医療、年金・介護、子育ての3つのほかに、雇用と教育を加えて、5つが重要であると示しております。そして、55ページのところでも書いてありますが、雇用というものが扇の要になるのだと存じます。
 
 ii 切れ目のない安心保障
 ポイントの2つ目は、全生涯・全世代を通じて切れ目のない安心保障だと思います。日本の社会保障は、これまで高齢者を中心に組み立てられてきております。年金と介護です。しかし、若者や現役世代への保障が不十分だ、暮らしの不安につながるというのが近年の経験だと思います。他の先進諸国に比べても、日本の若者や子育て世代への公的支出は、他の先進国に比べて低いと思います。すなわち子どもから高齢者まで、人生に切れ目のない社会保障が必要だということであります。
 
 iii 信頼
 ポイントの3つ目は、政府への信頼回復です。政治や行政に対する不信が社会保障への不安を生んでおります。国民の皆様が納めた税金がきちんと国民のために使われているのか不安なのです。政府はこの不安・不信に応えなければなりません。そのために国民の負担と、その見返りに得ている安心というものをわかりやすくしなければならないのだと存じます。
 例えば学び、働き、子どもを生み、育む、育てるといった人生の各場面で、どのような給付やサービスを受けられるのか。それをわかりやすく解説した「社会保障ハンドブック」、社会保障に関するハンドブックをつくり、国民の皆様にお配りします。また、国民一人ひとりが必要な支援を迅速・確実に利用できるよう、安心保障カードをお配りします。

 以上が安心社会のポイントです。報告書にもっと詳しく、かつその道筋も示してありますので、お読みいただければと存じております。

 (2) 活力
 もう一つの柱である活力の未来像については、当面は景気対策、中期的には財政再建、中長期的には改革による経済成長と申し上げ続けてきました。
 景気対策と財政再建、これらを同時に両立させることは困難です。そこで、私は時間軸を明確に設定しました。当面は景気対策に全力を注ぎます。
 景気が回復した次に、財政再建への道筋をつけます。これにつきましては、去る23日に決定した「基本方針2009」において新たな財政健全化目標を掲げました。
 そして、中長期的には経済成長です。4月に新たな成長戦略である「未来開拓戦略」を策定し、低炭素革命など未来につながる投資を進めております。

 以上のように、4月に発表した「未来開拓戦略」と、6月にまとめた安心社会実現会議報告書が安心社会への地図です。これに沿って安心社会を実現してまいります。
  23日に決定した「基本方針2009」は、この考え方に基づいて具体的な施策、重点施策を盛り込みました。キーワードは「安心・活力・責任」です。国民の皆さんに私の政策の全体像を具体的にお示しできたと自負もしております。来る総選挙に勝利して、引き続き、その実現に責任を持たなければならないと思っております。
 

3 私が変える政治
 さて、多くの国民の皆様が日本の政治に不満を持っています。それは国民の期待に政治が応えていないということだと存じます。私は、このことについて真剣に反省しなければならないと考えております。国民の政治への信頼を回復するためには、魔法も即効薬もありません。国民の不満と要求に対し、一つひとつに応え、信頼を回復するしかありません。

 皆さん、しばしば政治を変えなければならないとおっしゃいます。そのとおりです。しかし、このような言葉をもてあそんでも、むなしさだけが残りませんか。具体的に何を変えるのか。どのような目標を立て、どのような道筋で実現するのか。それを明らかにしない限り、政治への不信は戻らないと存じます。そして、政権与党はそれを実行し、実現しなければなりません。その責任がある。勿論、財源を考えないばらまきや不相応に矛盾した政策の羅列はもはや許されないと存じます。財源もなしにサービスだけを約束する、そのような無責任なことは、政権与党はできないのです。
 私が政権をあずからせていただいてから9か月、賢明な皆様方なら、我々が政策と政治の在り方を、今、大きく変えつつあることにお気づきの方もおられると存じます。
 
 (1) 国民の期待に応える政府
 まず、私は単純な小さな政府至上主義から決別をさせていただきました。この9か月の間に、かつてない規模の経済対策を打ちました。今年度予算の規模は、補正を入れますと100兆円を超えました。市場機能だけではうまくいかない場面があることが、今回の金融・経済危機の教訓です。その場合に政府が前面に出ることを私は躊躇しません。
 しかし、それは決して単なる大きな政府を目指すものではありません。国民の期待に応えるためには、政府の守備範囲は広がります。例えば、安心できる社会保障や金融機関の規制・監督などです。しかし、政策を実施するときにはなるべく民間の力を借りて、政府は小さい方がよいのです。私は大きな政府か、小さな政府かといった単純な選択ではなく、機能する政府、そして、簡素にして国民に温かい政府というものを目指します。
 
 (2) 生活者中心の行政
 また、これまでの生産者重視の行政から生活者重視の行政へと大きく舵を切りました。経済対策では、暮らしを守ることに重点を移しました。かつての経済対策では、公共事業が約50%、半分ぐらいを占めていたと記憶します。それに対して21年度の補正予算では、公共事業費の比率は2割に満たないと存じます。 16%ぐらい。
 消費者庁は9月から発足されます。明治以来、日本の行政は、生産者支援というものを中心としてやってきたんです。消費庁は、この発想を逆転させるものでもあります。

 (3) 責任
 今の政治に求められているもう一つのもの、それは責任と思います。私は、昨年10月30日の記者会見で、経済対策の発表と併せて、国民の皆様に消費税の引き上げの必要性を訴えました。誰だって増税は嫌なことです。しかし、毎年1兆円規模で膨れ上がる社会保障費、少子高齢化の結果ですが、この社会保障費を賄うために、増税は避けて通れないと存じます。これを放置するということは、子や孫の世代に借金を残すことです。国民に対しても耳の痛いことも言う、それが政治家の責任だと存じます。
 このため、中期プログラムにおいて3年後、経済状況の好転を前提に税制の抜本改革を行うことを明らかにしたということです。そして、法律にも書き込みました。この増税分はすべて社会保障や少子化対策に使い、国民の皆さんに還元します。
 勿論、負担をお願いするに当たっては、不断の行政改革と無駄の徹底的な排除が大前提です。私と自由民主党は困難から逃げません。国民の皆さんに目指すべき社会のビジョンというものをお示しし、具体的に実行してまいります。行政の無駄を徹底的に削減し、公務員の天下りあっせんをやめます。必要ならば増税もお願いします。
 

(おわりに)変わる自民党、変える政治
 今日のお話の最後になりますけれども、次のことを申し上げたいと存じます。自民党は変わります。変わらねばなりません。私は、日本の政治を変えなければならないと思っております。私は、国民が日本の政治に不満を持っていること、それを認めなければならないと申し上げました。
 そして、政府、自民党がその責任から逃れられないことも認めています。自由民主党は長年にわたって日本の政治を担ってきたんです。成功への貢献とともに、失敗に対する責任も認めなければならないと思います。私たち自由民主党は常に満点だったというつもりは全くありません。
 しかし、問題が指摘されるたびに、自由民主党という政党は自らを改革し、課題を克服してきたのが歴史だと思います。

 今、更に大きな変革、改革が求められております。自由民主党は変わります。そして、私は日本の政治を変えます。日本を守るために変える。それが日本を再び強く明るい国に変えるためであります。次なる発展に、私、麻生太郎と我々自民党は責任を持たねばならない。責任を持つ。

 国民の暮らしを守るのが自民党、日本を守る自民党、それを最後に申し上げて講演を終わらせていただきます。
 長時間の御清聴ありがとうございました。
 


平成21年沖縄全戦没者追悼式

平成21年6月23日、麻生総理は沖縄戦終結64年目の「慰霊の日」に、沖縄県糸満市の平和祈念公園で開催された県主催の「沖縄全戦没者追悼式」に出席しました。式典には、仲井眞弘多沖縄県知事をはじめとする県の関係者や、衆参両議院議長、関係閣僚のほか、遺族の方々が参列し、戦没者を追悼しました。

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真実の報道-28

 平成21年6月23日、麻生総理は沖縄戦終結64年目の「慰霊の日」に、沖縄県糸満市の平和祈念公園で開催された県主催の「沖縄全戦没者追悼式」に出席しました。式典には、仲井眞弘多沖縄県知事をはじめとする県の関係者や、衆参両議院議長、関係閣僚のほか、遺族の方々が参列し、戦没者を追悼しました。

 式典では、開会の式辞後、正午の時報に合わせて全戦没者に1分間の黙とうが捧げられました。引き続いて、沖縄県遺族連合会からの追悼のことばの後、各代表者による白菊の献花、そして仲井眞弘多知事の平和宣言、地元小学生による「平和の詩」の朗読が行われました。

 その後、麻生総理が挨拶を行い、「戦没者の御霊(みたま)に対し、謹んで哀悼の誠をささげる次第です。今、改めて県民の皆様の筆舌に尽くしがたい苦渋に思いを致すとき、胸に迫り来る悲痛の念を禁じ得ません。文字通り焦土と化した沖縄は戦後、県民の皆様のたゆまぬ努力により多くの困難を乗り越え、力強い発展を遂げて来られました。豊かな県民生活の実現に向け、引き続き沖縄の振興に力を尽くすとともに、沖縄県の基本構想を踏まえつつ今後の沖縄振興の在り方を検討して参ります。
 本年1月、糸満市において不発弾事故が発生しました。被害に遭われた方々に対し、改めて心よりお見舞い申し上げる次第です。県民の皆様の不安を解消すべく、『不発弾等対策安全基金』を設置したところですが、引き続き不発弾対策を着実に推進してまいります。
 また、米軍施設の集中は県民の大きな負担となっております。負担軽減に向け、地元の切実な声を伺いながら全力を挙げて取り組んでまいります。
 今日の日本の平和と繁栄が、戦没者の尊い犠牲の上に築かれているということを私は忘れたことはありません。決して再び戦争の惨禍を繰り返してはなりません。沖縄、日本、ひいては世界の発展のため、平和の構築に全力を尽くしてまいります。」と述べました。



安心社会実現会議 第5回会合-平成21年6月15日

平成21年6月15日、麻生総理は総理大臣官邸で、第5回となる安心社会実現会議を開催しました。
 今回の会合では、最終報告が取りまとめられ、成田豊座長から安心社会実現会議報告「安心と活力の日本へ」が手交されました。報告書では、日本型の安心社会は、まず第一に「働くことが報われる公正で活力ある社会」、第二に「家族や地域で豊かなつながりが育まれる社会」、第三に「働き、生活することを共に支え合う社会」とし、「雇用」、「子育て」、「教育」、「医療」、「年金・介護」の「5つの安心領域」の連携が大事であるとしています。

※「政府インターネットテレビ」からの引用


http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ansin_jitugen/index.html

麻生内閣総理大臣記者会見-平成21年6月10日

平成21年6月10日、麻生総理は総理大臣官邸で記者会見を行い、
日本の温室効果ガス排出削減の中期目標について、発表しました。


http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2627.html

真実の報道-27


【麻生総理冒頭発言】

1.我々世代の責任

 これは、南太平洋に浮かんでおりますキリバスという島です。この美しい島の大統領に、北海道で開かれました太平洋の国々とのサミットの会議で会う機会を得ました。この大統領が、私に真剣に語りかけた言葉を最初に皆さんに御紹介したいと存じます。
 「今や我々には絶望しかない。国民に生きる希望を与えたい。」地球温暖化の進展で海水面が上がり、国が沈んでなくなってしまうかもしれない。国際社会に投げかけられた深刻な声だと思います。地球温暖化を放置すれば、異常気象、大洪水などで世界が被る被害は計り知れないものがあります。地球温暖化の防止は、今を生きております我々世代の責任だと思います。今日は、日本の責任と覚悟を、国民の皆さんと共有したいと思います。
 世界は今、地球温暖化の防止に向けて、新たな枠組みづくりを始めて、話し合いを始めているところです。この中で、2020年の温室効果ガスの削減量の目標、いわゆる中期目標が大きな論点となっております。この中期目標について、私の考えと決断を説明したいと存じます。

2.決定プロセス ~ 国民的な議論

 温室効果ガスの削減は、家計や雇用など、国民生活全般にわたって大きな影響を与えるものです。そのため、私は日本の中期目標を決断するのに先立って、専門家に経済的な影響も含め、総合的、科学的に分析をしていただきました。その結果を、ご覧の6つの選択肢としてお示しして、徹底して国民の声を伺ってきました。パブリック・コメントでは、1万人を超える多くの御意見をいただきました。また、世論調査では全国での意見交換会もいろいろ行わせていただきました。多くの方々に真剣に考えていただいたことに感謝をしています。

3.3つの基本原則

 ここで、私は3つの基本原則を示したいと思います。

(1)主要排出国の全員参加と、日本のリーダーシップ

 その第1は、主要排出国、いわゆる大量に排出している国々の全員参加、そして日本のリーダーシップです。地球の温暖化を克服するためには、世界全体で温室効果ガスを削減する必要があります。京都議定書では、ここにお示ししたように、世界全体の排出量の3割を占める国々しか義務を負っていません。円グラフに出ているとおりです。
 新たな枠組みは、主要な排出国、米国、中国、いずれも20%と示してあるとおりですが、こういった国々も参加するものとしなければならないのは当然です。このためには、日本が世界の流れを引っ張っていけるようなリーダーシップを示すことが必要だと思っております。
 また同時に、国際的な公平さ、フェアネスというものも大変重要です。日本だけに厳しい義務を仮に課したとしても、日本の企業や工場が義務の軽い国に移転するだけです。これでは単にお金と雇用が海外に流出するだけで、地球全体の温室効果ガスは減りません。

(2)環境と経済の両立

 第2の原則は、環境と経済の両立です。百年に一度、という経済危機の中でも、地球温暖化対策の手を緩めてはならないと思います。温暖化対策を息の長いものにするためには、経済と環境を両立できるものとすることが不可欠だと思います。中期目標は単なる宣言ではなく、裏打ちのある実行可能なものでなければならないと考えます。

(3)長期目標の実現

 3番目、最後の原則は、長期目標の実現です。地球の気温を安定化させるためには、世界全体の温室効果ガスを半減させなければなりません。
 昨年の洞爺湖サミットで合意ができたとおりです。この長期目標を2050年までに達成するために、世界全体の排出量を先進国では2015年、途上国では2025年にピークアウトすることを目指すべきだと考えております。
 そして、日本は2050年までに60%~80%の削減を目指すという長期目標を掲げました。今回の中期目標は、こうした長期目標につながるものでなければならないと考えております。    

4.中期目標

 次に中期目標についての私の決断を申し上げたいと存じます。

(1)世界をリードする目標

 パブリック・コメントでは、7割を超える御意見が選択肢のうち「2005年比で4%削減」、いわゆる1です。それを支持しておられます。これはヨーロッパや米国と同じ費用の対策を行った場合の削減幅です。この案は経済界からも、また、労働界からも多くの御意見をいただきました。重く受け止めなければならないのは当然です。しかし、低炭素革命で世界をリードする。このためには一歩前に出て、倍の努力を払う覚悟を持つべきなのではないだろうか、そう思っております。
 そこで、私はあえて2005年比15%削減を目標とすることを決断しております。この目標は選択肢のうち2005年比、14%削減から太陽光発電などの大胆な上乗せなどによって、更に削減幅を大きくするものです。オイルショックのとき、エネルギー効率の改善、30%上回ります、33%の改善を目指す極めて野心的なものです。
 逆にこれ以上削減目標を大きくしようとすると、例えば太陽光パネルの付いた家しか建ててはいけないとか、また、大量の補助金を出し続けるといった事態になりかねないと存じます。また、国民の負担も余りに重たいものになってしまうのではないでしょうか。私は責任ある立場として、このような選択肢を国民にお願いするわけにはいきません。   

(2)欧米との比較

 今回、私が決断した日本の目標は、国際的に見てもヨーロッパの2005年比13%減や、アメリカ、オバマ政権の14%減といった欧米の中期目標を上回るものだと思っております。ご覧の表のとおりです。しかも、ヨーロッパや米国の中期目標は、自ら削減する分に加えて、外国からお金で買ってきた分などを加算しています。
 一方で、今回の日本の目標は、国内での省エネなどの努力を積み上げて算定したものです。いわゆる真水の目標です。外国から排出権を買ってくる分や、植林によって加算する分については京都議定書では5.4%分の削減量を見込みました。今回の新たな枠組みでは、これらの扱いをどうするかは、今後の国際交渉を見極めた上で判断したいと考えております。交渉ですから。
 本日の中期目標の発表は、まず、日本の考え方を示したものです。言わば本格的な国際交渉に向けた第一歩と御理解ください。今後、国際交渉の中で実際のルールが決まっていきます。日本だけが不利となるようなことのないよう国際交渉に全力で取り組みます。

(3)途上国への技術移転

 途上国の対応も大きな論点であります。これから高い経済成長を目指す途上国にとって、環境との両立は深刻な課題です。長年、試行錯誤を続けてきた先進国の経験や蓄積を生かせば、我々には近道ができるはずだと思います。途上国は、先進国の責任だと言うだけでなく、自らも行動を起こすべきです。日本がこれまで培ってきた省エネ、環境技術で世界の温室ガス排出量削減に貢献したい。新たな枠組みに責任を共有して参加する途上国に対しては、技術支援を惜しみません。

(4)長期目標への道筋

 科学の要請に応えるためには、この中期目標では小さ過ぎるという意見があるかもしれません。今ある技術だけでは、2050年60%から80%削減に向けて直線的な経路を歩むことは困難です。長期目標を達成するためには、まだ見えていない革新的技術の開発と普及が必要となります。
 革新技術や原子力の開発や普及に全力を挙げていきます。あわせて、今回の中期目標を達成することにより、2030年には約4分の1の減、2050年には約7割減につながると分析をされております。この中期目標は、長期目標の実現に道筋をつけるものだと思っております。   

5.実現のためのアプローチ
 ~ 環境への対応は成長のチャンス

 率直に言って、この目標は決して容易に達成できるものではありません。日本のいわゆるエネルギー効率は既に欧米の2倍、世界一の水準にあります。しかし、日本は既に省エネが進んでいるからこれ以上の省エネはできないという考え方に私はくみしません。
 先日、ある町のガラス工場を訪問しました。この町工場では、わずか0.5秒で中の空気の泡を抜く技術を開発しております。通常は約1週間かかるのです。これによってエネルギー消費を60%削減できます。これは現場の技術者が知恵を絞って実現したものです。日本には、こうしたとてつもない底力があるのだと思います。今や世界の人材、技術、資金がクリーンテクノロジーをめがけて奔流しています。ここで手をこまねいてしまえば、日本はエネルギー効率の優位性を失い、次の世代に経済競争力のない、国際競争力のない日本を引き渡すことになるだろう。
 私は、「低炭素革命により、新たな市場と雇用を生み出す」そういう発想で新たな成長戦略を発表しました。その中で新エネルギー、いわゆる水力発電などの再生可能エネルギーの導入量を世界最高水準の20%にまで引き上げる。太陽光発電を現在の20倍にする、太陽光世界一プラン。そして、新車の2台に1台はハイブリッド車などのエコカーにする、エコカー世界最速普及プラン。日本の低炭素革命の将来像と、その実現の道筋というものを明らかにしたところです。
 今回の補正予算で、その第一歩を踏み出しております。例えばエコカーの買い換えに最大25万円を補助する。省エネ家電の購入にエコポイントを差し上げるなどがそれです。

6.国民の御負担



 しかし、この目標を実現するためには、国民の皆様にも御負担をお願いしなければなりません。国民生活や産業活動に対する負担の大きさを示すことなく、削減量が大きければ大きいほどいいといったような精神論。そういったものを繰り返すことは、国民の皆さんに対して無責任であると私は考えております。そのため、私はこの場で国民の御負担についても率直に申し上げたいと存じます。
 国民の皆様の御負担については、ご覧をいただいております試算があります。今回の中期目標は、国民の皆様に相応の負担をお願いせざるを得ません。勿論、皆さんの御負担を下げるために、政府はあらゆる努力を払わなければなりませんし、払う覚悟であります。経済界にもさらなる開発のための負担と努力をお願いしなければなりません。しかし、これは我々の地球というものを守るためのコストです。日本はその覚悟を持って地球温暖化問題に取り組んでいかなければならない、私はそう思います。
 ご覧いただいておりますとおり、先般の世論調査では、そうした負担を承知の上で半数近い方々から、私が申し上げた目標に近い2005年比 14%削減を支持するという声をいただきました。私は、日本国民の良識に深く敬意を表するものであります。私は皆さんの努力、協力を無駄にすることがないよう、実効性のある国際的枠組みづくりに不退転の決意で臨んでまいる覚悟です。

さいごに ~ 国民の皆さんへのお願い

 この野心的な目標は、いくら国だけが頑張ってみても、到底実現できるものではありません。生活者、産業界、労働界、国、地方、みんなが一致協力して、生活のライフスタイルや産業構造の転換など、低炭素革命実現のためには行動を起こさなければならないと思います。これは資源やエネルギーの大半をほとんど海外に依存する日本自身のためでもあります。
 先週、宇宙ステーション「きぼう」で活躍中の宇宙飛行士の若田さんとモニターテレビで話をしました。地球は真っ黒な空間の中で、青く、美しく輝いているそうです。地球が、そして未来の世代が、今、危機に瀕しております。今を生きる私たちは、未来の世代のために、この美しい地球を守り、引き継いでいく責任があると存じます。将来の子どもが歴史を振り返るとき、「あの時代に低炭素革命を実現して、地球を守ってくれたんだ」と言われるように、「未来を救った世代」になろうではありませんか。
 皆さんの御理解と御協力を改めてお願いをする次第です。
 ありがとうございました。

【質疑応答】
(問)
 中期目標なんですけれども、政府が事前に選択肢として挙げていた、その中の1つだった14%の削減案から、総理があえて踏み込まれた理由について、いま少し詳しく説明をお願いします。
 それから、お話の中にもありましたが、目標達成には国民の理解と協力が不可欠なんですけれども、負担増であるとか、企業の中には競争力の低下だとか、雇用がなくなるんじゃないかとか、不安も強いと思うんですが、どう説明、説得して、また後押しをして理解を得ていくお考えなのか、この点についてよろしくお願いします。 

(麻生総理)
 今、申し上げましたとおり、地球の未来というもの、地球の環境というものを守るためには、日本の未来の子どもたちのためにも、ある程度の負担を覚悟しなければ低炭素革命はリードできません。勿論、国民の負担を下げるために全力を挙げる。これは経済界にも開発の努力と負担をお願いせざるを得ない。それでもなお温暖化対策で国民の皆さんに負担が増えるのは避けられません。
 先般の世論調査でも、半数近くの方々が、この負担を認識した上で選択肢を支持していただきました。産業界もこれまでの技術力を生かして、ピンチをチャンスに変えてきた我々には、その歴史と伝統があります。そういう実績を産業界というものは持っております。今回も、必ずや世界をリードするブレークスルーが実現するものだと思っております。
 事実、こういったものを我々は裏打ちのない目標にはしないという方針を出しておりますので、そういったものを考えた上で、今回、目標に1%上乗せをさせていただきました。何だ簡単に1%なんて思わないでください。1%かけると経費だけで10兆はかかるんです。これをみんなでどうやってやっていくかということだと思っておりますので、我々はその努力をしていくということを申し上げております。

(問)
 私からは、国際的な主導力をどう発揮していくかという点について質問させていただきます。15%削減ということで、今後サミット、COP15がありますが、日本が世界を主導していくということについて、総理の自信はどれだけあるのかということですね。
 とりわけ、中国とインド、新興国の参加を促すことが一番大事だと思うんですけれども、そういう説得ができるのか。交渉過程では、15%を更に上積みせざるを得ないような状況も考えられるんですけれども、総理の今後の見通しと自信について伺いたいと思います。  

(麻生総理)
 日本のエネルギー効率というのは、既に世界一、欧米の約2倍、中国の8倍、インドの8.5倍、日本のエネルギー効率の数字です。
 今回の日本の目標というのは、欧米の削減を上回る目標を提示しております。低炭素革命というもので、世界をリードしていく。私は、そのためには、こういった目標というのが世界一の目標、2005年比でいけば、アメリカの14%、アメリカの14%は正確ではないですね。オバマ政権が言います 14%。そして、EUが言う13%、2005年比で、それを上回る数字です。
 したがって、EUや米国の目標に比べても、日本というものは、その努力は高い。加えて、これまでのエネルギー効率の高さからいくと、削減コストというものは、我々は倍の削減コストを覚悟して実現しようとするものであって、そういった意味では、明らかに日本として、これだけ高いものを真水で実現しようとしております。真水です。いわゆる海外からのクレジットを買ってくるのではない。日本はそういった意味で、今回の目標というものは、我々の立場というものを強めるものであって、十分にリーダーシップというものでいけば取れるものだと思っております。
 また、先ほどの円グラフでもお示ししましたように、中国という国は、既に主要排出国の1番、2番に上がってくるような国であって、先ほどの円グラフでもありましたように、20%のリーダーシップを取ると、削除してもらうというのは、基本的にはアメリカと中国の2国だけで40%、今ある京都議定書全部足して30%弱ですから、その意味では、ものすごく大きな意味があろうと存じます。その中国とどうやるか。これは、今からいろいろ交渉をしていかなければならないのは当然のことですが、主要国が参加する、そういった枠組みができなければ、COP15と言われるコペンハーゲンの会議は成功したとは言えないと存じます。
 しかし、既に首都鋼鉄が一番いい例だと思いますが、北京に首都鋼鉄という鉄工所があります。この鉄工所は日本の技術と組んで、コークスに水をかけて冷やすというこれまでの方法から、日本の技術によってこれに窒素をかけるという技術を両方でいわゆる組んで、この技術を供与し、そして、結果としてコークスに水をかけることによってコークスから大量の粉じんが出る。また、コークスの質を悪くする。そして、コークスの温度を下げるというようなことから起きます地球温暖化への問題に対応して、その3つを解消し、熱はすべて電力に回し、コークスの品質は下げず等々の結果を出しているという実績。これはほんの一例です。これは経済産業省やら何やらなどに聞いてもらったらわかると思いますが、こういった技術を使って、現実問題として中国はこれによってコストを大幅に下げております。勿論、温暖化に資することは間違いありません。
 現場を見に行っていただいたらわかると思いますが、こういう一つひとつの例が我々の周辺国家にとって、日本と一緒に技術というものを組むことによって、日本と同様にエネルギー効率を大幅に改善できるということは、中国のエネルギー事情にとっても、ものすごく大きく資することははっきりしていると思っておりますので、一つひとつ丁寧に例を言って説得をしていく。そういう努力が要るのだと思っております。

(問)
 今回、総理は2005年比ということで基準年を設けられました。京都議定書では1990年ということで、そこで比較すると、2005年の方が数字を大きく見せることができるという指摘もあると思うのですが、あえて、この2005年というところに基準年を設けた理由を説明してほしいのです。

(麻生総理)
 各国の中期目標というものを比べていただくとわかると思います。今、90年比を言っているのはヨーロッパだけぐらいではないですか。アメリカが2005年比、カナダが2006年比、オーストラリアが2000年比だと思いますので、その意味では決して90年比で統一されているわけではありません。
 基準年の最大の役割というものは、各国が同じ目標に向けて、これから共通の努力をするためのスタートラインの設定ですから、したがって、過去のどの時点が有利なんだとか、そういったことを論ずるよりは、なるべく今に近い基準をスタートにすることが適切なんだと私自身は思っておりますので、 2005年をその基準年とさせていただいた次第です。
 

(問)
 総理、話題を大きく変えて恐縮ですが、衆議院の解散総選挙について、お伺いしたいと思います。衆議院の任期満了まで、残り3か月となりました。一方で、この通常国会の会期をこのほど7月28日まで延長されました。総理は、この国会の会期中に衆議院を解散するお考えはあるのか。
 もう一点、東京都議会議員の選挙が来月の3日告示、12日投開票という日程で決まっておりますが、総理は都議会議員の選挙中に衆議院の解散総選挙を行うことも選択肢として考えられているのか。
 この2点をお伺いしたいと思います。

(麻生総理)
 この質問はたびたびこれまでも何回となく答えておられますので、同じ答えしか申し上げられないので恐縮ですが、解散につきましては、いろいろな諸要素を勘案して、私自身が決めさせていただきます。都議会議員の選挙と関係があるか、ないかも含めまして、私自身で決めさせていただきます。


(問)
 現状ですと、京都議定書の削減目標もなかなか達成が難しい状況だと思うんです。
 そうした中で、今回の中期目標の2005年比で15%という削減目標を達成するための具体的な道筋というものをもう少し詳しく、現状、総理がお考えになっていることを教えていただきたいんですが。

(麻生総理)
 まず、京都議定書の分について、なかなか達成できない数字になっている大きな理由は、やはり地震が大きかったです。そして、原発が止まったというものは、御存じのように、原発はCO2というものからいきますと、火力発電とは全く違いますので、この原発、東京電力の刈羽の発電所やら、こういうのが止まったのが一番大きく数字を変えたと思っておりますので、この数字の分を我々は補っていかなければならないというのが1つ。それは、間違いなく、今、その分は海外の森林、海外からのクレジットを買うなどなど、いろんな方法を考えて、今、これを達成すべく最大限の努力を産業界でしておられるというのは、特に電力業界等々は確かな、現実だと思います。
 もう一つは、今、申し上げました太陽光発電というものを例に引きましたけれども、太陽光発電というものを、現状の10倍にするといって、今回の数値は、今回のというのは、この間の14%削減のときには考えたんですが、今回、補正予算などなどで、太陽光発電は20倍にしようという目標を立てており、これでいきますと、20倍になりますと、大体0.7%ぐらい削減量が増えます。それが1つの目安です。その他、水力発電というのも、これは大きいんですが、いろいろな小さな水力発電というものは、大きなダムと違います。今、そこにある川というのは、日本の場合は急流が多いせいもあり、急流に限らない、とにかく流れが早い川が多いので、水力発電というものを小さく水力発電というものに向いている地理的条件にあります。この水力発電の活用というものは、これはいわゆる水によりますエネルギーの再生ですから、そういう意味では、極めて大きな意味を持つものだと思っているので、経産省または国土交通省の河川局などなどで、この問題について、今、いろいろやらせていただいているというところで、もっと細かいのはいろいろありますけれども、そういった小さなものを積み重ねていきますと、0.1、0.05といった数で積み重ねていって、私どもとしては最終的に14%プラスの1%というものを達成すべく、これは、今、二階先生の下でいろいろ経産省にやってもらっているところでありますけれども、細目につきましては、経産省、国交省、こういったところに聞いていただき、全体としては環境省に聞いてもらった方がより正確な情報が得られると思います。

麻生内閣総理大臣記者会見

平成21年6月10日、麻生総理は総理大臣官邸で記者会見を行い、日本の2020年までの温室効果ガス削減の「中期目標」について、「2005年比で15%減」とすることを発表しました。
 この中期目標は、2005年比で4%減から30%減までの6案の選択肢の中から14%減を軸に調整を行っていましたが、太陽光発電の大胆な上乗せなどにより、更に削減幅を大きくするものです。また、ヨーロッパの「2005年比13%減」や米国オバマ政権の「2005年比14%減」を上回る目標を設定し、低炭素革命で世界をリードしてゆく意向を示しました。

 まず冒頭で麻生総理は、南太平洋のキリバスが直面している海面上昇の問題に触れ、「地球温暖化の防止は、今を生きる我々世代の責任であると思う。日本の責任と覚悟を国民の皆さんと共有したい。」と述べました。また、この中期目標を決定するに際し、専門家の方々に総合的・科学的な分析をお願いしたことや、1万人を超える多くの方からパブリックコメントが集まったこと、また世論調査や全国での意見交換会を開催したことを説明し、合わせて、これら協力いただいた多くの方々に感謝の言葉を述べました。

 総理は「主要排出国の全員参加と日本のリーダーシップ」「経済と環境の両立」「長期目標の実現」という、中期目標に関する三つの基本原則を示し、それぞれについて説明を行いました。

 今回の中期目標である2005年比15%削減は、パブリックコメントや経済界、労働界から支持された目標数字を上回る「極めて野心的な目標ではあるものの、低炭素革命で世界をリードするためには一歩前に出て、倍の努力を払う覚悟を持つべきだ」と決意を述べました。

 そして最後に、「生活者、産業界、労働界、国、地方、みんなが一致協力して、生活のライフスタイルや産業構造の転換など、低炭素革命実現のために行動を起こさなければなりません。今を生きる私たちは、未来の世代のために、この美しい地球を守り、引き継いでいく責任があると存じます。将来の子どもが歴史を振り返るとき、『あの時代に低炭素革命を実現して、地球を守ってくれたんだ』と言われるように、『未来を救った世代』になろうではありませんか」と述べ、国民の皆さんへの理解と協力を求めました。