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コンピュータサイエンスの世界においては、最も基本的なアウトプットは論文である。論文にはその研究の意義、研究によって産み出された新たな技術や発見等が記されている。
論文が世に出るまでの基本的な流れとして、
1. 論文を学会等が主催する会議の投稿締切までに投稿。例えば、IEEE (学会等)が主催する INFOCOM (会議)
2. 会議の運営委員が論文を審査
3. 論文の著者に合否判定 (採択通知)
4. 会議にて論文を紹介するプレゼンを行う
というものである。
この論文は学会が発行するプロシーディングと呼ばれる論文集にて公開される。

会議にはレベルがあり、例えばシステム系の会議の最高峰としては、幅広いテーマを扱うものに SOSP, OSDI, NSDI, SIGCOMM, USENIX, INFOCOM などがあり、それよりは特定のテーマに特化した会議として、FAST (ファイルシステム/ストレージ) Security (セキュリティ), SenSys (センサーネットワーク), IMC (ネットワーク計測), Mobicom (モバイルコンピューティング) などがあげられる。
世界で最高レベルの研究成果はこれらの会議にて発表される。

これらを筆頭に、様々なレベルの会議が存在する。
さらにこの国には情報処理学会や電子情報通信学会など、国内学会というものも存在する。
これらの国内学会こそがまさにこの国に巣食う膿なのだが、それについては後日述べる。

トップ会議に採択される研究のすべてがよい研究というわけではないが、よい研究はトップ会議に採択されるものである。つまり、トップ学会で研究を発表することはよい研究の最低条件である。
その上で、研究成果が後の優れた研究の基礎となったり、あるいは研究成果の実用化 (商用システムでの利用、広く普及しているオープンソースプロジェクトへの貢献)、標準化への貢献 (IETF等) などにより、学術的な面以外でも大きな貢献を果たすのがよい研究である。
例えば、2003年に SIGCOMM にて発表された delay-tolerant network という新たなネットワークアーキテクチャの論文は、それに続く多くの研究を誘発したすばらしい研究の例である。
また、1999 年に USENIX にて発表された UVM という新たな仮想メモリの論文は、実際に NetBSD というオペレーティングシステムに採用されているすばらしい研究の例である。
この場合で重要なのが、「学術面の貢献に加え」、社会/実世界で貢献、ということである。もちろん社会/実世界における貢献はすばらしいが、学術的にも大きな貢献がなければよい研究ではなく社会活動である。

* 会議のプロシーディングに加え、ジャーナル論文というのが存在し、これは学会の定期刊行物のようなもので、会議における発表はない。多くの研究分野ではこのジャーナルがプロシーディングより高く評価されるらしいが、コンピュータサイエンスの一部 の分野(システム系、コンピュータグラフィックス系、ヒューマンコンピュータインタラクション系等) では、比較的新しく進化が早い分野なせいか、世に出るまでの時間が長いジャーナル論文は、最近は扱いが低い傾向にある (世の中へのインパクトという意味で。大学の人事へのインパクトではない。これについては後日述べる)。システム系の研究分野でトップクラスの成果をあげているあるロンドン大学の先生は、"Nobody reads journal in computer science" と言っており実際ほとんどジャーナル論文は書いていない。