実家からマンションに戻る途中に、建築途中の家があった。
真新しい木の枠組みを見ただけなのに、瞬間、泣きそうになる。
子供の頃、小さな木片を立てて家を作っていたような記憶が、不意によみがえって。
その頃から家は余り安らげる場所ではなかったから、ずっと夢見ていたんだよね、いつか、自分らしく暮らせる家をもてることを。
住宅のチラシの間取り図を見るのも好きだった。   今でも好き。
でも、夢、叶えられなかったなぁ…。

義母は今日は夜まで藤井聡太の王将戦をリビングで観ているのだろう。
その横で、私はパタパタとご飯の支度をし、見かねた旦那さんが仕事でくたくたなのに手伝ってくれてしまう所までがワンセット。

虚しいなぁ…無性に。