Sweet Silly Love Call 濡れた吐息で Last JJver. | True Blood Love -Last Song-

True Blood Love -Last Song-

2人で奏でる歌

said JJ by TBL 綾香



昨日のこの時間は、ユノの腕に包まれて、茜色を見たのに…。
あんなにも触れ合って、温もりを交換し合ったのに、もう足りなくて…自分の腕で、身体を抱いた。


撮影の僅かの合間の休憩に、人から離れて。
そっとタップした画面に残されたメッセージ。


再生した途端、穏やかなユノの声が、鼓膜へと囁きを送る。
あの日、とても疲れて、ユノが来たことすら気がつかなかった俺の寝顔を見ながら、残してくれたメッセージ。


ああ…あの日、とても幸せに目覚めた事を、ユノのメッセージに残せばよかった。



俺達を、ごく平凡なカップルだと言ったユノ。
そうだね。
喧嘩もするし、すれ違って別れたりした事もある。


やたらと自分に厳しいユノ。
いつも、多くの練習生達の中心にいたのに、どこかラインを引いて。
ココからは入ってくるなと威嚇する手負いの獣みたいだった。


出会った時、鋭く睨まれたのは、覚えてる。


どうして、あんな風に睨まれたのか、あの時は解らなかったけれど。
俺も子供だったから、ムキになってユノとは正反対な事ばかりしてたけれど。


あの時から、俺にとってユノは特別だったのかもしれない。
気になる存在じゃなかったら、相手にしなきゃいいのに。
まるで当てつけるように、ユノの視界に入るように、振る舞った。


自分とは正反対のユノを、手に入れたかったんだと思う。
熱く燃えるような眼差しを、穏やかな眼差しにしたいと思った。


『俺たちのような結びつきを、世間では不自然で不健康だと言う人も…大多数だろうけれど、そんなことは知ったこっちゃない、俺にとっての自然がお前なら、それを赤の他人にとやかく言われたくはありません』

穏やかな口調で、けれども、とてもはっきりと…他人に介入されるのは嫌だと言うユノ。
とても強い意志でいて、けれど、どこか弱く思うのは気のせいじゃないと思う。

優しくて、強くて、それでいて…なんて孤高な人。


ユノと出会って。
ユノを好きになって。
ユノと愛し合って。


ユノと生きると決めた日。


優しくて、強くて、熱いユノを包み込めるようになりたいと思うのに。
我儘で、弱くて、ユノに包み込まれないとダメになった。

「この世の中で、誰よりも大事に……そう、誰より…愛してます。――こら…
どうやら俺の奥さんが起きたようなので、この後は俺の気持ちを、身体で表現したいかな、と…」

穏やかに笑みを含んだ声で、ユノが囁く。
そう、この後に、抱いていい?って甘えた声で言ってたね。

恥ずかしくて、嬉しくて。
俺は、『ばか…』ばっかりだったけれど。

ユノは、そんな俺の『ばか…』が聞きたかったって言った。



「ふふ…ばか」

もう、1日の半分が過ぎてしまったのに、身体に残る感覚は、ユノに解らないだろう。
受け身になる事は、負担が多いのだろうけど…。
暫く残る、この感覚は、堪らなく幸せだと思う。

「ユノにもしてあげようかな?」

そう呟いてから、そんな事言ったら固まりそうなユノを想像して小さく笑った。


ユノ程、繊細じゃない俺は、多分雑草のように踏みつけられても負けずに生きていくだろう。
外見から、乙女思考だって思われがちだけれど…ユノの方がよっぽど乙女思考だ。


「そんな所も好きだけど」


ユノの声を聞いて、ユノの事を考えていたら、昨日あったばかりなのに、もう愛しさが募る。


「電話しちゃお…」

電話して出なかったら…、また前のように、メッセージを残していくもの楽しいから。


携帯のアドレスをタップして、ハートに挟まれたユノの名前に笑みを零す。
ほら、名前を見ただけで嬉しくなるから、ユノも俺の名前にハートを付ければいいのに…。
なんて、女の子っぽい事を考えてコールしたら。
呼び出し音もならずに繋がって…あれ?と不思議に思いながら話しかける。


「もしもし?」


『あ、ジェジュン?』


「俺以外に、誰が出るの?」


『ハハ、それもそうだね』


「どうした?」




『忙しいのにごめん、今お前のメッセージ聞いたんだ。

どうしてもこれだけ言っておきたくて…』


「ユノも? 俺も丁度、同じ事考えてた」




俺のメッセージ、ユノも丁度、聞いてたよって言うユノ。
最後、涙声だから、ちょっと恥ずかしいのに…優しい声が、嬉しくて。




「『愛してる』」



そっと告げた言葉は、まるでハーモニーのように重なったから。
俺達は、声をあげて笑った。



ユノ、ユノ…。

俺を愛してくれて、俺に愛させてくれて…どうもありがとう。


そして、これからも…どうぞよろしく。






甘くてバカみたいなラブコール。

お前だけに鳴らすよ。









Sweet Silly Love Call




お前を呼ぶよ。






fin






Last YHver はコチラ

$True Blood Love -Last Song--max13

☆☆★☆★またはいつか来た海




あとがき

コラボ開始から2ヶ月、私事で色々と遅くなってしまって、読者の皆様にはご迷惑をおかけしました。
やきもきさせて、申し訳ない。
フォレストからのTBLの読者さんは、まぁ、またいつもの事か!!と慣れていらっしゃるかと思いますが(いつも甘えさせてくれてありがとう)、新規読者の方、また今回コラボさせて頂いたmax13様からの読者様には、お叱りを受けてもしょうがない程の遅筆っぷりで…。

普段、ユノ視点が多い為に、とても新鮮な気持ちで書かせてもらえました。
ユノがね、爽やかなイケメンなので、ジェジュンの甘えっぷりが、日にまして増量していったような。

大まかなプロットしか立てず、お互いに書いたものを読んで次の展開を書くので、
そうくるか!!!とニヤニヤしながら書かせてもらいました。


同じユンジェでも、やっぱり違うなぁと…色んな発見をしながら、とてもいい経験をさせて頂きました。


まだまだ未熟なので、読み辛い点が多々あったかと思いますが、max13様の胸をお借りして、自由に書かせていただきました。

ユノとジェジュンの感情にシンクロ出来るように、これからも頑張りますね。
お付き合い頂いた読者の皆様、ありがとうございました。




いっぱい我儘を聞いてくれたmaxちゃんへ。

いつも、いつもフォローありがとう♪
イケメン爽やかユノに、いっぱいニヤニヤさせて貰いました。
うちのユノに爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだわ…。

おかげで可愛らしい嫁を書くいいチャンスになりました。
本当にありがとう。

旦那がしっかりしてマメだから、嫁は安心して甘えられます。
や、もっとしっかりしろ私(笑)。

これからも、どうぞ宜しくお願いします。






True Blood Love -Last Song- 綾香