高校時代の夏、部活帰りに駅前の本屋へ寄っては、よく文庫本を買って読んでました。“ナツイチ”とか、ああいうキャンペーン好きなんですよ。「夏が来たなー」なんてしみじみと、夏の甲子園中継やKINCHOロゴ花火CMを見たときみたいに。
当時、浅田次郎の有名な『プリズンホテル・夏』という、真面目とコメディが入り交じるような面白い本を読みました。舞台となるホテルの厨房には、板前とシェフが一人ずついて、お互いが腕に自信あってプライドも高く、厨房で喧嘩ばかりしてるんですよ。
そしてある真夜中、ちょこっとワケありの一家が突然ホテルに泊まりに来るんですね。部屋に着くなり食事を注文するんですけど、夕食の時間はとっくに終わっています。一家がどうしてもというので、スタッフが厨房に行くと、板前とシェフはもう翌日のために調理器具の手入れをしているところ。
そこでスタッフが注文を告げると、板前とシェフは即座に手入れを止めて、我こそが料理を作ると言い、案の定喧嘩になります。雑炊を作るかリゾットを作るかで(笑)結局両方作ります。
この二人に「作らない」っていう考えは全然ないんですよ。仕事も終わっている時間なのに、そこにお客さんがお腹を空かしていて注文が入れば、何の迷いも無く当たり前に料理を作ろうとする意識。作者がそこまで狙って書いたかどうかは知りませんが、バイトもロクにしたことがなかった高校時代、自分が初めて感じた「プロ意識」はこれです。
曲がりなりにも、プロのPAエンジニアとなった自分を今も根底で支えるこの意識。あの頃この本を読んでいて良かったなって本当に思います。
今年はナツイチ、AKBなんですね。本屋にずらーっと平置きされてるとこから、1冊だけ選ぶのが好きです。自分何冊も一気に買うと読まないのとか出てくるんですよ^^;いやー、夏ですねぇ。