これはいい。ちょうど良い暇潰しになりそうだ(笑)
「すみませんが免許証を見せていただけますか?」
「ハイどうぞ。ちょっと待ってくださいね。」
すぐに免許証を手渡しながら、あえて待ってと言う私。
警官が免許証をチェックしようとしたところへ、
私はポケットからライトを出して表面を照らしてあげた。
「あっいやいや、大丈夫です。」
警官が恐縮して自分のライトをカバンから出す。
ふむ、トラック買取も掴みはオッケーだな。
本籍の変更有無などの一般的な質疑応答のあと、
本庁での無線によるチェックのため
免許証はもうひとりの警官に手渡された。
念のためここでエンジンを止めておいた。
「大変申し訳ないんですが、
身体検査させていただいてもよろしいですか?」
「ええ、どうぞ。あ、ドア開けまーす。」
下がる警官に合わせて、私は車を降りた。
警官がえっ!という顔で私を見上げる。
軽四から降りてくるからさらにギャップがあるのだろう。
「大きいですねー。何かスポーツやってたんですか?」
「いえ、なんにも。」
「えー?これだけ大きければ色々やってたんじゃないですか?」
「いえいえ。単に太っているだけです。」
やましい事はないが、こういう場所では
格闘技の経験があることは言わない方が良いのだろうと思う。
「あのー、こういった職務質問みたいな事って初めてですか?」
「ええ、だいたい毎月ありますよ。人相風体が怪しいですから。」
簡単なボディチェックをしたあと、
場馴れした雰囲気に違和感を覚えているのか、そんな会話があった。
どうせ職質記録がズラッと残っているはずだから、
本庁問合せ中にすぐにウラが取れるだろう。