金木犀の風の中
何度も森で撮影した写真を
眺めています。
静かな湖の水面は
いくつもの色を湛えていました。
10月に入って
苦手な会合や
同窓会が続きました。
会いたい人に会えなくて
そうでない人に会わなくてはならない
大人の事情。
懐かしくて怖くて
辛くて悲しくて
過去も未来も切なくて
あの人も この人も
縁あって同じ時に生かされた
全て必要な出会い。
閉ざした扉の鍵を開けて
今の私は 何もかも
受け入れることができそう。
保つ距離も確かめて
ちゃんと立っていられそう。
思い出も傷も運命も
たおやかに受け入れる。
明日は父の手術
待っている間
私は新しい五線紙に
優しい曲を書きます。
「ありのままでそばにいて」川江美奈子
