※BL・腐の意味がわからない方、これらの言葉に嫌悪感を抱く方は閲覧をご遠慮ください。
また太妹が嫌いな方もです。

いい夫婦の日と前後しましたがポッキーの日小説です。しかしもはやポッキーではないものを作り出してしまいました。これはポッキーの日用と呼べるのだろうか・・・?そしてちょいエロなので気をつけて。
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11月11日。それはとある菓子の日だと太子は言う。
その日はこの国伝統のお遊びがあるようで、それをやりたいがため、太子は妹子の家におしかけた、らしい。
それにしても、平日仕事終わりの疲れきった時にくるのはやめてほしい、とつくづく思う。
まあそれを言ったところで改善の余地は見込めないので、代わりに妹子は諦めのため息をついた。

「それじゃ、妹子!ポッキーゲームをしよう!」
「ポッキーゲームぅ?」

太子の上機嫌な様子とは反対に妹子は片眉を吊り上げながら彼の言葉をオウム返しした。
別にそれを全く知らなかったわけではない。どんなゲームなのかは、ちらりと小耳に挟んだことはある。

これは二人で行うゲームで、ある細い棒状のチョコ菓子の端を咥え、同時に両側から食べ進めていくというものだ。
それでこのゲームの楽しみは何かというと、食べ進めていけば棒状の菓子はどんどん短くなっていく。それに伴い、二人の距離もどんどん縮まり、最終的には唇が触れ合う、という点だ。
つまりこれはカップルや友達同士のおふざけ向けなのだ。それを何が悲しくてこんな臭いオッサンとやらなければならないのか。

「ちょっとさっきから君酷くない!?私のこと臭いオッサンとか・・・まだピチピチのナウなヤングだもん!」
「あ、思わず口に出してしまってました。それとアンタは十分オッサンです。」

泰然自若とした彼の態度に言い返す言葉が見つからなかったのか、ぐぬぬ、と唸りながら太子は不満ありげに睨みつけてくる。
それから気を取り直したように、腕を振り上げ早口で言った。

「とっ、ともかくやるぞ!いいよな恋人同士だし!というか拒否権はない!」
「職権乱用・・・。」
「べ、別に摂政命令とは言ってないだろ!」
「はあ、まあ・・・いいですよ。」

恋人、という甘い響きに妹子の胸の奥で暖かい何かが広がった。
惚れた弱みというやつだろうか。つくづく自分は甘いな、と思う。

気づけば目の前で太子が何やら己の顔を見てにやついていた。そういえば心なしか頬が熱いような気がする。
感情を隠すのはうまいほうだと思っていたが、どうもそれも彼の前だと調子が狂うようだ。どこまで彼に弱いんだ、と自分に呆れる。

「それじゃあ・・・はいこれ。」

太子は冠を取り、それを振るうと見慣れたパッケージが目の前に現れた。
その冠の中はどうなっているのだろうかと思いつつもそのまま眺めていると、そこから出てきたものに妹子は軽く目を瞠った。

「え、なんですかそれ。」

彼はてっきり片方がチョコに包まれ、もう片方がクッキーになっている棒状の菓子が出てくると思っていた。
しかし太子が出したものは、片方がチョコで、もう片方もチョコ、つまり全てがチョコレートに包まれたものだったのだ。

妹子が素直に驚いたのは彼の妄想とも呼べる予想通りだったのか、口角を上げ誇らしげにそれを差し出す。

「ふっふっふー。これはなあ、特注で作ってもらったポッキーだ!」
「いやもうそれポッキーじゃありませんよね・・・?」
「う・・・と、ともかく聞きんしゃい!
ポッキーゲームの醍醐味といえば、最後に待ち構えているちゅーだろう?
でもその時大体まだ口の中にポッキーの破片が残っているだろ?通常のポッキーはチョコの中にクッキーが入っているからちゅーした時に口内を怪我してしまうかもしれない上むせた時辛い・・・いや実際はわからんが辛そうだ・・・ということで!クッキーをなくし中を空洞にした、全てチョコでできたポッキーを作ってもらったのだ!」

ふんぞり返って満足そうに笑う太子とは反対に、妹子は頭を抱えながらため息をついた。
そして発言権を求めるようにスッと片手をあげる。

「あの、一つ・・・いや、二ついいですか。」
「ん?なんだ?」
「何故ちゅーで口内を怪我すると思ったんですか?唇をくっつけるだけだと思うのですが。」
「あー・・・そうか、そこで終わらす手もあったのか。」
「・・・一体どこまでする気なんです?
まあいいや。もう一つは、何故全部チョコで固めないで中は空洞にしたんですか?」
「なんかそっちのほうがうまそうだろ。ほら、中に玩具入ってる、卵形のチョコとか何かうまいじゃん?」
「あー、それはなんとなくわかります。」

それから暫しの沈黙の後、太子はもう質問はないと受け取ったようで、棒の端を咥え、さあやるぞと言わんばかりに妹子の口の前に突き出した。
心の準備もなく始まったそれに、彼は躊躇いつつも渋々それを咥え込む。

静寂の中、ポリ、という静かに食べ進めていく音と、緊張で騒がしい己の心音だけが妹子の耳に届く。

(立ったままやるのかよ・・・。
しかしこれ・・・どこで終わらせよう?まさか本当にちゅーするのか・・・?直前で折ってもいいけど折るにしては少し太い気がするし折れるかな・・・?)

そのようなことを考えているうちに、やがて太子の顔が目の前へと迫ってきた。
自分はゆっくり食べていたつもりなのだが、彼はお構いなしに平気で食べ進めていたようだ。
いよいよどうしよう、と焦りで鼓動が速まっていく。
そして本当にあと一息で唇が触れるというその時、途端に妹子の心臓は停止した、かのように思えた。

(あ・・・、睫毛、意外と長い・・・。)

直前に迫った、目を伏せている太子の顔を見て、彼はふとそう思った。
刹那、呼吸も、胸の鼓動も時も止まり、完全に無音の世界に包まれたような心地がした、
が、しかし、太子によりすぐに現実に戻されることとなる。

彼の顔に見惚れていて、一瞬、何が起こったのか理解できなかったが、一部に感じる体温に、自分は腰を引き寄せられたのだと数秒置いてわかった。
それから口腔に感じる熱に、相手の舌が入り込んでいることも理解した。

(くそっ、やっぱりこうなるのかよ・・・っ!)

彼の思惑通りにいったことに悔しさを覚えつつも、腰に回っている腕の強さで、今更後に引けないことはわかっているので妹子は仕方なくそれを受け入れる。

彼の言うとおり、確かに口内にはまだチョコの破片が残っていた。
しかし妹子はちまちま食べていたのでほとんど溶けており、当たり前だがざっくりと大きく食べ進めていった太子のものが大部分だった。
わりと大きめの破片もあるらしく、妹子はそれを自身の舌に渡され、更にそれを溶かすように舌の平を押し当てられた。
チョコを溶かすと共に自身の平も丁寧に舐め上げられ、妹子の背筋に電流が走る。

「はっ、んん、ふっ・・・。」

耐え切れず声が漏れてしまったが、息苦しさで既に頭がぼうっとしてきているのが作用し羞恥を感じる暇はなかった。

やがて破片が溶けると、太子はねっとりと舌を絡ませ、口内を蹂躙する。
脳髄が痺れるような甘さに恍惚としていると途端に口許が涼しくなった。
それと共に大量の酸素が供給される。

「はあっ、はあっ・・・。」

名残惜しく舌を出しながら息をしていると、妹子の蕩けた瞳に満足したのか太子は不敵な笑みを浮かべた。

「チョコ、まだ残ってるね。」

そう言うと再び口を塞ぎ、妹子の舌の平に残っていた、溶けたチョコレートを全て食べてしまおうと、舌ごと吸い上げる。

「っあ・・・!」

その強い刺激に耐えられず、妹子の身体がビクンと跳ね上がった。
そして次の瞬間、膝からガクンと崩れ落ちる。

「あっれー?どうしたの妹子?」

太子は意地悪く唇を吊り上げながら座り込み、妹子と目線を合わせる。
彼は快感の余韻に浸るように浅く痙攣していた。交わらせている視線にも、情欲の火が灯っていることがわかる。
太子がそっと頬に触れると、小さな声と共に再び肩が跳ね上がった。

「妹子は本当感じやすいねえ・・・まあ、そこが可愛いんだけど。」

太子は彼の首筋に唇を寄せ、軽く吸い上げた後に、妖しい笑みを浮かべながら言った。

続きはベッドで、ね?

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☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*あとがき☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
つくづくアッー♂な終わり方が好きだなあ・・・と、自分でもわかっております。本当好きだなあ自分・・・。
そしてあれはポッキーと呼べる代物だったのだろうか。まあいいや・・・。
でも個人的に食べてみたい・・・中が空洞なの所望。なんか・・・チョコエッグとかおいしくないですか?好きなんですけどチョコエッグ。

ギャグかと思えばエロみたいになってすみません。
個人的に前半のやりとりは好き。

ではでは、いつもお読みいただきありがとうございます(*^ー^)ノ
※BL・腐の意味がわからない方、これらの言葉に嫌悪感を抱く方は閲覧をご遠慮ください。
また太妹が嫌いな方もです。

いい夫婦の日ということで。短いです。
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休日にも関わらず、小野妹子は上司と共に過ごしていた。
というのも、この上司、聖徳太子とは恋仲なのである。
休日は相手が自宅に押しかけてきて、いつもこの調子なのだが、今日は不自然な点があった。
太子が朝から妙にそわそわしているのである。
理由を訊いても何でもないと答えたり、急に口笛を吹き出してやり過ごそうとする。
どこが何でもないというのだ、あからさまに不自然じゃないか、と妹子はため息をつく。
どこかやりづらさを感じつつも妹子は朝、昼と彼と過ごした。

そして空が美しい夕焼けを経て闇へと染まりきった頃、その違和感は更に増した。
部屋をうろつきあからさまに挙動不審で、唸ったりブツブツ独り言を呟いたりと百面相をしていて、見るに耐えなくなった妹子はとうとう強気の口調で訊く。

「太子!何なんですかもう!朝から変ですよ?」

急に大声で話しかけられて驚いたようで、太子の肩が盛大に跳ね上がった。
それから決まり悪そうに視線を横へとずらし、数秒唸った後、意を決したように妹子の元へと歩み寄る。
予想外の行動に妹子は対応できず、え、と呟き、そのままそこへ立っていると、寄ってきた太子に力強く肩を掴まれ、更に硬直した。

「い、妹子!」
「は、はい。」

睨めつけているともとれる、切羽詰った双眸で瞳を射られ、妹子はまさに蛇に睨まれた蛙のような状態になる。
しかし次の瞬間、ふっと肩の重みが取れたかと思うと、目の前の男は何やら懐を漁り始めた。
それから暫くして、目の前にリボンつきの袋が差し出された。

「あ、あの、これ。」

いまだ頬を染め、挙動不審に拙く喋る太子の意図を汲み取り、妹子は素直にそれを受け取る。
開けていいものなのかどうか、目で合図を送ると相手はこくりと頷いたので、変な緊張を覚えながらも妹子は包装を解く。
そして中から出てきたのは、隅に四葉の刺繍入りの赤いハンカチだった。

とりあえず目的を果たして安堵したのか、まだ少し落ち着かない様子だったが太子は口を開いた。

「今日、いい夫婦の日だって聞いたから、普段妹子には沢山世話になってるし、その、いつものお返しがしたくて。」

つまりこれは、恋人としての日頃のお礼、ということなのだろうか。
軽く目を瞠りながら暫しそれを見つめていると、深呼吸でもしたのか、ようやく落ち着いた低い声で名を呼ばれた。
反射でふと顔をあげれば、先程までの不審な態度の面影はなく、真剣な眼差しを向けている彼がいた。

「いつもありがとう。そして、これからもよろしく。・・・愛してるよ。」

それから少し表情を和らげ、ありきたりな言葉でごめん、と彼は苦笑を浮かべた。
脳内処理が追いつかないまま事が淡々と進むものだから、妹子は口も聞けず終始硬直しているしかなかった。
しかし彼の、少し照れの入った笑顔を見ていると、つられたのかいつの間にか自身の頬も緩んでいたことに気づく。
そして何だか胸の奥から湧き出る抑えきれない衝動に駆られ、らしくなくとも妹子はその欲望に従った。
途端に、わっ、と太子から驚きの声があがる。

「ほんっとバカですね太子・・・。
僕も、愛してますよ。・・・ありがとうございます、嬉しいです。」

相手の背に回した両腕を更に強く締めると、自身の腰にも心地よい腕の強さと体温を感じた。

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平日の昼下がり。
厠から仕事場へと戻ってきた妹子は寒さに耐えるように手を洗ってからそのままハンカチを握り締めていた。
するとそれを見た同僚の1人が笑みを浮かべながら話しかける。

「お前さー、本当そのハンカチ好きだよなー。」
「え?」
「だって毎日毎日同じの持ってきてるじゃん。」
「そんなわけないよ!ていうかその言い方まるで僕が洗わずに毎日同じの使ってるみたいじゃないか!」
「いやそういうことじゃなくて・・・お前のその、赤いやつの他に青いやつもあるだろ?それ毎日交代で使ってるから、余程その種類のハンカチがお気に入りなのかと思ってさ。」
「う・・・、ま、まあ、このシンプルな四葉の柄が可愛いというか?なんかね?ほら、その。」
「なんだよいきなり挙動不審になりやがって・・・まあ、いいんじゃねえの。お前がいいなら。そのハンカチも、贈った人も沢山使われて嬉しいだろうよ。」
「何で人から貰ったってわかったの!?」
「いやそりゃ態度でわかるよ普通に・・・。」

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*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆あとがき*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
さて、太子は赤のハンカチだけを贈ったはずなのに何故妹子はおそろいの青のハンカチまで持っていたのでしょうか。う腐腐腐腐(

すごい、珍しくイベントの日に書いて終われたよ・・・ポッキーの日まだ書いてないというのに・・・。

太妹に永遠の幸あれ。
いい夫婦の日なんて特別な日がなくても普段から二人はいい夫婦だし、何気に愛を噛み締めながら過ごしていると思います。実はバカップルだと可愛いね太妹ちゃん。

ではでは、お読みいただきありがとうございました(*^ー^)ノ
こんにちは。
最近・・・というかまあ最近でもないけど、ブログというより小説置き場と化していたのでね・・・たまには近況報告。
といっても夏ごろからずーーっと体調悪くてあんまりやりたいことやれてなかったりして時々苛々したり落ち込んだり・・・。でも最近点滴打ったり薬変えたりして良くなってきましたよ!
それで、あまり外出れないものだから何か家の中でできる暇つぶし(スマホゲーム、SNS以外)ないかなあ・・・と。ハンドメイドとか気になるけど作り方とか見ただけで挫折状態←
まあ全然完成の気配がない衣装は作っているのだけれども・・・。何せあんまり作らないものだから金額が結構かかって・・・(-"-;A
業者製のを作り直したほうがよかったかなと・・・でも今更だしなあ。
うーん、何か趣味が欲しい・・・それよりも勉強しろってな・・・わかってる・・・。
ではでは(*^ー^)ノ