本日から、最近(2023年12月)刊行された、マックス・ウェーバー『支配について Ⅰ 官僚制・家産制・封建制』(野口雅弘訳、岩波文庫、2023年。)を読む。

 

これは、ウェーバーが1914年ごろ執筆し没後刊行された『経済と社会』のうち、支配についてのテクスト群を翻訳したものである。(従来、『支配の社会学』(世良晃志郎訳)の名で親しまれてきたテクストである。しかし、このタイトルはウェーバー没後に編者ヨハネス・ウィンケルマンによってつけられたものであり、ウェーバー自身によるものではないことから、改題しているとのこと。)

 

目次(Ⅰ、Ⅱまとめて記載。)

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『支配について Ⅰ 官僚制・家産制・封建制』

支配

一 権力と支配。過渡的形式

二 支配と行政―民主的行政の本質と限界

三 「組織」による支配、妥当根拠

官僚制

家産制

封建制

用語

訳者あとがきⅠ

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『支配について Ⅱ カリスマ・教権制』

カリスマ

カリスマの組み替え

カリスマの維持〔および規律〕

国家と教権制

【付録1】レジティメイトな支配の三つの純粋類型

【付録2】国家社会学の諸問題(1917年10月25日、ウィーンでの公演、『新自由新聞』の記事)

用語

訳者あとがきⅡ

索引

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※関心を持った箇所、疑問に思った箇所を抜き書き、適宜コメントしていきます。

皆さま、はじめまして。

 

本ブログでは、ブログ主の読書記録を掲載したいと思っています。

 

現時点でまだ何を読むか決めておりませんが、大まかな方針として、時事的なものを避けながらも現代の理解のために必要な古典的な思想書、哲学書、歴史書を読むこと、またそれに関連する研究書、論文の内容を紹介することを掲げたいと思います。ただし初めのうちは、この後述べます私の関心に沿って、西洋とくに近代西欧を中心とした選書になる予定です。

 

ブログ主の公式な興味関心(いわゆる「専攻」)は近代ヨーロッパ、特に19世紀ドイツにおける政治思想と宗教との関係です。19世紀に入って「ドイツ」はフランス革命の余波やナポレオンの侵攻占領を受けて、その政治秩序が大きく動揺します。宗教もまた同様にフランス革命以前からの啓蒙主義や「疾風怒濤」、さらにロマン主義の運動を経て変容を余儀なくされます。また正統教会は当時の政治秩序を構成しており(領邦教会制)、政治と宗教双方の変容に際して応答せざるを得ません。さらに正統教会に表される宗教に飽き足らず、教会から独立した近代の自律的理性を駆使して新しい宗教観を提示する思想家も登場します。そして彼らもまた政治とは無縁ではなく、それぞれの運命を背負っていくことになります。こうした世界観の動揺(トレルチが「すべてが揺れ動いている(Alles wackelt)!」と叫んだこの状況)のなかには、現代の私たちが縁遠いものと見なす(もしくは見なさざるを得ない)政治と宗教の関係を見直す手がかりがあると私は考えています。

 

…以上が公式の興味関心ですが、その他にもいろいろあります。クラシック音楽、日本古代史、または近代日本の政治史、漫画等、分野・時期によって強度は異なりますが、広く関心を持っています。詳しくはまたこれらについて取り上げる機会がありましたら本ブログで説明したいと思います。

 

とりあえず、初めは私の「専攻」に沿った著作を取り上げる予定です。また気が変わるかもしれませんが、それまでしばしお待ちください。
 

(ちなみにカバー写真は東京ディズニーシーの風景です。なにかヨーロッパらしい写真がないか探したのですが、これしかありませんでした。)