元々、君子危うきに近寄らず。人を見たら泥棒だと思え。という考え方の私は、自分の理解出来ないものには手を出さない保守的な人間だ。故にSNSも、どうもうさん臭いし犯罪に巻き込まれるのではないか？などと考えていてLINEすらも利用する事はなかった。
まさに時代に取り残された化石のアラフィフだった訳だ。
周囲の友人に誘われても「いや、そういうのはやらないんだよ。」と拒絶し続けていた。
SNSに対する抵抗がなくなったのは思わぬ事がきっかけだった。
私は1969年生まれ。小学校以来、無類のガンダム好きである。最初のガンダムはTVにかじりつき、小遣いを貯めて劇場まで映画も観に行ったりしたものだ。
ファミコンやPSにもハマった世代である。
3年前、九州の片田舎での業務に暇を持て余した私は、ガンダムのゲームアプリをスマホにダウンロードした。
このゲームはモビルスーツやパイロットを育成し、他プレイヤーとバトルなどで競っていくというものだったが、トレードの機能や他プレイヤーと部隊を作りプレイしたりしなければならない為、顔も知らないどこの誰かも分からない人間とコミュニケーションを取らなければならなかった。最初は警戒心が先行して馴染めなかったが強くなる為には他人の力を借りるしかないと思うようになり、積極的にコミュニケーションをとるようになった。慣れてくると不思議なもので知らない人達でもメッセージのやり取りで人となりがわかり、自分の価値観や考え方に近い仲間が出来ていった。
その内にLINEの交換などもして、オフ会と称して仲間同士の飲み会に集まると皆想像した通りの人物達でまるで旧知の友人のように盛り上がった。(ゲームの中では戦友達なのだが、本当にみんな実在したんだね。と笑い合ったのだ)
驚きだったのはガンダム好きはおっさんしかいないと思っていたが、30代前半の青年や20代の女の子がいた事でガンダムが男女や世代を問わず愛されているという事を知った事だった。
これが無ければ絶対に出会う事も無い筈の人達と友人になれた事は現代社会の為せる業なのだろう。
さて、そんな経緯もありブログなども始めたのだが、Facebookを始めてからすぐに、もう20年以上も連絡を取ってなかった大学時代、高校時代の友人達からメッセージが届いて連絡が取れるようになった。
連絡先も分からなかった彼らとこうして連絡が取れるFacebookの機能には正直感心した。
Facebookってすごい！
SNSのおかげで、知らない人と知り合えるという意味で世界は広くもなったし、音信不通だった友人と連絡が取れるようになったという意味では世界は狭くなったのだなぁと感じる。
ただ、おっさんの許容範囲は限界に達しつつある。あれもこれもやるのはしんどいものだ。
やっぱり化石になるのがおっさんには相応しい。