前経営陣が昨年実施したリブランドが失敗に終わったことで、
立て直しを行うために再び戻ってきたのだ。

昨春ロゴとパッケージを一新し、ドリカムの吉田美和をキャラクターに迎え
広告展開をしかけてきたときから、私はファンケルの業績に注目していた。
なぜなら、最初にあれを見た瞬間「これはまずい・・・」と直感したからだ。
「ファンケルらしさ」がまるでなくなり、一瞬ソフィーナとかカネボウとか
そういったブランドなのかと見紛うほどであった。
洗練さえしていれば、より多くの人がついてきてくれるはず、
と言わんばかりのクリエイティブに、それが立証されるのかどうかをぜひ見てみたいと思った。
結果、池森会長も「自己満足の芸術品だった」と評したように、
顧客離れが進み、ついに初の赤字を出してしまうことになったのである。
このプロジェクトがどういう組織体制で進んだかはわからないが、
もしも、サイエンス(顧客データなど)を担当する会社(コンサル会社)などの介在なしに
アート(広告代理店、デザイン会社)の主導で進めてきたのであれば、
失敗の原因はここにあったように思う。
また、既存顧客や現場で働くスタッフなどといった現状をほとんど見ようとせず、
クリエイティブディレクター(がいると仮定して)が自分の感覚を頼りに、
やりたいように進めていったようにも感じられる。
もちろん、クライアント(ファンケル)の側も、
提案される方向性をチェックしていたであろうが、上層部の合意だけで進めていき、
現場の感覚が反映されないものになってしまったのではないだろうか。
サイエンスとアートの両方の才覚を持っている人など珍しい。
どちらか一方ではなく、それぞれの分野のプロの知識と経験を総動員し、
現場にいるスタッフの感覚を大切にすることが、リブランディングを成功に導くだろう。
店舗を持っているブランドであれば、常にファンと対話しているのは店舗スタッフだ。
今後のファンケルの動向には、もっと注目している。


