第2問:うちの犬は何故自分になつかないのか
【体験】
これは子供の頃の話です。ある日父親が泥棒除けにしようと雑種の犬を連れてきました。一応知人の家で産まれたと言ってましたが、ほんとのところは今も分かりません。もう既に成犬でした。野良犬がまだあちこち徘徊している時代でしたから、適当な犬を拾って来たのかもしれません。スピッツ系で白いふさふさの毛でしたが顔はちょっと不細工でした。妹は大喜びしてました。わたしは激しく犬に吠えられ追い駆けられた経験があったのでイマイチでした。名前はシロという捻りの欠片もないものになりました。
妹がすぐに餌あげ係になりました。散歩は家族交代で行うことになったのだと思います。1週間に1~2回わたしの当番が回ってきました。どういう親から産まれたのか知りませんがやたらと身勝手な性格の犬で、突然公園の茂みに潜りこもうとしたり、落ちているパンか何かの袋を噛んだり、座り込んで一歩も動こうとしなかったり。わたしの思う通りに歩いてくれたことは一度もありませんでした。
妹が学校から帰ってくると猛烈にはしゃいで喜んでました。喜び過ぎておしっこをしてしまう位のはしゃぎぶりでした。でもわたしの場合は多少尻尾をパラッと一振りする位のお出迎えぶりでした。妹が餌をあげられない時わたしがあげたことがあります。メニューは大抵味噌汁掛けご飯でした。器に餌を入れてあげてもすぐには近づこうとせずわたしがその場を離れるとおずおずと食らい始めます。妹があげる時と随分態度が違っていたようです。
今でも犬はやや苦手です。
【検証】
初めに考えつくのがわたしのシロに対するイマイチ歓迎していない気持ちを、彼は悟ったということでしょう。そのあたり動物は敏感です。人間関係も同じかもしれません。なんか苦手だなあと思う人から親しげに話し掛けられたことがありません。もしそうされたら却って狼狽えてしまうでしょう。向こうも絡みにくいなと思っているかもしれません。こういうのを反りが合わないというのでしょうか。第一印象とは恐いものです。
次に餌をあげる係が妹であったことも関係があります。動物は正直です。自分の欲求を満たしてくれる人に一番なつくのは当たり前でしょう。妹におしっこを撒き散らすほどの歓迎ぶりを示すのも宜なるかなと思います。散歩だって一緒です。自分がやりたいことをシロはやっていただけなのです。たぶん妹は好きなように遊ばせていたのでしょう。それを身勝手だと思っていたわたしが狭量なのです。
そして一番大きな理由は、わたしの干支にあるのでないかと考えています。そう、所謂犬猿の仲というやつです。わたしと同じ“猿”が干支の知り合いに犬を飼っている人はいません。また言い伝えられるところに寄れば、そもそも犬が十二支に加わるのを猿が邪魔をしたとか、犬の仲間である狼が猿を襲うことがよくあったそうです。
ちなみにわたしが苦手な人が犬年生まれかどうかは分かりません。恐くて聞けません。
【結論】
うちの犬が自分になつかなかったのは、犬の方がなつかなかったのではなく、わたしの方が犬になつかなかったのだということになります。主従逆転です。仕方ありません。今になってあえてなつこうとも思いませんが、シロにはすまなかったなあとも感じます。
【追記】
可哀相なことにシロは車に轢かれて重い傷を負い、数ヶ月後に天に召されました。さすがのわたしも涙がこぼれました。
今は、しっぽは振りませんがそれなりになつく動物、亀を飼っています。散歩は行けませんが可愛いです。
ブログ主"trivialquestion" 敬白
これは子供の頃の話です。ある日父親が泥棒除けにしようと雑種の犬を連れてきました。一応知人の家で産まれたと言ってましたが、ほんとのところは今も分かりません。もう既に成犬でした。野良犬がまだあちこち徘徊している時代でしたから、適当な犬を拾って来たのかもしれません。スピッツ系で白いふさふさの毛でしたが顔はちょっと不細工でした。妹は大喜びしてました。わたしは激しく犬に吠えられ追い駆けられた経験があったのでイマイチでした。名前はシロという捻りの欠片もないものになりました。
妹がすぐに餌あげ係になりました。散歩は家族交代で行うことになったのだと思います。1週間に1~2回わたしの当番が回ってきました。どういう親から産まれたのか知りませんがやたらと身勝手な性格の犬で、突然公園の茂みに潜りこもうとしたり、落ちているパンか何かの袋を噛んだり、座り込んで一歩も動こうとしなかったり。わたしの思う通りに歩いてくれたことは一度もありませんでした。
妹が学校から帰ってくると猛烈にはしゃいで喜んでました。喜び過ぎておしっこをしてしまう位のはしゃぎぶりでした。でもわたしの場合は多少尻尾をパラッと一振りする位のお出迎えぶりでした。妹が餌をあげられない時わたしがあげたことがあります。メニューは大抵味噌汁掛けご飯でした。器に餌を入れてあげてもすぐには近づこうとせずわたしがその場を離れるとおずおずと食らい始めます。妹があげる時と随分態度が違っていたようです。
今でも犬はやや苦手です。
【検証】
初めに考えつくのがわたしのシロに対するイマイチ歓迎していない気持ちを、彼は悟ったということでしょう。そのあたり動物は敏感です。人間関係も同じかもしれません。なんか苦手だなあと思う人から親しげに話し掛けられたことがありません。もしそうされたら却って狼狽えてしまうでしょう。向こうも絡みにくいなと思っているかもしれません。こういうのを反りが合わないというのでしょうか。第一印象とは恐いものです。
次に餌をあげる係が妹であったことも関係があります。動物は正直です。自分の欲求を満たしてくれる人に一番なつくのは当たり前でしょう。妹におしっこを撒き散らすほどの歓迎ぶりを示すのも宜なるかなと思います。散歩だって一緒です。自分がやりたいことをシロはやっていただけなのです。たぶん妹は好きなように遊ばせていたのでしょう。それを身勝手だと思っていたわたしが狭量なのです。
そして一番大きな理由は、わたしの干支にあるのでないかと考えています。そう、所謂犬猿の仲というやつです。わたしと同じ“猿”が干支の知り合いに犬を飼っている人はいません。また言い伝えられるところに寄れば、そもそも犬が十二支に加わるのを猿が邪魔をしたとか、犬の仲間である狼が猿を襲うことがよくあったそうです。
ちなみにわたしが苦手な人が犬年生まれかどうかは分かりません。恐くて聞けません。
【結論】
うちの犬が自分になつかなかったのは、犬の方がなつかなかったのではなく、わたしの方が犬になつかなかったのだということになります。主従逆転です。仕方ありません。今になってあえてなつこうとも思いませんが、シロにはすまなかったなあとも感じます。
【追記】
可哀相なことにシロは車に轢かれて重い傷を負い、数ヶ月後に天に召されました。さすがのわたしも涙がこぼれました。
今は、しっぽは振りませんがそれなりになつく動物、亀を飼っています。散歩は行けませんが可愛いです。
ブログ主"trivialquestion" 敬白