わらこ精霊 秋だより編

静かなやさしさに包まれて❄️
雪白ひかり(札幌市・高校1年生)

出身神社:北海道神宮
精霊属性:雪と「言えなかった言葉」を抱く精霊

🎵 6. 虹の向こうで会いたい
──わたしの歩いた先にも、ちゃんと光は届いてた🌈




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朝🌤️

札幌の空は、夜の冷たさをまだ少し残したまま淡く光っていた。
ひかりは制服のボタンをひとつずつとめる。指先に触れる金属の感触は冷たくて、思わず小さく息を吐く。
通学路の銀杏並木は鮮やかな黄色に染まり、落ち葉が風に乗ってくるくると舞った。
足元でかさりと音がして、靴の裏から秋の音が伝わる。



彼女はふと足を止め、一枚の葉を拾いあげた。葉脈の模様を眺めていると、胸の奥に残る「言えなかった気持ち」と重なる。
──消えてしまったようで、確かに刻まれている。
小さなつぶやきは白い息と一緒に空へ溶けていった。


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授業📖

2時間目の数学。黒板に走るチョークの音が教室を満たす。
隣の席の友達は迷いなく答えを書き出しているのに、ひかりのペンは途中で止まってしまった。
わからない。けれど、その整然とした式の並びをじっと見つめる。
「数字なのに、冷たいだけじゃない。雪の結晶みたいに一瞬の美しさを持ってる」



彼女はノートの端に小さく三角形を描いた。
答えに届かなくても、ここに形を残せる。それは、声に出せなかった思いが心の中に残っていることと似ている気がした。
チャイムが鳴ったとき、わからなかったはずの問題が不思議と無駄ではなかったように感じられた。


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昼🍱

昼休み。窓際の席でお弁当の布をほどく。祖母が選んだ和柄の布には小さな桜が描かれている。
ふたを開けると、卵焼きのやさしい黄色、鮭の香ばしい匂い、ほうれん草としめじのソテーの深い緑が並んでいた。
ひと口食べるたびに、冷えていた心がじんわりと温まる。



背後からは友達の明るい笑い声が響く。輪の中に入る勇気はまだなくても、声を聞くだけで少し安心する。
ふと窓の外を見ると、校庭のもみじが陽射しを受けて赤く揺れていた。
「ことばにならなくても、この景色と一緒に残る」
そう思って最後の梅干しごはんを食べ終え、布を静かにたたんだ。


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放課後レッスン🎤

放課後の音楽室。ピアノの伴奏が響き、歌唱レッスンが始まった。
ひかりは立ち上がり、譜面を見つめながら声を出す。
けれど高音になると喉が震えて、声が途切れてしまった。



「大丈夫。深呼吸して」
先生の穏やかな声が背中を押す。ひかりは目を閉じ、胸いっぱいに息を吸い込んだ。
もう一度歌う。最初は小さな声だったが、次第に伸びていく。
窓の外に沈みかけた夕陽が、その声を優しく包みこんでいるようだった。

「届いた…」
わずかにのびた音が、心の奥に小さな自信を残した。
終わったあと譜面を胸に抱くと、冷たかった指先が少し温かくなっていた。


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夕方〜夜🌙

帰り道に立ち寄った中島公園。ひかりはベンチに腰を下ろし、売店で買った栗入りあんぱんを両手で包む。
夜風は冷たく、頬を赤く染めた。けれど、ひと口かじると甘さが広がり、心の奥に静かな温もりが灯る。



「歌えなかった声も、この甘さが包んでくれる」
夕日が沈んでゆく少し眩しい空を見上げ、ひかりは小さく微笑んだ。

その夜、机にノートを開き、昼の想いに一行だけ足した。
「夕方のわたしは、歌とあんぱんで少し心があたたかくなれた気がする」



灯りを消したあとも、栗の甘さと歌声の余韻が胸に残っていた。


今日つかんだ小さなぬくもりが、明日のわたしをそっと支えてくれる。
雪白ひかり


🌌 「星結びのスターローグ」
── 七夕の夜に、精霊たちが“結び”のうたを歌う

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🌟 プロデュース&作詞作曲:緑川順子
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