目次…
【苦慮1】動きが手に通らない
【苦慮2】手球操作ができない
【苦慮3】器具を造ってはみたが…
【転換】
【発見】
【導き】
【余談】
【反射の発見】
【商品化への道】
【生産数の壁】
【用い方の奥深さ…自然体を取り戻す】
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【苦慮1】動きが手に通らない
体幹内操法の基本操作である「体幹の屈伸動作」を行うとき、手まで動きが通らない方が多くおられます。
体幹の屈伸動作と連動して腕を内外旋させるのですが、手まで動作の意識が通らず、手が腑抜け状態となりがちです。

『どうすれば、手まで動作の意識が通って末端まで連動することができるのか?』
…と苦慮していました。
【苦慮2】手球操作ができない
そこで、手の操作性を取り戻していただくべく、「手骨操作」を行っていただき、「手球操作」ができるように取り組んでいただきました。
…が、しかし、修得できる方は少なく、多くの方は挫折されました。
『どうすれば、「手球操作」ができるようになるのか?』
…と苦慮が続きました。
【苦慮3】器具を造ってはみたが…
手球操作のトレーニング用に、「tanQ」というゴムボールのトレーニング器具をご用意させて頂いたのですが、なかなか修得まで至る方が少なく…悩んでいたところ…

「そうだ!球操作の軌道を掴むのが大変なので、球操作の軌道を導く器具を作ればいいかも!」と思いつき、器具の構想を行い完成させたのが「QハンドS」というツールです。

…が、しかし構造上の問題で価格が高くなってしまい、手に取っていただきにくいものとなりました。
『どうすれば、お手頃価格で修得して頂けるものが作れるか?』
…と苦慮の方向性が変わってきました。
【転換】
そうだ、まずは「其々の現状での自然(快適)な動き」ができるように導くことから始めたほうがいいのでは!
「現状で重力と調和する方向に向ける」と、「其々の様子での快適を感じ取っていただける!」
そうすると、「この快適をさらに快適にしていこう」という意欲がわいてくる!
その過程で、「手球操作」に向ける意識が変わり修得も早くなって、体幹の連動性と共に全身が連動する方向に歩んでいける!
例えるなら、旅行の案内を見ても、行ったところの景色の写真がなく、金額と日程だけでは行く気がしないが、行った先の景色や様子が分かることで「そこに行きたい!」と思うのと同じで、行き着いた動きの快適さの様子を少しでも実感できれば「さらに快適になりたい!」という意欲がわいてくる。
『どうすれば、現状での快適を感じて頂けるのか?』
【発見】
ある時、手の様子を観察している中で、「小さな手」の存在に気づき、それを意識すると動きが変わることを発見しました。

それを著したのが「動く骨 手眼足編」ですが、正直なところ、まだ行き着いた感がありませんでした。
状況として、「小さな手」をイメージしても変化を感じない方もおられました。
『もっと簡単に、もっと快適になる方法はないのか?』
『もっと多くの方に感じ取っていただき、輝く笑顔になっていただく方法はないのか?』
【導き】
中国武術では「手に体の様子が現れる」と聞き、剣術では「(手で持つ)剣が体を導く」とも聞き、手と体の関係に意識を傾けて…武蔵の二天一流の木刀を持って構えていた時、ふと「刃と峰を逆に回して持つとどんな感じになるんだろう?」と、持ち替えてみて「あれっ!」と「柄の微妙な反りと体幹の関係」が感じ取れました!
そこで、小刀をもう一本取り寄せて、左右同じ長さで試してみました…
さらには、後ろに刃が行くように逆持ちでも試してみました…
確かに、微妙な反りが体幹の奥のほうと反応している!
後ろに刃を向けるほうが、反応がいい!
…でも、刃の部分が重く感じる…
そこで、刃の部分を切って柄だけにしてみました。
すると、芯まで自然に反応する感覚がでて驚きました!
柄の前側を出すより、後ろ側を出すほうがさらに反応がいいことも確認できました!
(これが芯Gripの後ろ側を出すように持つところと通じます)
「これだ!」これで、多くの方に私が伝えたいと思っている快適な動きを体感してもらえる!
持ち方を変えることによる体幹への反応を確認していく中、体幹内操法の感覚との整合性に驚くばかりでした。
…宮本武蔵の導きのようにも感じました。
【余談】
2011年に宮本武蔵が五輪書を書いたと言われる熊本県の「霊巌洞」に行った時。
これは気のせいかもしれませんが「久しぶり、よく来たな、ゆっくりしていきなさい」と聞こえてきました。
誰もいない洞窟で、いきなり涙があふれてきて、気づくと30分ほど泣き続けていました。
この他にも岡山での出来事も含め、色々とあったのですが、悩みに悩んで、閃きを見出してくれたのが二天一流の木刀を持っているとき…
このようなことから導きを感じざるを得ませんでした。
【反射の発見】
このように、手の形と体幹は関係(反射)しあっていることを発見して、この様子を「手形体幹反射(しゅけいたいかんはんしゃ)」と名付けました。
先にお話しした、体幹内操法の基本操作である「体幹の屈伸動作」を行うとき、手まで連動して動きが通っていると、手の形と体幹の形に関係性が現れます。
体幹が反る形となる時、手の形は「親指側が反りあがる」形となり、体幹が丸まる形となる時、手の形は「小指側が反りあがる」形となります。
多くの方が手への連動が少ないため、「手に形を入力」することによって、この反射を誘導するのが《芯Grip》です。
手に形を入力することによって、「手(小さな手)」と「体幹(究極の体幹)」の反射が目覚めてきて、「全身連動を導く手」として機能し始めます。
※これが《芯Grip》を持つと快適になっていく内情です。
そこで、「手骨操作」を行って、「手球操作」ができるようになると、動きの基盤が本来に戻ってくることによって、動きの快適さのレベル(次元)が上がっていきます。
【商品化への道】
柄の微妙な反り形状と小判型の断面が大切になってきます。
※意匠登録出願中!
木刀は手作りなので、形状が微妙に異なります。そこで、二天一流の小刀を何本か購入して、反りを確認して、一番感じのいい反りを見つけました。
これと同じものを作るには?
まず、2次元加工でできる形に工夫して、加工先を探したのですが請けてくれるところがなく、やっと見つけても1本数千円…「これじゃ多くの方に手にしていただける価格にはならない!」
今回の思いは、「多くの方に手にしていただき、快適を感じて笑顔になっていただきたい!」
色々と探し検討していきついたのが、「そうだ!二天一流の木刀を作っているところにお願いしてみよう」…ということで、購入先のサイトに記載されていた「製作:日本製(宮崎県都城市)」を見て、都城市で木刀を作っているところを探しました。
すると、現在4社が木刀を作っていることが分かり、勘で4社の中から1社を選んで、お電話させて頂いたところそこで作られていました。
早速、お願いすると、快くご承諾いただき、試作品を作成していただき、商品化に漕ぎつけました。
これが《芯Grip》ver.1(手作り品/白樫)です。
【生産数の壁】
商品化して、コーチングやセミナーで試していただくと、皆さん驚かれて即ご購入いただき、お陰様で生産が追い付かず、お待ちいただくこととなりました。
そこで、多く作るために、機械加工で作っていただけるところを探していると、見つかるものです。早速出向いてお話しさせていただき試作をしていただけることとなり、生産していただくこととなりました。
これが《芯Grip》ver.2(機械加工品/ブナ)です。

※芯Grip詳細はこちら
これで、現在はお待ちいただくことなくお送りさせて頂けています。
今後お待ちいただくことがあるかもしれませんが、手作り品の約10倍の量が生産できますのでご安心ください。
【用い方の奥深さ…自然体を取り戻す】
まずは、「使い方」に記させて頂いているところから使っていただき、快適を楽しんでいただければと思います。
使っていく中で「姿勢」が変わっていきます。
変わるというより自然体に戻っていくというほうが妥当です。
「姿勢」には、「静的な姿勢」と「動的な姿勢」があると考えています。
巷で言われている姿勢とは「静的な姿勢」で、動く時のフォームといわれるのが「動的な姿勢」です。
しかしながら、「静」と「動」ともに見た目を作ろうとしがちです。
そうではなく、いい姿勢になるように「動きの源(芯)」を整えていくことが大切であり、そこが整った状態が「自然体」と感じています。
※これが《芯Grip》命名の由縁です。…商標登録出願中!
「静は究極の動」であり、「動的な姿勢」の基盤は人間特有の「二足歩行」と感じています。
《芯Grip》を持って歩くことにより「動的な姿勢」の基盤が整ってきます。
さらには、《芯Grip》を持ってただ立って持ち方を変えることにより、「静的な姿勢」が芯から整っていきます。
このように、《芯Grip》は「姿勢」を整えて「自然体」に戻っていくためのツールです。
ここから広がる「使い方」「効用」については、別の項でお伝えしていきます。