煙言。

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Nicotina Menthole

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那須川天心vs中村優作

この試合の発表を最初聞いた時、何よりも先に那須川天心は凄いなぁと思った。

この試合が当然のようにMMAだと思ったからだ。

もうMMAでも一団体のチャンピオンクラスと戦ってしまうのか。どれだけイケイケなんだと、そう当たり前のように思わせてしまうだけの勢いが今の那須川天心にはあったから。

 

昨年末のRIZINで行われた、天心キックトーナメント。そこに出場したPANCRASE王・砂辺光久。

現在パンクラスで16連勝中、MMA7年無敗のMMAチャンピオンをどうして日本で一番のメジャー団体がこんな扱い方をするのか。あの時も苦虫を噛み潰した。

そして今回の中村優作。

もう我慢ならん!!

ここで今、天心に負けてほしくはない。だが、だけど、どうしたってこんなカードを組まれたら中村優作を応援せずにはいられない。

というか、こんなカードはあんまりだ。

砂辺は38歳、中村は31歳、贄じゃない。誰かの贄になるために戦い続けてきたわけじゃない。喰うか喰われるかを続けてきた選手たちだ。彼らが戦ってきたフィールドで、喰うか喰われるかをさせてあげて欲しいんだ。

 

RIZINでやるならMMA。そう強きな姿勢だったはずのRIZIN側が天心のMMAを組めなくなってきている。スポンサードの影響もあるのかもしれない。力関係を引っ繰り返した那須川天心は天晴れだ。自分の力で自分の居場所を作り、自分の見せたい戦いを、見せられる場所を、自分の力で作った。

情けないのはRIZIN側である。

RIZINで天心のキックの試合をやるのに、本場のムエタイ戦士やキックの強豪を連れてきてもそれではRIZINでやる意味がなくなってしまう。その言い訳はまだ聞ける。だからMMAの選手と組み他との差別化を図りたいのも分かる。

だが何故そこに当てるのが、魂削ってひとつひとつキャリアを築いて血流してチャンピオンになった、ここからキャリア終盤を歩もうとしている選手達なんだ。

何故MMAで彼らを輝かせようとしないんだ?何故、チャンピオンの砂辺や中村がキックルールで天心に挑まなければならないんだ?そこにホンの少しの彼らへのリスペクトも感じないのはどうしてだ?

MMAの若手で活きが良い選手いくらでもいるじゃないか?砂辺や中村と天心や他の若手では戦いの位置が違うじゃろ。

RIZINでキックをやる。他のキック団体との違いを見せたい。それならオープンフィンガーグローブでキックをやればいいじゃないか。ルールが不利なMMA選手にはアドバンテージにはなるし、天心やキックの選手はMMAへの適応へ繋がる。試合の画としてもOFGで打撃のみの試合をすれば、普通のグローブよりもハンドスピードが上がり刺激のあるモノになる筈だ。(やる方は嫌かもしれんけど…笑)

 

ONE FCAbemaTVと提携を発表した。ONEは日本でトライアウトを開催したりと日本戦略に大分目を向けている感じがある。榊原さんはONEは脅威ではないと言う。まだUFCを除けば日本が一番、自分が一番優秀なプロモーターだとでも思っているのだろうか?ONEのビクター・キュイとチャトリはアジアをしっかりと見ている。ONE FCはどんどん広がりを見せていくだろう。新日本プロレス・KNOCK OUTのブシロード木谷会長はONEが脅威だと言った。木谷さんはちゃんと世界の流れを見ている。次のカード、次の展開を、その次まで考えてる。バラさんには本当にしっかりして欲しい。アンタ10年遅れてるんだよとなんなら笹原さんにビンタされて欲しい。

PRIDEが無くなって榊原さんが格闘技から離れていた間、DREAMが消えて日本にメジャー団体が無くなってRIZINが生まれるまでの間、その失われた10年を必死に戦い続けて生き抜いてきたのが、中村であり、砂辺だ。

そしてその間に生まれここまで成長し続けていたのがONEでありROAD FCである。あのPRIDEの時代からもう既に一周廻っている。

レイ・セフォーがやっていたWSOFは形を変えPFLProfessional Fighters League)という名でMMA界初のレギュラーシーズン制というフォーマットを用いたイベントに打って出た。

オスカー・デラホーヤの大手ボクシングポロモーション、ゴールデンボーイ・プロモーションズもMMAに参入しそうな匂いがある。

世界は変わり続けている。淘汰されていったモノが全て『悪い』モノだったわけではない。だが、変化できないモノは生き残れない。

メジャー団体もない、メガジムもない国で、その上10年浦島太郎だった人が、人に格闘技ビジネスを語っている場合ではない。ONEのビクターやチャトリ、ROAD FCのジョン・ムンホン、ベラトールのスコット・コーカー。その他にも色々、怪しい奴も猛者もたくさんいる。その中で、本当に、やれんのか!?榊原!?である。

 

200310月、PRIDEから中・軽量級を中心とした新イベント『PRIDE武士道』が旗揚げされた。旗揚げ前、その団体のエースとして期待されていたのが桜井“マッハ”速人だった。当然、武士道其の一にも参戦選手として早くから名を連ねていたが、大会1ヶ月前にマッハは欠場を余儀なくされる。武士道参戦が決まっていたマッハだったが、その1ヶ月前にDEEPに出場し、当時まだデビュー2,3年でマッハに比べれば圧倒的に格下だった長南亮と対戦。ここで気持ち良く勝って新イベントに挑みたかったマッハだが、完全に舐められていると感じた長南は「武士道には出場させない」と殺気バリバリで挑み、その結果3RTKOでマッハを下すアップセットを起こしてみせる。そこから長南の名は広がり、マッハはその試合で眼を負傷し武士道参戦が遅れることになり、その後武士道のエースとして五味隆典が台頭し始める。

 

今回の那須川天心の試合。

この先に天心がビッグマッチを控えている上での一戦と考えた時、一番最初に浮かんだのが上記のマッハvs長南戦だった。全てが今回の試合と当てはまるわけではないし、那須川天心は先の戦いが決まっているから眼の前の相手が見えなくなるような選手にも見えない。中村優作の分は悪いだろう。

ただ、奥歯噛み締めて、言葉噛み殺して中村優作がこの試合を受けたのなら、あの時の長南の様な『何かを起こす覚悟』と『空気』を纏って当日を迎えて欲しい。

ただ、だからといって今、天心が負けるトコがみたいわけでもなく・・・。

う~ん、何とも複雑である・・・。

うん!?してやったりと思うなよ!?RIZIN!!(