『栗きんとん~ 上・下』も『ボンボンショコラ~』も予約待ち状態。

ハードカバー本の棚から当作品を抜き出し近くの席について読み始めた。

 

2015年の作品。

 

文体が固いかも。

が、章(節?)立てが20頁程度にまとめられているのはありがたい。

このくらいの区切りが読み易いのだ。

 

主人公 太刀洗万智 新聞社を辞めたばかりのフリーのジャーナリスト 28歳

舞台  ネパール・カトマンズ

時   2001年

 

最初の80頁は退屈だった。

登場人物の紹介のようだ。

 

ロブ    ホテル・トーキョーロッジの滞在客 米国人

チャメリ  ホテル・トーキョーロッジの支配人

サガル   土産物売りの少年

ゴビン   ホテルの部屋の清掃係 サガルの仲間

八津田   ホテル・トーキョーロッジに滞在する仏僧 日本人

シュクマル ホテル・トーキョーロッジの滞在客 商人 インド人

ラジェスワル准尉 宮中務めの軍人 サガルによればインドのスパイらしい(?)

 

やはりシリーズもの・固定メンバーによる会話劇は読み易いのだと改めて思った。

 

ネパール国王と王妃、他数名の王族が4んだ。

容疑者はディペンドラ皇太子 自殺を図り意識不明。

というニュースが飛び込んできて物語が動き出した。

万智は月刊深層編集部の牧野に連絡 ←深層キター

シュクマルによるとインドとの国境が封鎖されたとか。

ロブは早々に退散したいと方々と連絡を取るも移動手段を確保できず。

万智は取材を始めた。

ラジェスワル准尉との接触に成功、だが何も聞きだせなかった。

翌日ラジェスワル准尉は変死体で発見された。

背中には「IMFORMER」と刻まれていた。むむむむ

 

ここからは サクサク頁が ススムくん

 

率直におもしろかった。

死者が出ておもしろかった言うのはどうなの、と。

その辺りも当作品のテーマか。

 

私は推理ものを多く読み込んでいるわけではないけど

最後の最後にニューフェイスが出てきてそうです私が全部やりました! 

とはそうそうなりませんで

限られた登場人物、序盤から馴染んだ人物ほど怪しいと

そういう意味では5-6割ほど読めてた気もするのですが

もちろん全部を看破できたわけではありませんで

意外性(創作の工夫)をおもしろかったと表現するわけです。

牧野のノリがよくて最後の絡みを期待したけど出てこなかったのが残念でした。

 

真相解明でめでたしめでたしとはなりませんで

やはりビターエンドというのが米澤作品の味かと。