日頃、自転車での移動が多い。

警察官が自転車の登録番号を確認する。

「お兄さん、ライト点いてないね。ちょっと止まってもらえる?」

ここのライトは口実である。

そんなことはどうでもいいのである。

とにかく番号を確認したいのである。

 

こっちが言うとおりに従っていると調子に乗って

「財布見せてもらえる?」

これは流石によくわからん。

 

ただ、反抗すると「なんで見せたくないの?」とくる。

 

普通の感覚として見せたくないやん。

 

ただ嫌がると怪しいとしてくる。

 

この一連。。。。

何回せなあかんねん。

 

あの行為に対する完璧な断り文句をまだ思いついていない。

だから断れない。

でも納得はしきれていない。

 

なんやろこの感じ。

なんかスッキリせんけども完全に否定できない感じ。

 

何かしらのカスタマーセンターに電話して、保留音のまま20分くらい待たされたときのような。

 

 

警察の人が悪いわけじゃない。やりたくてやってるわけじゃない。

警察側も強く出れる文句を持ってない。

断り文句を持ってない。

 

この気持ち悪い感じの中、わざわざ自転車を止めさせて疑ってかかるときのバランスとして、異常に優しい口調で喋る。

 

これが寒々しい。とにかくこれが寒々しいのである。

二人組になって一人は調べる、もう一人は異常に優しい口調で「お仕事帰りですか?」と世間話に見せかけて少しでも怪しい回答がないかと探ってくる。

あの時のトーンの寒々しさたるや。

 

しかし、断り文句がない。

揉めるのも大人げない。

黙って従う。

 

 

この間、それが2日連続で行われそうになった。

その日はどうも疲れてイライラしていたので1秒でも早く帰りたかった。

交差点の赤信号、横断歩道の先にあの青い二人組がいた。

今日はどうしてもあの寒々しい声を聞きたくなかった。

 

僕は「なんとなく」という顔で道を変えた。

もう一つ先の横断歩道で渡ることにした。

 

先の交差点を渡って暫くしたときに一応確認のため振り返ってみた。

 

 

 

煌々とライトを点けた自転車が2台、すごい速さで向かってきていた。

 

あの光景の寒々しさはオーロラの見える国をも思わせる。

 

そして僕に追いついたときに出た第一声

「ちょっとお兄さん」

あの時のトーンよ。

追いかけて来といてものすごい優しいトーン。

もうね、流石に逃げたね。

それが嫌やからわざわざ道を変えたのになんで追いかけてくんねん。

5分はついてきたね。

止まってもらうまで、家まででも行きますって。

 

でもやっぱり断り文句がないのよ。

つらい。

という話。