いつか 誰かに届くことは
あるのだろうか.........
『あの日も今となっては過去』
あの日君は
僕の隣に
憧れることしか出来なかった君が
僕の鼓動は恐いほどに高鳴った
君に聞かれてしまうんじゃないかと
不安になった
僕はガラス越しに君を見る
けど、君は気づかない
それでも良かった
そう思った次の瞬間
僕は闇の中に一人佇んでいた
君を探そうにも
闇が濃すぎて
闇が纏わりついてきて
ついには周りの音さえも消えて
一瞬君の笑顔と笑い声が
木霊した ような気がした
次に聞こえてきたのは
哭き声と叫び声
気づいたら
闇は地獄絵図に
隣にいたはずの君は
君の命脈は尽きていた
なのになぜ僕は生きているのだろう
そして僕も堪らず叫んだ
この不合理に
なぜ僕が
なぜ彼女が闇に垣間見た君は幻か
それとも闇が哀れに思い
見せてくれた蜃気楼か
ならばもう一度
せめてもう一度
あの闇に戻り
囚われたい
君の死を実感させる
この現実に
未練などない
『重過ぎる綺麗な想い出は』
目を瞑ると
いつも甦るのは
君と初めて出会った日のこと
あの頃
僕たちには終わりなんて無いと
僕たちの夢は永遠だと
思っていた
お互いに大切な、必要な
存在だったはずなのに
いつからか
交わす言葉も少なくなって
次第に互いに
距離を感じ 距離を置くようになった
何がいけなかったんだろう
もう後戻りは出来ないけれど
でも
私は今気づき始めてしまった
もう君と私は元には戻れない
あまりにも違う道を選んで
歩み始めてしまった
それでもあなたは
私にとっては
運命の人だってことを
目を瞑るたびに甦る
あの頃の綺麗な想い出が
あまりにも重過ぎて
甦るたびに 今も
私の頬に泪が伝う
あの頃に戻りたい…
こんな切なる願いも
叶わないこの現実に
胸が痛む
心で君の幸せを
願いながらも
『部屋の片隅に』
陽が昇っては目覚め
夕日を見ながら眠りにつく
でも
何かが足りない
あなたが居なくなったこの部屋は
もう私にとって
安らげる場所ですらない
この部屋には
ただ ただ
虚しさだけが漂っている
何かが足りない
あなたはもう帰ってこないと
わかってはいても
私は待っている
部屋の片隅に蹲りながら
虚しさに押し潰されそうになりながら
あなたの帰りを待っている
何がいけなかったのか
いつから歯車が合わなくなったのか
もう
あの日には戻れないのか
やり直すには
気づくのが遅すぎたのか
『夢幻泡影』
この世の中には
無限や永遠なんて存在し得ない
なぜならすべてが夢幻だから
愛だっていつかは冷めるもの
どんなに愛し合ってもきっといつかは…
友情だって意外と果敢無いもので
時間だって縛られているだけで
自分の思い通りにはいかないし
宇宙という
果てしなく広いスケールで考えてみても
やっぱり無限なんてあり得ない
なぜならそれは人間が勝手に
思い込んだものだから
唯一絶対で確かで
普遍なものがあるとしたら
それは
それぞれが進んできた
今日という日までの
過去という事実だけ
『懐かしさ』
僕らが出会ったのは
雪まだ溶けぬ春
僕らが別れたのも
そんな春だった
僕らが分かち合ったのは
「青春」という蒼い春
互いに信頼を置く共犯者
そんな中で
「友情」という絆で結ばれた僕らは
全ての大人たちに宣戦布告をしたかった僕らは
今、その大人になるための岐路に立たされている
自分の心と呼応する
何か を求めて
小さく大きな一歩を踏み出す
だけど忘れないでほしい
この先何があっても
どんなに離れていても
あなたには味方がいるということを
そう
私という共犯者がいるという事を
『夜は朝に朝は夜に夕暮れを包む』
夜が明けるスティジアン色の夜が
夜のしじまに素のままで過ごした時が終わる
そして朝が来るレモン色の朝が
素のままの心じゃ傷つきやすいから
煌びやかなものたちを身に纏うことで
私は今日も自分を武装する
そしてクリムゾン色の夕暮れが訪れる
シアン色の夜が近いことを告げるために
そして世界は再び夜のとばりに包まれる
朝の武装を解除して
夜は自分を曝け出す
女は月だから
月の光を浴びながら心を裸にする
そうして次の朝のために力を吸収する
ためた力は朝のために
だって
毎日が戦いだから
自分と世界の戦いだから
『自分』
私は嫌なやつだ
自分が特別な何かだと思いたい
だから優越感に浸る
自分の存在価値を見出したい
だから人と自分を比べる
そうしないと
自分が自分である
意味が分らなくなるような気がして
そうしないと
自分が自分でなくなるような気がして
そうしないと
自分が壊れそうな気がして
そうしないと
無個性なこの世界に埋もれてしまうような気がして
そうしないと
自分が脆いと気づいてしまうから
私は自分の全てが否定されても尚
強く立っていられるほど
強い人間じゃないから
『詐ること 大人になること』
私の泪は枯れてしまったのか
私の心は乾いてしまったのか
それほどまでにこの世界は荒んでしまったのか
いや 答えは分りきっている
泪は枯れていない
心も乾いてなどいない
ただ私が自分を詐っている
私が自分を詐ることを覚えたから
大人に近づくにつれて
私は自分を
殺すことを覚えた
そして自分の心に
鍵をかけた
そしてその心を
取り巻く幾重にも重なる鎖は
日に日に増えては重なり
押しつぶされそうになる
まるで自戒の牢獄
今となっては
本当の自分が
どんな姿だったかすら
思い出せない
私はこの鎖を
この鍵を
壊してくれる
何かを待つだけなのか
『俯き歩く』
いつも俯きながら歩いてた
でも
ふと 空を見上げたら
星が 月が 空が
輝いていた
こんな都会の空でも
星が見える
それに気づいた
気づけたことが嬉しかった
これからは 時々
空を見上げよう
自分が自分でいるために
あなたを忘れないために
だって
この都会では
全ての流れがはやいから
心が荒みやすいから
心を開く術をなくすから
自分を 心を
見失いそうになるから『交差点』
私はまた
交差点に立っていた
もうこれで何度目だろう
別れと出会いの交差点
ここに立つたび
大切な何かを学んでいる
そのたび
確実に成長している
この信号が変わったら
また新しい自分が
一歩を踏み出す
そして次の交差点で
また止まるまで
自分探しの旅は続く
こうして皆大人になっていく
過去という想い出を
増やし抱えながらも
