インターネットの海をなんとなくさまよっているとき、ふと「自分だけの秘密基地みたいなサイトに出会いたい」と感じることはありませんか。そんなときに見つけたのが「会津娘好きの日本酒語り部」というサイトです。華やかな広告も、過剰な煽り文句もなく、静かに会津の日本酒や「会津娘」への愛が綴られていて、画面の向こうから、ひとりの日本酒好きがぽつりぽつりと語りかけてくるような空気があります。情報を浴び続けて少し疲れた頭が、ゆっくりとほどけていく感覚に、私自身も思わずスクロールを止めて読み込んでしまいました。

会津娘に惹かれる理由を一緒に言語化する

このサイトの面白さは、銘柄やスペックの紹介だけで終わらず、「なぜこのお酒に惹かれるのか」を言葉にしようとしているところです。ラベルの印象や最初の一口を飲んだときの驚き、時間が経つほどに味がどう丸くなるのかなど、飲み手の体験が具体的に描かれています。例えば、寒い夜に一人で盃を傾けたときの静けさや、友人と笑い合いながら空になった一升瓶を見つめる瞬間など、ちょっとした情景が添えられているので、「自分だったらどんなシーンで飲みたいかな」と自然に想像がふくらみます。日本酒に詳しくなくても、「何かを好きになる気持ち」を一緒にたどっていくような感覚で読めるのが大きな魅力です。

ネットサーフィンの寄り道が深い学びに変わる

このサイトは、いわゆるグルメ情報サイトのように効率よく店や銘柄を探す場ではありません。どちらかというと、ひとつのテーマをゆっくり掘っていく個人ブログに近い雰囲気です。だからこそ、ネットサーファーにありがちな「次から次へとページを開いて何も覚えていない」という感覚から少し解放されます。ひとつの記事を読み終えるころには、会津という土地への興味がわいたり、日本酒を買うときに「産地」や「蔵のストーリー」を意識してみようと思えたりするはずです。読み進めるほど、クリックの数ではなく、自分の中に残る記憶の数が増えていく感覚が心地よくて、気づけばブックマークに追加していました。