世界における日本の評価が下がっている
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先月末、世界の中での日本の評価が下がっていることを示す数字が続けて発表された。
一つはスイスの有力ビジネススクールのIMD(経営開発国際研究所)が発表した「世界競争力年間」の数字。もう一つは、経済協力開発機構(OECD)の国民生活の幸福度を評価した「ベター・ライフ・インデックス=BLI」である。
IMDによると、日本の競争力は調査対象の59ヶ国・地域中、第27位と前年より1つ低くなった。
1989年~93年のバブル経済の後期は、日本が総合首位であったことを考えると、20年間の地位低下は誰もが認めざるを得ないだろう。
昨年から急速に低下した分野は、エネルギーを中心とする基礎インフラ分野だ。
東日本大震災時の原発事故やその後の原発停止が、エネルギー供給の不安定を招いたことが響き、基礎インフラ分野が世界32位に急低下した(昨年は20位)。
また、「政府の効率性」、特に公的債務の水準は、なんと59ヶ国・地域中最低の59位。
日本の財政の建て直しが待ったなしであることは、世界共通の認識である。
欧州の財政危機以上に日本の財政状況は厳しく評価されている。
ただ、まだ日本には建て直す余力があと認識されていることから、欧州ほどには不安が広がっていないことも事実である。
財政建て直しに向けて消費税増税だけが唯一の方法とは言わない。
ただ、世界が期待する有力な方法であることも間違いない。
もう一つの数字はOECDのBLIだ。
BLIは、「より良い暮らし指標」と言われる。
日本は調査対象の36ヶ国中21位と昨年より2つ下がった。
「安全」や「教育」は高順位であるが、「仕事と生活の調和」「生活の満足度」の評価が低かった。
特に34位の評価を受けた「仕事と生活の調和」は、いわゆる働き過ぎの日本に対する評価である。
労働時間の長さに加え、一日のうちで余暇・睡眠、食事にかける時間の少なさが響いている。
「生活の満足度」は国民が10段階で採点した平均値が各国平均よりも0.6ポイント低く、36ヶ国中で27位となった。
「自分が好きで長い時間を働いているのだから余計なお世話だ」と言いたいところだが、「生活の満足度」も低いとなれば問題である。
同様に本年2月に発表されたOECDの調査結果だが、日本の労働生産性は加盟国34ヶ国中19位。
高い高いと言われていた製造業だけをとっても世界第10位。
また、労働生産性を上げる有力な方法の一つが、IT化や不採算事業の整理と労働時間の短縮・有給休暇の取得であることも世界の共通認識。
であれば、経営者と労働者の双方にやる気さえあれば、労働生産性の向上はそんなに難しい話ではあるまい。
そうなれば、幸福度指標(BLI)の「仕事と生活の調和」や「生活の満足度」の評価も上がっていくであろう。
追伸
評価が下がっているのに円高?なぜ?
ー木村浩太郎
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